米大統領選挙に向けた候補者選びはついに「ミニ・スーパーチューズデー」を迎え、開票結果が続々と伝えられている。共和党のトランプ氏、民主党のクリントン前国務長官に大きな注目が集まっているが、この大事な時期にあの国際ハッカー集団「アノニマス」が宣戦布告。相手はトランプ氏であった。
物怖じせず遠慮のない過激な発言が何かと耳につくドナルド・トランプ氏。しかし不動産王としての豪快な功績、投資、リアリティ番組のホスト、ミス・ユニバースの開催など、これまでとは異なる華やかなカリスマ性を持った“民間人”出身の大統領が誕生するのも面白いとして、大きな期待が集まっているのも事実である。そんな中、国際ハッカー集団「アノニマス（Anonymous）」がYouTubeに1本の動画を投稿し、トランプ氏に宣戦布告。いつものマスク姿で1人の男が登場し、彼のウェブサイトを片っ端から攻撃すると述べた。
「あなたは実力もないくせに、国民が聞きたがっている言葉を巧みに駆使しながら大きなことばかり言っている。我々はあなたをじっと監視している。悪いことは言わない。さっさとキャンペーンをやめて陣営を解散させなさい。これはただの警告ではない。我々も総動員で攻撃にあたる所存です。」
また、仕事でもプライベートでも一般大衆には知られたくない秘密を多々抱えているであろうトランプ氏。マスク姿の男は「そうした情報をかき集めて晒しものにしてやる」と脅す。以前、この集団によるハッキング被害でプライベートなボイスメールを暴露されているため、スルーするわけにもいかなそうだ。もっともハリウッドやラスベガスで“帝王”として鳴らしてきたトランプ氏だけに、プライベートライフはそもそもド派手。各種の暴露記事がゴシップサイトで多々報じられてきたため、よほど強烈なネタでなければ今のトランプ人気に影響を及ぼさないであろう。
先日は俳優のジョージ・クルーニーが『The Telegraph』とのインタビューで、メキシコとの国境に壁を建設、ムスリムにはバッジをつけさせるなど特殊な扱いが必要といった過激発言を連発させるトランプ氏を批判し、「今のアメリカは政治的にクレイジーな状態。彼の思い描くような国家は実現しない」などと述べていた。国際人道支援家としての数々の活動から「国連平和大使」に任命され、エミー賞の“ボブ・ホープ・ヒューマニタリアン賞”にも輝くクルーニー。国民には現在の興奮状態に酔うことなく、冷静さを求めたい様子であった。