トルコのエルドアン大統領
トルコの首都アンカラで起きた車爆弾テロで、同国のクルトゥルムシュ副首相は14日、実行犯とみられる男女のうち女の容疑者の身元を特定したと発表した。
同氏は容疑者について、それ以上の詳細は明らかにしなかった。男の身元も、DNA鑑定の結果を待って特定される見通しだという。
13日に発生した爆弾テロでは、少なくとも35人の市民が死亡した。クルトゥルムシュ氏によると、この事件に関連してすでに10人が拘束されたが、残る10人は逃走中。当局は捜査の一環として、拘束した女の人脈を追っている。
ダウトオール首相は14日の記者会見で、これまでに得られた証拠は「分離主義のテロ組織による犯行」を強く示唆していると述べた。
同国のアナトリア通信は、当局が対テロ作戦を実施して少なくとも29人を逮捕し、イラクにあるクルド系分離主義組織の拠点を空爆したと伝えた。同通信によれば、逮捕者のうち4人は、アンカラの事件で使われた車に関連して南東部シャンルウルファで拘束された。車は同市内で購入されたことが分かっているという。
エルドアン大統領は犯人に必ず裁きを下し、テロを撲滅すると表明した。
アナトリア通信が南部ハッカリ県、マルディン県の知事室の話として伝えたところによると、両県ではテロ活動が勢いを増していることを受け、「市民の生命と財産の安全」を確保する目的で夜間外出禁止令が出された。
また、トルコのラジオ・テレビ最高評議会は事件発生後、爆発が起きた瞬間や直後の模様、現場の遺体といった画像の放送を禁止した。
同国のインターネット監視当局も、爆発現場のビデオや写真をソーシャルメディアに公開する行為を禁止した。現地のCNN取材班などは事件後数時間、フェイスブックやツイッターにアクセスすることができなかった。トルコはこれまでにもソーシャルメディア禁止令を出したことがある。