インド南部のコーチン国際空港が、世界で初めて太陽光発電による電力の自給自足を実現した。
同空港は3年前から太陽光パネルを導入し、まず到着ターミナルの屋上に、続いて航空機の格納庫とその周辺にパネルを設置。このプロジェクトの成功を受けて昨年、ドイツのボッシュと契約し、貨物ターミナル周辺の未使用地に巨大な太陽光発電所を建設した
発電所は昨年8月に稼働し、同空港は世界で初めて太陽光発電で全電力をまかなえる空港になった。
発電量は、同空港が1日に消費する平均4万8000~5万キロワットをわずかに上回る。余った分は電力網に供給しているという。
プロジェクトにかかった総工費約6億2000万ルピー(約10億円)は、不要になった約6年分の電力料金と相殺できる見通し。太陽光発電により、今後25年で30万トンを超す二酸化炭素の排出削減にもつながると推計している。
インドで太陽光発電のコスト低下が進む中、コーチン国際空港のプロジェクトは国内外から注目を集めている。
インド民間航空相は1月に同空港を視察し、国内の他の空港に対しても、太陽光の利用に着手するよう指示したことを明らかにした。
コーチンより規模の大きいコルカタの国際空港は年内に太陽光発電所を建設し、電力料金を現在より3分の1削減できると見込む。コーチン空港も国際ターミナルの需要増大に対応するため、太陽光発電施設の拡張に取りかかっている。