総統、国会不承認の監察委員ポスト再指名へ
馬英九・総統が、新たに指名した監察委員の多くが立法院の同意を得られなかったことについて、立法院を尊重するとしている。立法院は29日、第5期監察委員として指名された27人のリストについて同意権行使の投票を行った。その結果、11人は同意を得られなかった。
総統府の馬瑋国・スポークスマンは30日、「29日に立法院で行われた監察委員人事への同意権行使の投票結果について馬・総統は、同意が得られなかった人たちに対して遺憾の意を表すると共に、立法院の決定を尊重する立場を示した」と話した。
馬・スポークスマンは、監察院の正常な運営のため馬英九・総統は憲法と憲法政治の慣例に基づいて改めて監察委員を指名し、立法院の新会期が始まる前にリストを提出して同意を求めると説明した。
第5期監察委員は8月1日に宣誓して就任することになっている。
台プラ系DRAM2社、Q2純利益は前期比減[IT]
台湾プラスチック(台プラ)グループのDRAM大手、南亜科技(ナンヤ)と華亜科技(イノテラ)の2社は29日、第2四半期の連結決算をそれぞれ発表した。両社とも粗利率が過去最高となったが、為替差損などを計上したため、純利益はそろって前期比小幅減となった。例年の需要期に当たる第3四半期は製品価格の上昇が見込まれるため、2社とも粗利率がさらに伸びるとの見通しを示している。
南亜科の第2四半期売上高は前期比1.9%増えた。売上原価が減ったことで、粗利益は43.8%となり3.9ポイント上昇した。本業のもうけを示す営業利益は7.2%増となったが、出資する勝普電子の損失などを計上したことで、営業外収益が23.8%減少。純利益は0.7%減の60億8,300万台湾元(約207億円)となった。
華亜科の第2四半期はビット換算の出荷量が増えたことで、売上高は前期比6.1%増加。粗利益は10.0%増え、売上高とそろって過去最高を更新した。粗利率は56.0%で前期比約2ポイント上昇した。営業利益も9.2%増のプラスとなったが、為替差損を計上したことなどで、営業外損益は前期の5億2,200万元の黒字から11億元の赤字に転落。純利益は5.6%減の106億1,500万元となった。
■Q3粗利率さらに上昇も
南亜科は下半期について、米アップルなど大手ブランドメーカーが携帯電話の新製品を投入することなどから、DRAMの需要が増え続けると指摘。第3四半期の需給はよりひっ迫するとの見方を示した。通信社の中央社によると、南亜科は第3四半期の製品価格について5%程度の上昇を見込んでいる。
華亜科は第3四半期のビット当たり出荷量は前期比横ばいか小幅減を予測。ただ、製品価格が予測どおり上昇すれば粗利率は過去最高をさらに更新するとみている。
復興航空機墜落、民航局「機長は滑走路に同意」
トランスアジア航空機の墜落事故について、民用航空局が、機長は本来の滑走路での着陸に同意していたと説明した。トランスアジア航空の旅客機、GE222便は今月23日夜、離島・澎湖の馬公空港から1キロの地点で墜落、乗客と乗組員合わせて58人のうち48人が死亡した。
野党・民進党の段宜康・立法委員は、馬公空港には滑走路が2本あり、事故の起きた23日夜には墜落したGE222便を含め、少なくとも3便が、空軍が優先的に使用する滑走路での着陸を申請していたが拒否されたと指摘した。段・立法委員によると、馬公空港には、空軍が毎日使用する「02」」滑走路と、一般の民間航空機が使用する「20」滑走路の2本がある。「02」滑走路には、視界が悪い場合でも安全に滑走路まで誘導する計器着陸装置(ILS)が備わっており、この滑走路を使用していたならば、事故は避けられたのではと指摘する声がある。軍部は、どの滑走路を使用するかは空軍ではなく、馬公空港の管制塔が決めることと説明。
交通部民用航空局は30日午前、緊急記者会見を開き、事故発生当事、トランスアジア航空とユニエアーの2機が着陸を待つ状態で、いずれも「02」滑走路への滑走路変更を求めていたことを認めた。しかし、馬公空港の管制塔がこの要請を受けて軍部と調整していた間に、視界が1600メートルまで改善されたため、機長が本来の「20」滑走路の使用を決めたという。
民用航空局飛航管制組の易心荘・副組長は、「管制官が軍と連絡していたところ、午後6時40分ごろ、最新の気象データが出て、視界は1600メートルとなった。超短波全方向式無線標識施設(VOR)を使って『20』滑走路に着陸する基準に達した。管制官は2機の旅客機の意向を聞き、GE222便は『20』滑走路での着陸に同意した」と説明した。
民用航空局によると、馬公空港の滑走路は一本のみで、両端をそれぞれ「02」と「20」に分けている。「02」の方向から着陸する場合はILS、「20」の方向から着陸する場合は「VOR」の誘導システムがある。23日は西南の風が強く、すべての航空機が「20」滑走路を使用したという。
劉慶中氏が客委会主任委員に
行政院は30日、客家委員会の新たな主任委員には劉慶中・政務副主任委員が就任すると発表した。同氏は30日、台湾東部の花蓮県の花蓮市、鳳林鎮、光復郷などを視察。客家のコミュニティの生活環境を確認した。劉氏は、客家の若者に関する政策と地元文化の発展に取り組む姿勢を示した。
行政院が30日、客家委員会(客委会)の新たな主任委員に、劉慶中・政務副主任委員が就任すると発表した。客家委員会は、中華民国政府で、台湾で二番目に大きいエスニックグループ、客家人に関する政策を担当している。
劉慶中氏は台湾南部・屏東県出身の客家人で、アメリカ・イリノイ大学で教育行政と哲学の博士を取得、これまで国立屏東師範学院における国民教育に関する大学院の院長、副学長、代理学長、ならびに国立屏東教育大学の学長を歴任。劉氏はまた、長期にわたって地元文化の発展とエスニックグループに対する支援の推進に携わり、屏東教育大学で学長を務めていた間には客家研究センターを作って、客家文化の研究と発展に努めた。
行政院では、劉氏は客家委員会の副主任委員を務めていた間、客家の特色ある産業の発展推進を積極的にサポートしてきたと評価、今後は客家委員会がすでに進めている文化と言語教育の政策を維持する他、教育者としての精神で、客家の若者たちの育成に力を入れること、ならびに若者による客家文化の継承と発揚を奨励することに取り組んでくれるだろうと期待した。
なお、劉氏の後任には、現在、常務副主任委員を務める鍾萬梅氏が就任する。
統一地方選、与野党党首の応援が本格化
年末の統一地方選に向けて、与野党の党首が選挙応援が本格化しつつある。台湾では今年11月29日に統一地方選が実施される。特に注目されるのは今回から六つに増える行政院直轄市の市長選挙、ならびにそれ以外の県・市の首長選挙。
与党・国民党の中央常務委員会では30日午後、政務首長の業務報告に代えて、台湾中部・台中市の胡志強・市長による施政報告が行われた。胡志強氏は台中市長の再選を目指している。
国民党の主席を兼務する馬英九・総統も出席、挨拶では胡・台中市長のこれまでの実績を細かく説明、台中市は胡・市長によって国際都市に成長したとして、党を挙げて再選をサポートするよう呼びかけた。馬・総統は、「『家を半分建てたところで、大工を代えてはいけない』という台湾語の言葉を思い出す。胡・市長が引き続き努力することで、台中市が普通の国際都市にとどまらず、世界で傑出した都市になれるよう期待したい」と強調した。
台中市は、「台湾南部は野党・民進党が強く、北部では国民党が強い」という図式の中間に位置する重要な都市。これまでは国民党が強みを発揮してきたが、今年の選挙では現職の胡・市長の劣勢が伝えられている。
一方、最大野党・民進党でも応援活動が本格化。民進党の蔡英文・主席は8月2日に、台湾北部の桃園県を訪れて民進党の候補者を応援する。桃園県は今回の選挙から行政院直轄市の桃園市に格上げされる。民進党からは、鄭文燦氏が新たな桃園市の市長に立候補している。
民進党によると、蔡・主席は8月より、毎週週末に各県市をまわり、民進党の候補者の応援活動を行う。同党では、台湾北部の港湾都市の基隆市、台北を取り囲む新北市、桃園県、台中市、台湾中部の彰化県、南投県、南部の嘉義県、離島の澎湖県が蔡英文・主席が特に応援に力を入れる選挙区だとしている。
田園に巨大蓄音機登場、ベートーベンの名曲流れる
航空会社CMに登場した「金城武の木」ですっかり有名になった台東県池上郷の稲作地帯の名物に29日、新しくクラシックの“ミュージックボックス”が加わった。高さ4メートルで朝顔型のホーンがついたレトロな蓄音機の形をしており、今後1年半、毎日田園にベートーベンなどの名曲が流される。毎日稲に良い音楽を聞かせればおいしいお米に育つのではという声とともに地域の文化向上が期待されている。
この企画はクラシック音楽の鑑賞を推進している「楽賞音楽教育基金会」によるもの。広々とした田んぼの中のあぜ道に設置されたスピーカーを通して、ベートーベン、モーツァルト、チャイコフスキーなどクラシックの名曲が毎日朝7〜10時と、午後3〜6時の計6時間流される。
除幕式はムソルグスキーの「展覧会の絵」(キエフの大門)をテーマに始まり、良質米コンテストの受賞者や地元小学生らによる記念の田植えが行われた。その後は、ベートーベンの交響曲第5番「運命」やプッチーニのオペラ「トゥーランドット」の曲などを聴く名曲鑑賞会が解説入りで催された。
現地は2期作でちょうど今年2回目の田植えの季節に入ったところ。農家の人々は「クラシックのことはよくわからないが、農作業しながら音楽が聞けるとはうれしいことだ」と喜んでいたが、中には「できたら、洪栄宏(台湾語演歌歌手)もかけてもらえないか」との声も。
フォード、台湾に部品開発センター設置
フォードは30日、台湾にアジア太平洋地域部品研究開発センターを設置したと発表した。初期投資額は約30億元。同センターで開発された部品は台湾企業に生産委託することを想定し、東南アジアや中国だけでなく欧米市場への輸出も見込める。福特六和汽車の范炘・総裁は「アジア太平洋地域では11の国・地域が開発センター誘致を進めてきたが、台湾の人材、部品産業の競争力が評価される結果となった」と語った。
台湾・イタリア経貿諮問会議、ローマで開催
中華民国台湾とイタリアの経貿(経済貿易)諮問会議がローマで開かれた。「第4回台湾・イタリア経済貿易諮問会議」は28日、イタリアのローマで開かれ、中華民国台湾からは、経済部国際貿易局の張俊福・局長が台湾の産官学の代表10人あまりを率いて出席した。
会議は、張・局長と、イタリア経済開発省での国際貿易政策担当者が共同で議長を務めた。イタリアからは、政府関連省庁と関連業界から要人が出席した他、イタリア議会で台湾に友好的な議員団体のメンバーなども参加した。
双方は会議の中で、双方が関心を持つ重要な議題について話し合い、相互投資、および農産物、工業製品、ワインの貿易、産業提携を促進することで多くのコンセンサスが得られた。台湾からは、経済と貿易の自由化や、地域経済と世界の経済統合参加に対する決意を説明してイタリア側の支持を要請した。
台湾の代表団はローマ近郊の重要な企業を視察した他、投資促進や学術交流の協力覚書も交わし、実質的な関係を深める豊かな成果を挙げた。中華民国の駐イタリア代表(大使)である高碩泰氏は28日、双方の代表団、ならびにイタリアの国会議員や財界関係者を招いて晩餐会を開き、双方がこの会議をプラットフォームとして、経済貿易面での関係をいっそう深め、共に世界での競争力を高めていこうと呼びかけた。
サービスデザイン思考で新たな価値の創造目指す試み
台湾では近年、従来の下請け製造業に代わり、製品とサービスの組み合わせによって産業価値を高める試みが盛ん。教育の現場でもこの流れに乗ろうとする動きが出ており、静宜大学(台中市沙鹿区)では製品やサービス事業を顧客視点で再構築する、サービスデザインの考え方を授業に取り入れている。
静宜大学ではサービスデザインの授業を導入してすでに7〜8年となり、全教員のうち3分の1が関連コースを担当している。現在は4年間の主要カリキュラムに据えられており、入学直後の段階を「ファースト・マイル」、卒業前を「ラスト・マイル」と銘打って専門を社会に出てすぐに生かせるよう指導を行う。
同大学の唐伝義校長によると、学内ではサービスデザインの発想を基に学部・学科を超えて40余りのグループが結成されているほか、役所や空港などでボランティア活動に従事する学生もいるという。また、教師も資金調達の実務など身を持って経験していなければ学生らを導くことはできないとの考えから、研究ワークショップでは教員らも台中市内のアート街・東海芸術村で募金活動を行うよう求められているという。
唐校長は、これらを全方位的な相互学習の一環だと位置づけて問題解決の能力を持つ人材の育成を模索中で、学生のクリエイティブな着想が将来、産業界の構造転換に必ず一役買うはずだと語る。
卒業前の「ラスト・マイル」の段階では、学生の学習成果を書籍にまとめるなどして業界関係者に自校の卒業生について広く知ってもらい、「静宜大学TED」と名づけたプレゼンテーション・コンテストを行って問題発見と問題解決、表現力の訓練を行っているという。
唐校長は、「台湾に足りないのは技術ではなく、技術を価値へと高める方法論だ」と語り、台湾の教育は現在転換期にさしかかっており、教員は学生の学習のあり方をよく理解しなければならないと強調した。
静宜大学は台湾で1948年に復校・設立されたカトリック系私立大学。独自の留学プログラムでキャンパスの国際化を図っており、日本の提携大学も多い。
「能高団」生みの親の本が発売 甲子園を席巻した台湾の先住民チーム
花蓮県文化局は30日、台湾で初めての原住民(先住民)野球チーム「能高団」の創立者、林桂興氏に関する新刊発表会を開催した。
著者の葉柏強さんによれば、「能高団」は日本統治時代の1920(大正9)年に林氏の尽力によって設立された当初からその圧倒的な強さで台湾中を驚かせ、1925(大正14)年に日本本土での親善試合に出場した際には、当時の強豪校を相手に好成績を収め、日本でも大きな注目を集めたという。またこの時、台湾の野球チームとしては初めて甲子園球場で試合を行ったとされている。
同県文化局は、林氏は「能高団」の設立以外に、花蓮のスポーツ振興や台湾東部初となる西洋音楽研究会の成立にも携わり、同地の近代史の重要人物であるとしている。しかし、1947年の「二二八事件」発生時には濡れ衣を着せられ逮捕、投獄されており、その後、家族が家財を投じて釈放されたが、翌年に割腹自殺を遂げ亡くなっているという。
発表会には、林氏の親族なども出席し、新刊の出版について、同氏の功績を誇りに思うと喜びを語った。花蓮鉄道文化館(花蓮市)では、8月28日まで同書に関連した写真展示が行われている。
台風12号、30日夜にも台湾に影響か
フィリピン沖の熱帯性低気圧が30日、台風12号に発達。台湾本島の東の海上に向かって移動しており、30日夜から台湾に影響をもたらす模様。上陸の心配はないとのこと。東部では波が高まる。
フィリピン東方の海上にあった熱帯性低気圧は30日午前2時に台風12号に発達。中央気象局は午後2時に台風情報を発表した。午後2時の時点で、台風12号は台湾最南端・ガランビの東約860キロメートルの海上にあり、時速21メートルで西北に移動、台湾の東の海上に向かっている。中心付近の最大風速は秒速18メートル。瞬間最大風速は秒速25メートル。秒速約14メートルから17メートルの強風域は半径150キロとなっている。
中央気象局では、30日夜から台湾は台風12号の周囲の気流の影響を受け始めると予想。しかし、台風12号は台湾本島の北の海上を東から通過していくと見られ、気象局では海上陸上のいずれも台風警報発令の確率は低いとしている。
なお、台風11号はグアム島付近の海上にあり、琉球方向に移動している。台湾本島とは2500キロ、台風12号とも1800キロの距離があるため、二つの台風が影響しあう現象は起きない見通し。
<アジア大会>韓国野球のライバル、日本・台湾のチーム構成は?
9月に開催される仁川アジア競技大会の韓国野球代表メンバーが28日に発表された。目標の金メダル獲得を目指す過程で最大のライバルとなる日本と台湾の代表チームはどのように構成されているのか。
すでに日本は16日、代表メンバー24人を発表した。日本代表はすべて社会人野球チーム所属だ。日本はオリンピック(五輪)やワールドベースボールクラシック(WBC)とは違い、アジア競技大会ではプロ選手を選抜しなかった。シーズン中に開催されるという理由もあるが、日本リーグ自体がアジア競技大会を重視していないからだ。
とはいえ、日本代表を甘く見ることはできない。韓国は2006年ドーハアジア競技大会で台湾に敗れ、社会人野球選手で構成された日本にも敗れて銅メダルに終わった。日本の社会人野球は毎年、数人の選手をプロに輩出するほど選手層が厚く、実力もかなり高い。2006年アジア競技大会の日本戦で呉昇桓(オ・スンファン)からサヨナラ本塁打を放った長野久義は当時社会人選手だったが、今は読売ジャイアンツの中心打者として活躍している。2010広州アジア競技大会で日本代表としてプレーした24人の選手のうち5人が同年のドラフトでプロに入団した。
変数は台湾だ。台湾は2006年、韓国に「ドーハの惨事」をもたらした張本人だ。油断が毒となる相手だ。台湾は8月4日にアジア競技大会の代表メンバーを発表する予定だ。台湾プロ野球機構(CPBL)は今年2月、アジア競技大会が台湾プロリーグの進行中に開催されるため、選手を代表チームに送り出さないことを決めた。特に、前大会まで台湾も韓国と同じようにアジア競技大会の金メダル獲得で兵役特例措置を取ってきたが、今大会からなくなった。選手のモチベーションが低下する可能性もある。
しかしプロ選手が台湾代表に合流する可能性はある。プロ選手のうち5年の代替服務が残っている選手は、国家代表監督が招集すればいつでも応じなければならない。この招集には法律的な効力があるため、球団と選手が応じないわけにはいかない。
宣銅烈(ソン・ドンヨル)起亜タイガース監督は「韓日戦は選手が競技に臨む気持ちからして違う。しかし台湾はやや甘く見る場合がある」とし「台湾は非常に難しい相手。野球の特性上、2割が8割に勝つことがあるという点を念頭に置かなければいけない」と助言した。
「台湾は何様のつもりだ!」格安ツアーに参加した中国本土客、怒りぶちまける
台湾・中時電子報は28日、中国本土から台湾を訪れる観光客の97%が台湾旅行に満足しているというが、一部には依然、「台湾の食事やホテルはひどい」「二度と行かない」と批判する声もあると報じた。旅行会社によると、こうした批判は格安ツアーや「無料ツアー」でみられるものだ。
台湾の旅行会社に勤める李さんは先ごろ、同業の人と四川省雅安市に旅行し、新しくできた観光地で現地の業者と話していた。するとそこに1人の女性がやってきて、「台湾から来たのか?」と聞かれたので、うなずいたところ、激しく罵られたという。
この女性は台湾旅行に参加した際のことについて、「食べ物もホテルもひどかった」「ホテルの部屋には窓がなく、まるで幽霊が住んでいる場所のようだった」と訴えた。女性にツアー代金を聞くと、3000〜4000元(約5万〜6万6000円)だと言うので、それが格安ツアーだったことが分かった。女性はツアー中、毎日あちこちにショッピングに連れて行かれたともいい、李さんに対して「お金を払ってないわけじゃない。台湾は何様のつもりだ!」と怒りをぶつけた。
台湾の旅行会社によると、現地では中国本土からの観光ツアーがよく目につくが、格安ツアーも少なくない。一般に上海発の台湾一周7泊8日ツアーの代金は4000元ほどだが、これを下回るツアーも多い。
台湾海峡両岸観光旅行協会・上海事務所の李嘉斌主任は、「上海から4000元ほどのツアーでもショッピングには連れて行かれる。6000元以上なら質の高いツアーと言えるだろう」と話した。