日本の花火大会にごみ散乱、台湾報道に「観覧客は全て日本人か?」「日本人は昼天使で夜悪魔」
28日、隅田川花火大会に関して、台湾メディアは「『日本人はごみを散らかさない』神話の崩壊?」と報道。これについて、中国のネット上には多くのコメントが寄せられた。
東京都内で行われた隅田川花火大会終了後の会場にごみが散乱する画像が日本のネット掲示板で話題となり、台湾メディア・東森新聞網は「『日本人はごみを散らかさない』神話の崩壊?」と報道。これについて、中国のネット上には多くのコメントが寄せられた。
「どの国にも素養の低い人間はいる」
「他人の良いところを学んでこそ進歩できる。あらさがしばかりでは何も進歩しない」
「隅田川花火大会には100万人近い人が観覧に訪れる。中には遠くからくる人もおり、すべての人がごみを持ち帰ることなどありえない。この規模のイベントでは仕方のないことかもしれない」
「花火大会でごみが散乱していたからといって、日本人が習慣的にごみをポイ捨てすると主張するなら、それは間違いだ」
「日本の路地はその大きさや狭さが北京の胡同(路地)によく似ているが、北京の汚い胡同と違い、日本の路地はとても清潔だった」
「日本人は、昼は天使で夜は悪魔だ。彼らの自制力は昼間にしか働かないのだろう」
「花火大会の観覧客は全て日本人か?中国や台湾、韓国のツアー客も多くが観覧している。これらの外国人が捨てたごみも多いはずだ」
「韓国に負けた」、台湾はこの現実にどう向き合うのか
28日、台海網は、中国社会科学院台湾研究所の王敏研究員による、台湾経済に関する文章を掲載した。
先日、中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は韓国を訪問し、朴大統領とさまざまな面で共通認識に達した。そのなかには中韓FTA(自由貿易協定)の年内妥結を目指すとの内容も含まれる。
台湾と韓国の輸出の相似度は高く、経済における両国の競争性は強いため、このニュースは台湾で大きな反響を呼んだ。馬英九(マー・インジウ)総統はいら立ちをあらわにし、各界の著名人は中韓FTAの台湾への影響を「原爆級」などと表現した。
台湾・経済部は、中韓FTAにより台湾の4分の1の産業が脅威にさらされ、32〜58億ドル(3200〜5800億円)の打撃を受けると推計している。両岸のサービス貿易協定の審査や貨物貿易協定の協議が遅々として進まない中、中韓FTAの前進により、実質的な中台FTAである経済協力枠組協定(ECFA)で保っていた本土市場での台湾の優勢が、韓国に奪われようとしている。
しかし、これは一つの縮図に過ぎない。近年、韓国の発展は目覚ましく、台湾は経済の停滞から抜け出せていない。韓国は多くの領域ですでに台湾を逆転しており、特に経済では台湾との差を広げている。台湾経済は「韓国に負けた」という現実と問題点にどのように向き合うかが課題となる。
馬総統「4G利用者数1000万人、退任までに実現を」
馬英九・総統は29日、行政院(内閣)が定めた2017年までに第4世代(4G)高速通信サービス利用者数を1000万人とする計画について「私が退任するまでに実現することを望んでいる」と語った。次回総統選は2016年初めに実施され、馬氏は同年半ばごろに退任する。馬氏は「政府はモバイル通信に使用するための帯域幅を積極的に開放していく。2018年には新たに370メガヘルツ前後の帯域幅を4G用に開放する予定だ」と述べた。
太陽電池メーカー、米に価格約束の締結提案へ[IT]
米商務省が、中国と台湾の太陽電池メーカーに反ダンピング(不当廉売)関税を適用する仮決定を下したことを受け、茂迪(MOTECH)やイク晶能源科技(ジンテック、イク=日の下に立)など台湾メーカーはこのほど、最低輸入価格などを設定する「価格約束」の締結を米国側に提案する方針を固めた。8月にも価格約束の受け入れと反ダンピング調査の中止を共同で米商務部に求めるという。29日付聯合報などが伝えた。
価格約束は輸出に際し、反ダンピング関税の回避を目的に、一定以上の製品価格を維持する措置。関係者は「中国と台湾は太陽電池の2大生産国・地域。税率の引き上げは米国の太陽光発電産業にもコスト上昇などの打撃を与える」として、米商務省に同意を求めるとしている。
価格約束をめぐっては、中国製の太陽電池パネルに反ダンピング措置を発動した欧州連合(EU)が昨年、最低価格を1ワット当たり0.56ユーロ(約2円)に設定することで中国側の提案を受け入れた例がある。
米商務省は現地時間25日、太陽電池を米国で不当に安い価格で販売したとして、中国と台湾の関連メーカーにそれぞれ26.33〜165.04%、27.59〜44.18%の反ダンピング関税を適用することを仮決定。台湾メーカーへの税率が業界予測の15〜20%を大きく上回ったことから、関係者の間では業界への打撃を懸念する声が強まっていた。
台湾旅客機墜落事故、ブラックボックス解析完了 機長の最後の言葉は「ダメだ」
中国メディア・台海網は29日、23日に台湾の澎湖島で発生した台湾・復興航空(トランスアジア航空)の旅客機墜落事故について、解析が完了したブラックボックスに残されていた最後の機長の言葉が「ダメだ、ダメだ」だったと報じた。
記事は、回収されたブラックボックスの解析が28日に完了、ブラックボックスには事故機の離陸後から墜落直前までの情報が詳細に記録されていたと紹介した。そして、天気の急変、操縦士の自信過剰を含めたさまざまな要素が操縦士の判断に影響した可能性があることが分かったと伝えた。
また、機長が「間もなく空港に着陸します」とアナウンスした直後、機体を上昇させようとしたところで気流に押しつぶされる形で墜落したとする生存者の証言も併せて紹介した。
台湾・飛航安全調査委員会の王興中氏は「ブラックボックスの解析は完了した。この12年で最悪の飛行機事故であり、重要な資料は確認後早い段階で公表する」とコメントした。
23日の墜落事故では乗員乗客58人のうち48人が死亡、10人が負傷した。また、墜落現場となった民家の住民ら5人もけがを負った。
全ての木々を大切に “金城武の木”生成サイトが話題
台東県池上郷にあるアカギの木が、航空会社のCMに登場し“金城武の木”として注目を集めたことを受け、インターネット上では写真を取り込むだけでCMでの金城さんの姿と簡単に合成できるサイト「金城武樹産生器」が出現し、話題となっている。台湾の複数メディアが伝えた。
昨年6月のCM放映後、多くの観光客が訪れるようになっていた“金城武の木”は、今月23日に台湾を直撃した台風10号の影響で根本から倒れながらも、その翌日には重機などで植え直され、25日は日本人樹木医による“診察”を受けた。しかし、一部のネットユーザーはこの別格な扱いを疑問視し、ネット掲示板では対応の是非を巡り激しい議論が行われていた。
「金城武樹産生器」では、手元にある写真を取り込むと、茶碗を手に持ち石に腰掛ける金城さんの画像が合成される。画像の大きさや位置の変更、上下左右の反転も可能。どんな被写体も手軽に“金城武の木”になるとして会員制交流サイトなどで拡散され、黄敏恵・嘉義市長も市民がこれを利用して作った金城さんと市内の観光スポットとの合成写真を自身のページに投稿し「ぜひ小旅行に来てもらいたい」とアピールした。
一方、金城さんの写真は広告に利用されていたものであることから、権利の侵害などを指摘する声も上がったが、航空会社側は営利目的に使用されない限り、製作者を提訴するつもりはないと話している。
上半期の訪日外国人観光客が過去最多に=アジア人は軒並み増加
2014年7月29日、台湾・中国時報は、14年上半期の訪日外国人観光客数が626万人と過去最高を記録した原因に関して分析を行った。
日本政府観光局(JNTO)が発表したデータによると、14年1〜6月の訪日外国人観光客数は前年同期比26.6%増の626万人で、過去最多となった。国・地域別では、台湾が同35.1%増の139万人で初めてトップとなり、1999年以降訪日観光客数1位を維持してきた韓国は、同3.3%減の127万人で2位へと後退した。
また、伸び率が最大だったのは中国本土で、同88.2%増の100万9000人となり、100万人の大台を突破した。一方、香港からの観光客数も同25.3%増の42万人を記録した。
日本に対する心情に関しては、中国本土と台湾では両極端に分かれ、香港がその中間に位置するという状態が長期にわたって続いている。安倍首相の靖国参拝や慰安婦問題に対する態度などさまざまな問題がある中、なぜ訪日観光客が増加したのだろうか。
あるメディアは、為替レートの変動と日本の観光ビザ緩和政策が最大の原因であると分析する。韓国については、慰安婦問題に対する日本政府の姿勢などによって、反日感情がピークに達していることが影響したと考えられる。ただし、観光客数が減少しているのは韓国だけで、首脳会談さえ実施されていない中国本土を含め、その他のアジア地区の訪日観光客がいずれも増加しているのはなぜか。
訪日観光客の増加は、国・地域相互の親密度を完全に代表するものではないが、民間交流の程度や観光に関する環境、社会文化、流行・ファッションの先進性など、日本に対する総体的な好感度を一定程度反映しているのだろう。
また、政治状況が悪いにもかかわらず観光市場が大きく伸びている状況に、アベノミクスが関係しているのかについては、まだしばらく観察を続けなければ結論を出せない。しかし、今年の訪日観光客数が大幅に増加していることは疑いようのない事実である。
日本統治時代に建設の発電所、運用80周年で記念式典
中部・南投県にある台湾電力大観発電所が今年で営業運転開始80周年を迎え、29日に同県出身の呉敦義副総統らが参加した記念式典が行われた。
大観発電所は近隣の日月潭の水を利用して発電する水力発電所で、日本統治時代の1918(大正7)年に完成、1934(昭和9)年に「日月潭第一発電所」として営業運転を開始した。5基の発電機が生み出す10万キロワットの出力は、当時アジア最大を誇り、台湾で必要とされていた電力の約70%をまかなったという。戦後の1985年には大観二廠(第二発電所)が運用を始めている。
呉副総統は、幼い頃から大観発電所の電力で育ち、自身が南投県長を務めていた時期に第二発電所が完成したと話し、台湾電力の黄重球董事長(会長)は、1999年の台湾大地震で被災した際、多くの作業員が早期の復旧に向けて取り組んだことなどを振り返った。
80年間で328億キロワット時の電力を発電したとされる大観発電所の謝鵬洲所長は、近代的な機械がなく、交通が不便だった時代に、過酷な環境を乗り越えて建設された施設を「奇跡的な工事だった」とした上で、一般市民の生活だけでなく商工業の発展においても大きな役割を果たしたと長年の活躍を称えた。
新教育部長は政治大学の呉思華・学長
行政院は29日、国立政治大学の呉思華・学長(=写真)が新教育部長になると発表、呉思華・学長は自分の新刊書を持って記者会見に出席、メディアに自分の教育理念をアピール。(写真:CNA)
国立政治大学の呉思華・学長が新たな教育部長に就任する。行政院が29日に発表した。前任の教育部長、蒋偉寧氏は、論文偽装の疑いが持たれている屏東教育大学の陳震遠・前副教授の偽装論文事件に巻き込まれて辞任した。
呉思華氏は、国立政治大学の企業管理研究所で修士号と博士号を取得、政治大学科学技術管理研究所の創設者兼初代所長、イノベーションとクリエイティビティセンターの初代主任、政治大学商学部の学部長などを歴任し、現在は政治大学の学長を務めている。
行政院は、呉思華氏を登用する理由として、教育、研究、および行政サービスの面で経験が豊富である他、これまでに教育部の顧問や国立大学協会理事長などの要職を歴任し、教育政策に精通していることを挙げている。行政院はそして、呉氏は教育部長として台湾の教育改革のため重要な貢献をするだろうと期待、また、それは行政院が現在積極的に進める産学協同にもプラスだとしている。
呉思華氏は、教育部長就任について、「教育は私の天職。人生の異なるポストで貢献でき、台湾の教育のために微力を尽くせる機会があるなら、試してみたい。現在の教育制度は、大きな方向においてそれほど問題はないが、執行面で行き届いていない点があるかもしれない。このため、この仕事を引き受けた」と説明した。
台湾鉄道の中長距離列車に授乳室 親子での利用が便利に
女性に安心して授乳をしてもらえるよう、台湾鉄路管理局では中長距離運行の座席指定列車のうち、すでに約7割に授乳室を設置している。29日には20組の親子を招いたPR用特別列車が運行された。台鉄では残りの列車についても来年までに設ける予定。
台鉄によると、授乳室は国民健康署の進める政策に応える形で昨年12月から順次設置された。オンライン切符予約購入サイトの時刻表では該当する列車に識別マークを付け、利用を促しているという。
台北から宜蘭に向けて運行された特別列車は車両にピンク色のラッピングが施された。乗車した母親は「プライバシーが確保され、設備もしっかりしていて邪魔されることもないから便利」。
台湾初の女性監察院長誕生
立法院が29日、監察院長と副院長の新人事に関する同意権を行使した。投票の結果、張博雅氏を新たな監察院長とする案に対する賛成は57票、反対は36票、無効票は14票で、中華民国初の女性監察院長が誕生することになった。孫大川氏が副院長に指名された案も賛成多数で、孫大川氏は第5代監察院副院長となる。
立法院が29日、監察院長と副院長の新人事に関する同意権を行使した。投票の結果、張博雅氏を新たな監察院長とする案に対する賛成は57票、反対は36票、無効票は14票で、中華民国初の女性監察院長が誕生することになった。孫大川氏が副院長に指名された案も賛成多数で、孫大川氏は第5代監察院副院長となる。
中華民国憲法によると、監察院の監察委員は29人、そのうち一人は院長に、もう一人が副院長になる。任期は6年で、総統によって指名されるが、国会である立法院の同意が必要だ。現在、立法委員は112人で、新たな人事が認められるためには少なくとも57人の同意を得る必要がある。
李登輝氏、英インタビューでも「釣魚島は日本領土」 媚日発言で批判
中国新聞網は29日、台湾の李登輝氏がこのほど英BBC(中国語電子版)の単独インタビューに答え、改めて「釣魚島(日本語名称:尖閣諸島)は日本の領土だ」と述べたと報じた。「李氏はこれまで何度も日本に媚びた発言で批判を受けてきた」と指摘している。
報道によると、インタビューで李氏は「台湾と日本の釣魚島をめぐる争いには漁業権の問題しかなく、領土問題は存在しない。日本政府は早くから台湾州政府に対して琉球島の日本漁民の管理を委託していた」と指摘した。李氏はまた、「日本は明治6年には釣魚島を占領し、国際法上の承認を受けていた」とも述べた。
一方、日本が集団的自衛権の行使容認に向けて憲法解釈を変更したことについては、「米国は安心しただろう。集団的自衛権は米国と日本の安保条約行使にとって非常に重要だ」と述べた。
報道によると、李氏は2002年から11年にかけての5回、「釣魚島は日本の領土だ」と発言しており、12年に日本が釣魚島を「国有化」し、台湾と中国本土が反対した際にも、「日本人のことであり、われわれとは関係ない」と語った。
李登輝元総統「尖閣は日本領。戦前は日本統治下の台湾漁船が操業、台湾が琉球の漁業を管轄していただけ」
台湾の李登輝元総統はBBC(中国語サイト)の取材を受け、中国大陸側との「両岸関係」や「統一問題」、「尖閣諸島の問題」について答えた。「尖閣諸島は日本の領土」との考えを改めて述べ、日本の統治時代には台湾の行政当局が琉球の漁業を管轄していたと、台湾で尖閣諸島の領有権についての「誤解」が生じた理由を説明した。中国大陸では経済における過度の接近を批判し「大魚が小魚を飲み込むことになる」と警告した。
李登輝元総統は「尖閣諸島は、そもそも日本の領土」と主張している。台湾でも批判の声があるが、それでも持論を堅持していることを示した。
中国大陸や台湾当局は尖閣諸島は「台湾の一部だ」と主張している。中国大陸の論理は「台湾は中国の一部、したがって釣魚島(尖閣諸島の中国側通称)は中国の一部だ」であり、台湾側は「釣魚台は台湾の一部だ。したがって中華民国の領土」と主張している。
李元総統は尖閣諸島の問題を「漁業権の問題があるだけで、領土問題ではない」と主張。
李元総統はかねてから、「戦前には、台湾の漁民が自由に尖閣諸島周辺海域に行って操業した。琉球の市場よりも台湾の市場の方が大きかった理由がある」などと説明している。同海域を「自分の海」と感じていた台湾人の間で、戦後になり「なぜ、漁に行けないのだ」との反発が高まり、それが「台湾のものだった」という誤解につながったという分析だ。
李元総統はBBCの取材に応えて、戦前は(日本が設置した)台湾当局が琉球の漁業も管轄していたと説明。「当時の台湾当局は、台湾の範囲を超えて管轄する場合もあった」という例証をもって、「釣魚台は台湾の一部」という言い方には根拠がないことを示した。
記事によると李元総統は「日本は明治6年、すでに尖閣諸島を占領していた。国際法の承認も得た」と発言。具体的にどのような事実を指すのかは明らかでないが、日本は沖縄を完全に領土化した1872年(明治5年)び「琉球処分」の後、「大日本府県管轄図」に、尖閣諸島を組み込んだ。
李元総統は、中国大陸側による「300年以上も前に、釣魚島の主権を有していた」との言い方については「国際法と歴史の根拠が欠落している」と批判した。
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李元総統は、尖閣諸島問題以外に、台湾および台湾と中国大陸の関係など、さまざまな問題に言及。中国大陸との関係については「経済や貿易で中国に過度に依存すると、大魚が小魚を飲み込むことになる」と発言。現在すでに、中国との関係密接化により台湾では格差の極端な拡大や社会の混乱が発生していると指摘した。
台湾の馬英九総統(国民党主席)と中国の習近平主席(共産党総書記)の会談については「不要」と断言。習主席の立場からすれば、「会談を望むだろう。台湾を中国のコントロール下に置いたことを意味するからだ」と理由を説明した。
習近平主席については「毛沢東時代の発想と思想に戻るものだ。すべてをコントロールしようとしている」、「中国に民主をもたらすことははない」と批判した。
大陸とのサービス貿易協定に反対して3月から4月にかけて発生した学生など若者が主導した反対運動については「若い人には感心している」と評価。問題の根本は、議会が民衆の声を反映しておらず、関係者が同協定施行後、人々の生活にどのような影響があるか説明していなかったことと指摘。
「学生運動が暴力事件を引き起こす心配はしていなかった。学生運動を暴力事件と見なすべきでない。実際に、暴動の要素はなかった」と述べた。
台湾と中国の「統一問題」については、中国側が「台湾は中国のひとつの省」とみなしていることが、そもそもの問題と主張。統一問題を話し合う前提として「中国は1つの国。台湾も1つの国」との認識が必要で、「統一問題」とは「2つの国の統一問題」との考えを示した。
統一のためのさらにひとつ先の前提として、中国の民主化や自由化を挙げ、それらが実現して初めて、台湾は大陸と統一問題を話し合えると主張。ただし「思うに、中国が民主国家になるのは、現在の状況からして、無限に遠い先」」とつけ加えた。
李元総統は、「台湾はそれ自体が独立した国家である」と改めて述べ、独立国家としての自己認識を含め各種要件を満たすようにする「『台湾正常化』が皆で努力する方向」と、強く述べた。(編集担当:如月隼人)
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◆解説◆
李元総統の説明によれば、台湾が尖閣諸島の領有権を主張の背景には、戦前からの「あの島の周辺は、われわれの海だった」との認識がある。日本側としては台湾側の主張を認めるわけにはいかないが、そのような考え方に至った経緯については、一定の理解も可能ということになる。
戦後において尖閣諸島に対する動きを始めたのは、中国大陸側よりも台湾の方が早かった。台湾漁民は尖閣諸島周辺での「密漁」を繰り返し、島にも上陸し、アホウドリやその卵を乱獲していた。1969年には台湾の水産試験所の船が魚釣島に上陸し、国旗を掲揚した。同国旗は米国統治下の琉球政府が引き抜いた。
台湾や中国が尖閣諸島の領有権を主張したきっかけに、1968年後半に発表された「海洋石油資源の埋蔵の可能性」があるとされる。
しかし中国の場合には、「植民地主義列強により奪われた領土を取り戻し、中国を完全な姿にする」という政治的“建て前”があることも見逃すことはできない。「中華民国を名乗る台湾が自国領と主張したからには、中華人民共和国も同じ主張をしないと、失われた領土を取り戻す努力を放棄したことになってしまう」という理屈だ。
音楽イベント「a-nation」の台湾初開催決定 TRFが17年ぶりに訪台へ
日本で毎年夏に行われる音楽イベント「a-nation」が、今年9月13日に台湾で初開催されることが分かった。日本からはTRFが17年ぶり2度目の訪台を果たすほか、倖田来未やKREVAの出演も決定。台湾からは女性歌手のA-Lin(アリン)が歌声を披露する。
同イベントは台湾のほか、10月18日にはシンガポールでも開催予定。南港101文創会館(台北市)で行われるライブにはGENERATIONS from EXILE TRIBEやソナーポケットなども出演する。また、日本で好評を博した人気モデルなどによるファッションショーやビューティー体験なども行われる。
カワウソの「新ちゃん」死ぬ 人間なら84歳
)台北市立動物園は29日、ユーラシアカワウソの「小新」(シャオシン、新ちゃん)が腫瘍の悪化のために、同日午後5時15分に死んだと発表した。14歳と8カ月で、人間でいえばおよそ84歳だった。
今年1月、飼育員が小新の左下あごにしこりがあるのを見つけ、その後の検査で横紋筋肉腫と診断された。3月に摘出手術が行われた後は、食欲なども正常だったが、5月に腫瘍が再発しているのが確認された。
その後は清華大学と中興大学の医療機関の協力を得て手術を実施、6月には展示室から温帯動物区に移して終末期ケアが行われていた。動物園が以前の展示室前に病状を書いた看板を設置したところ、市民からたくさんの応援メッセージが寄せられたという。
しかし小新はここ最近食欲がなく、体力も低下していたため、29日に検査と腫瘍を摘出する手術が行われた。術後15分で一度は眼を覚ましたものの、容態は回復せず午後5時15分に息を引き取った。
小新は1999年12月に金門島から負傷動物として送られてきたユーラシアカワウソのオスで、同動物園にはほかにも今年4月に同地から送られてきた「大金」(ダージン)、「小金」(シャオジン)がいる。
台湾鉄道の架線、相次ぐトラブルで老朽化問題が浮き彫りに
台湾鉄路管理局の縦貫線で28日午後に発生し、75本の列車に遅延、約2万人に影響が出た架線落下事故。架線の老朽化が原因の一つと見られているが、同局には西部幹線だけでも476キロメートルの区間にわたって更新が必要な電車線があることが分かっており、早急な対応が求められている。
28日の事故では帰宅の足を直撃し、一部の列車では203分の遅れが生じた。台鉄では今年2月28日にも桃園県内で老朽化した架線を電車のパンタグラフが切断し、列車138本、乗客約6万人に影響を与えている。
架線は通常16〜20年を目途に更新する必要があるが、台鉄によると西部幹線では約476キロメートルの区間でこの期間を超えているという。同線では基隆から竹南(苗栗県)までの178キロメートルはすでに張り替えが完了し、今年は南靖(嘉義県)―後壁(台南市)間、高雄市内の路竹―岡山間など22キロメートルで交換を予定している。
ただ、全ての電車線を張り替えるためには5年間で21億台湾元(約71億6000万円)の費用がかかる試算で、慢性的な赤字が続く台鉄内部では「壊れていないのになぜ取り替えるのか」といった声も上がっている。これに対し交通部の葉匡時部長は、ライフサイクルの観点から設備の老朽化問題を考えるべきだと指摘。台鉄の危機意識と保線能力が問われている。
台南の農協 ドラゴンフルーツとパイナップルの変り種アイス販売
台南市善化区農会(農協)は、地元の特産であるドラゴンフルーツとパイナップルを原料に新しいアイスキャンディーを開発し、人気となっている。
総幹事の洪錦秀さんによると、有機栽培で生産された善化のドラゴンフルーツをさまざまな形で販売したいと考え、パイナップルと混ぜたアイスを開発したところ、独特な口当たりと鮮やかな赤色を持つ商品が誕生したという。植物繊維が豊富で栄養満点、夏にぴったりの氷菓子だ。
同農会では19年にわたって新鮮な農産品を素材にしたアイスなどを開発して好評を博しており、今では市外の農会からも現地で収穫された果物などを使った商品の開発や製造を委託されているという。
過去にはイチゴ、マンゴー、タロイモ、アズキ、リョクトウなど、台湾の人々に馴染む味以外に、グァバやタケノコ、エリンギ味などを開発したことも。台塩実業が販売している塩味のアイスキャンディーもここで生産されている。
農会では将来、同じくドラゴンフルーツとパイナップルを混ぜたアイスクリームも開発し、より多くの人に高品質の果物を楽しんでもらいたいと話している。
台湾・静宜大学、交換留学プログラムで国際交流を一層強化
グローバル化をにらんだ教育の国際化が進む中、台湾の各大学では海外への留学・遊学や外国人留学生受け入れの機運が近年ますます高まっているが、日本の提携大学も多い静宜大学(台中市沙鹿区)では国際感覚あふれる学生を育てようと独自の遊学・留学制度を打ち出している。
静宜大学はアメリカ人修道女が戦前中国大陸・河南省で創設し、1948年に台湾で復校されたカトリック系の私立大学。台湾で唯一、世界300校以上からなる「国際学生交流プログラム」(ISEP)に加盟しており、独自の「411遊・留学」制度で学生たちに大学4年間のうち夏休み・冬休みを利用した遊学を1回、交換制の短期留学に1回参加することを奨励している。
同大学の学生数は約1万3000人余りで、このうち域外・海外からの留学生は1200人余りと1割近く。通常の留学生より交換留学生を優先的に受け入れることで静宜大学の学生を海外に送り出すことにつなげている。また、経済的に恵まれない学生の留学を毎年10名ほど支援している。
さらに、海外留学を選択しない台湾の学生にも視野を広げてもらうため、キャンパス内で留学生との交流の場を増やし、国際色豊かな環境を創り出しているという。
唐伝義校長は、静宜大学ではカトリック校として地域色と国際色を同時に兼ね備えることを重視しており、社会への関心と配慮、思いやりの精神の発揮、時代の先取りを目指して優良で多元的な学習環境を整え、専門性が高いだけでなく倫理観の強い人材を育てたいと語った。
広島・尾道市の生徒 日本統治時代の神社跡などを見学
夏の研修プログラムで台湾を訪問している広島県の私立尾道高校の生徒15人が29日、嘉義市の嘉義公園を訪れ、園内にある孔子廟や日本統治時代の神社跡などを見学した。
嘉義市政府によれば、今年初めに広島県尾道市の平谷祐宏市長が同市を訪れ、友好都市として提携する可能性を示唆したこともあり両市の交流が進んでいるという。嘉義市は生徒たちの訪問に際し、観光処を通じて日本語と英語のガイドの派遣を行った。
嘉義公園は日本統治時代の1910(明治43)年に造られ、園内には1943(昭和43)年に建てられた嘉義神社の社務所などが残っている。現地を訪れた生徒たちからはひっきりなしに質問が飛び出し、関心の高さがうかがえた。
生徒たちが参加しているのは、台湾の中正大学が初めて開催した、台湾と日本の歴史を深く理解してもらうためのプログラムで、4泊5日の全行程が英語と中国語のカリキュラムで構成されている。