海洋テーマパークを展開する米シーワールドは18日までに、シャチの繁殖とショーから撤退すると明らかにした。
同社は公式ウェブサイト上で「社会の変化とともに弊社も変わっていく」「野生動物や自然を守るために行動を起こすよう来場者すべてに訴えかけるというわれわれの目標を追い続けるため、新たな方策を探っている」と述べた。
フロリダ州にある同社のテーマパークでは2010年、シャチが飼育員を死なせる事故が発生。13年にCNNのドキュメンタリー映画「ブラックフィッシュ」でこの飼育員など計3人の死に関わったシャチが取り上げられて以来、シーワールドはシャチの扱いについて厳しい批判にさらされていた。
シーワールドでは今後、派手なショーの代わりに新たにシャチの自然な姿を見られる場を用意するという。
動物保護団体のPETAはシーワールドの対応に一定の評価を示しつつ、さらなる対応を要求。PETAのイングリッド・ニューカーク会長は水槽を海の保護区域に開放すべきだと述べ、「そうすれば、長年閉じ込められてきた動物たちも牢獄のような水槽の外側の暮らしをいくらかでも味わえるかも知れない。シーワールドは一歩を踏み出したが、さらなる前進が求められる」と語った。
「ブラックフィッシュ」のガブリエラ・カウパースウェイト監督は今回の決定について「特に繁殖プログラムはシーワールドのビジネスモデルの中核だった」「彼らは大きなステップを踏み出した。パラダイムシフトと言っていい」と述べた。