台湾総統、中国との一国二制度「受け入れられない、台湾と香港は状況が異なる」―米メディア
2014年9月29日、米国営放送ボイス・オブ・アメリカ(中国語電子版)によると、台湾の馬英九(マー・インジウ)総統は「中国との『一国二制度』は受け入れられない。しかし、(台湾と中国当局の間で一つの中国問題について達成したとされる)92年コンセンサスは受け入れる」と述べた。
馬総統は「仮に良い制度であれば、それは一国一制度であるべきだ。台湾と香港は状況がまったく異なる。中華民国(台湾)は一個の主権国家であり、自らの総統、議員、自らが管理する自らの物を選ぶことができる」と語った。
馬総統はこのほど、スコットランドの英国からの独立を問う住民投票について、中国共産党が1980年代初めに提案した一国二制度の目標は香港ではなく台湾だと表明。台湾は同制度の受け入れを拒否するとしていた。一方、中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は先週、台湾を一国二制度を通じて中国に統一させると改めて強調。「中国はいかなる分裂行為も容認しない」と警告していた。
<仁川アジア大会>台湾人記者の行為を韓国メディアが猛批判!=「想像を絶する」「同業者として恥ずかしい」
30日、鳳凰体育によると、韓国メディアは、韓国・仁川アジア大会の野球決勝で、台湾人記者が記者席で喫煙したり、試合中にヤジを飛ばしたことについて、「職業意識の低い行為だ」と非難した。写真は大会を取材する記者。
2014年9月30日、鳳凰体育によると、韓国メディアは、韓国・仁川アジア大会の野球決勝で、台湾人記者が記者席で喫煙したり、試合中にヤジを飛ばしたことについて、「職業意識の低い行為だ」と非難した。
韓国と台湾が対戦した28日の野球決勝で、台湾人記者は記者席で喫煙したり、試合中にヤジを飛ばすなどした。
台湾が3−2でリードしていた7回終了時、台湾人記者は周囲の記者の迷惑を顧みもせずひとしきり歓声を上げ続けた。8回表に韓国が逆転すると、一転してヤジを飛ばし他の記者の仕事を妨害する始末。なかには喫煙する記者もいた。
韓国メディアは「想像を絶するほど職業意識の低い行為だ」「記者として彼らを同業者と呼ぶのは恥ずかしい」などと非難した。
サービスロボット需要、21年に工業用超えも[製造]
政府系シンクタンクの工業技術研究院(工研院、ITRI)は、高齢化の進展に伴い暮らしをサポートするサービス用ロボットの世界の需要が2021年に工業用ロボットを上回るとの見通しをまとめた。
ITRIによると、先進国・地域や台湾などで高齢化が進み、歩行や物の持ち運びを助け、介護動作を支援するサービス用のスマートロボットが家庭でも活躍するとした。また、サービス用ロボットの需要は21年に178億米ドル(約1兆9,000億円)に達し、11年(35億6,000万米ドル)の5倍に成長するとみている。ITRIは、台湾でもPC大手の華碩電脳(ASUS)や、EMS(電子機器の受託製造サービス)大手の和碩聯合科技(ペガトロン)などがスマートセンサーを搭載したロボットの開発を進めているとして、サービス用ロボットの開発・生産は域内の産業構造の転換を進める効果があると結論付けた。
人間の動作を助けるサービス用ロボットは、日本など各国・地域で開発が進んでいる。日本の経済産業省と新エネルギー総合開発機構(NEDO)は、35年に世界のロボット市場が9兆円規模に成長し、うちサービス用ロボットは産業用を大きく上回る約5兆円に拡大する可能性があると予測している。
三井化学、台湾製リチウム蓄電池の材料に関する独占ライセンス取得
三井化学の台湾子会社である亜太三井化学が、台湾工業技術研究院(工研院、ITRI)が発明したリチウムイオンバッテリーの熱暴走を抑制する新材料の製造販売に関する特許独占ライセンスを取得したことが29日分かった。
ITRIによると、STOBAと呼ばれる新材料は、ナノサイズの樹木状構造を持つ機能性ポリマーで、バッテリーの異常で高温になった際に被膜を形成し、リチウムイオンの移動を抑制させ、電池を安全に停止させることが可能だという。
2009年には革新的な発明品に送られる「米国R&D100アワード」を受賞。台湾ではすでにスマートフォンなどの電子機器や電動スクーターに利用されている。
三井側は、蓄電市場ではさらなる高出力・高容量化や大型化、安全性の向上が課題になっているとした上で、新材料の導入で市場拡大に貢献するのではと期待を寄せている。
計画では2016年度までに台湾での製造拠点を設立し、将来的にはリチウムイオン電池用の部材開発も進める。工研院ではこれを機に、台湾の電池関連産業をさらに発展させたい考えだ。
台湾、5人に1人が心血管疾患で死亡=2013年
昨年台湾で亡くなった人のうち、心血管疾患による死者が5人に1人を超えていることを受け、中華民国心臓学会などが28日、9月29日の同疾患予防キャンペーン「世界ハートの日」に先駆け、市民に広く注意を呼びかけた。
同学会の葉森洲理事長は、台湾では多くの人が心臓病、脳卒中、高血圧などの心血管疾患により亡くなっていると指摘。昨年の時点でその数は3万人以上に達するという。
また、同氏は予防のためには生活習慣を見直すことが必要だと強調し、適度な運動や食生活の改善で血圧、血糖など安定させ、病気の原因を遠ざけることが重要だと話している。
台湾・故宮博物院、「肉形石」“訪日”で秘蔵の「白菜」特別展示
九州国立博物館(太宰府市)で10月7日から11月30日まで国立故宮博物院(台北市)の所蔵品の一部が展示される。これに伴い“国宝級”の「肉形石」が期間限定で訪日するのに合わせ、台北では普段は公開されていない秘蔵のヒスイの白菜など3点が特別展示されることになった。
9月30日から10月23日まで台北で特別公開されるのは「翠玉小白菜」、「翠玉白菜花挿」、「園蔬図玉筆筒」など3種類の玉器やヒスイでできた白菜。
ヒスイの白菜のデザインは清代中期以降に流行し、民間では縁起物として扱われた。「翠玉小白菜」は葉の上にカマキリが彫りこまれているもので、高さ13.4センチ、幅8.9センチ。「翠玉白菜花挿」は高さ9.9センチで中心部に穴が開いている。
故宮によると、これらのヒスイの白菜などは期間中、おなじみの「翠玉白菜」と同時に展示されるという。
台湾のカジュアル衣料品市場、塗り変わる勢力図 日韓などが攻勢
ファストファッション大手の「ユニクロ」が台湾で成功を収めて以来、韓国ブランドの進出や香港ブランドの撤退など、台湾のカジュアル衣料品市場の勢力図が大きな変化を見せている。
台湾では、9月初旬に韓国の衣料品大手、イーランドグループ傘下の「WHO.A.U(フーアーユー)」「Teenie Weenie(ティニーウィニー)」などの3ブランドが進出した。
ユニクロを展開するファーストリテイリングも19日に姉妹ブランド「GU(ジーユー)」の1号店をオープンさせた。10月17日には2号店の開店が予定されており、来年も店舗展開を行っていくとしている。
また、カナダの「Roots(ルーツ)」が積極的な出店を行ない、100店舗近くまで成長している一方、早い時期から台湾に進出し、一時は200店舗以上を展開していた香港の「Baleno(バレーノ)」が同月、撤退を決めている。
来年にはスウェーデンの「H&M(エイチ・アンド・エム)」が台湾進出を予定しており、さらなる競争の激化が予想される。
九博の故宮特別展 広報物の名称表記、「問題なし」
国立故宮博物院(台北市)の収蔵品の一部が10月7日から九州国立博物館(福岡県太宰府市)で公開される。6月に広報物などの名称表記をめぐり、東京国立博物館(東京都台東区)での開催が危ぶまれる騒ぎとなったが、故宮の関係者によると、今回は問題なく実施できそうだという。
東博では開催直前にポスターや入場券などの一部に「国立」の文字が冠されていなかったことが分かり、急遽変更や差し替え作業などが行われた。このことから故宮と九博では、正しい名称使用の徹底など契約内容を確実に履行することで一致し、再発防止に努めたとしている。
九博故宮展の広報物の一部は、日本のメディアなどが製作を担当。故宮は7月の時点で九博を通じてデザインなどを精査し、問題がないことを確認したという。
展示される収蔵品は大部分が東博から運ばれるが、目玉となる「肉形石」など一部は台北から輸送される。九州国立博物館で開催される特別展「国立故宮博物院 ―神品至宝―」は11月30日まで。
暑かった今年の台湾、各地で記録更新相次ぐ 気象局が異例の会見
中央気象局は30日、今夏が酷暑となったことを受けて異例の記者会見を開き、各地で最高気温が相次いで更新されたことなどを明らかにした。
同局によると、今夏は平年より太平洋高気圧の勢力が強く、台湾全土で気温が高めだったという。7月の平均気温は同月としては1947年以降で最も高くなったほか、8月は歴代2位の猛暑となり、9月も厳しい暑さが続いているとしている。
9月15日には高雄で37.6度を記録、分かっているだけで日本統治時代の1931(昭和6)年以来最も暑くなった。同月19日には新竹で38.8度となり、今年の台湾の最高気温を更新した。
また、台北で気温が35度以上の猛暑日となったのは今年はこれまでで61日で、過去最多だった1991年の53日を超えた。一方、新竹と嘉義では36度以上を観測した日数が11日と5日となり、それぞれ1986年の8日と1983年の4日を上回った。
9月は高雄、台北、新北市板橋、新竹、宜蘭県蘇澳、嘉義、嘉義県阿里山、澎湖県東吉島でそれぞれ同月としては過去最高の気温を観測した。
米国の海洋大気庁は、7月を除く今年4月以降、毎月の世界の平均気温が1880年以降で最高になったと発表。中央気象局は、今後も高温状態が続けばさらに記録が更新される可能性があるとしている。
台北市長選出馬の無所属候補、日本で“研修の旅”
今年11月の台北市長選に無所属で立候補した医師の柯文哲氏が27日から3日間の日程で訪日した。29日は東京都議会や神田川・環状七号線地下調節池などを視察し、台北市の参考になるなどと述べた。
柯氏は、都議会の高木啓政調会長(自民党)から、党三役との密接な意見交換は市政の円滑な運営に寄与することを伝授された。また、地下調節池について、台北のヒートアイランド現象の緩和に役立つとして、台北でも公園などの緑地に整備したい考えを示した。
訪日中は、大阪市の公団住宅や消防局、防災センターなども見学。小型消防車両に関心を示したほか、防災システム統合、機動性に富む防災教育の必要性を痛感するなど、日本での体験学習の成果に満足したようだ。
柯氏は、与党・国民党の連勝文公認候補の有力対抗馬と目されている。今回の訪日は日本の住宅や消防・防災、産業発展の現状などを理解するためとされ、29日に帰国の途についた。
運用停止の廃灯台、観光用展望台として再開放
台中市の海岸にある廃灯台が27日、観光用の展望台としてリニューアルし、一般に向け再開放された。市では新たな観光スポットとしてアピールしたい考えだ。
1967年に建設された高美灯台は、豊かな生態系や美しい風景で知られる高美湿地近くにある。台湾で唯一紅白の横じまに塗装された外観が特徴的だったが、1982年に運用を停止していた。
台湾には灯台が全部で35カ所あり、一般に開放されているのは10カ所。高美灯台では台中港の風力発電施設や湿地の風景を楽しめるほか、灯台に関する展示も行われる。
台中市政府観光旅遊局の関係者は、台中の沿海部をめぐる日帰り旅行を楽しんでほしいと観光客の来訪を呼びかけている。
台湾で香港の民主化要求支持の声高まる・・・馬英九総統は大陸当局とデモ隊双方に「注文」
香港では、2017年の行政長官選挙を巡り、西側諸国並みの普通選挙を求める民主派約6万人が、中心部の中環(セントラル)を占拠する事態が続いている。台湾では香港の民主化の動きを支持する声が高まっている。馬英九総統は29日、「中国大陸当局は香港市民の声に耳を傾けるべきだ」と述べる一方で、市民に対しては「平和的かつ理性的な方法で要求を伝えるべきだ」との考えを示し、双方に「注文」をつけた。
台湾では戦後、長期にわたり国民党による独裁体制が続いたが、1970年代から民主化を求める動きが強まった。最終的には李登輝総統(当時)の決断で、台湾には民主的制度を取り入れることになった。
さらに、台湾では今年(2014年)3月から4月にかけて大陸とのサービス貿易協定を強引に発効させようとした馬英九総統に反発し、学生らが立法院(国会)を占拠。同協定の審議をやり直させることに成功した。
台湾では多くの人が、民主的制度を自らの手で勝ち取り、守っているとの意識を持つことから、香港で進行中の事態にも大きな関心が寄せられている。
台湾のインターネットの書き込みでは、香港の民主化運動を支持する声が圧倒的に多い。また、民主化要求の運動に参加する」などの目的で、香港に向かう人も出ている。台湾の掲示板PTTの人気投稿者の劉宇さん(アカウントは四叉猫)さんは香港到着後、「今日の香港は明日の台湾。私は台湾人だ。私は香港人を支援する」とのプラカードを掲げた自らの写真を投稿した。
香港では28日までに、運動を展開する学生ら70人余りが逮捕されたことで民主派は態度を硬化させた。現職の梁振英行政長官の辞任を求める声も強まった。
香港当局は29日、占拠側の激しい抗議活動が小康状態になったとして、機動隊を後退させた。当局側は抗議側に対して、できる限り平和的に引き上げるよう求めているが、抗議側は民主化要求のシンボルとなった「傘」を日よけにして占拠を続けている。傘の下で寝そべる人もいるという。
台湾の馬英九総統は29日、香港で行政長官の民主的選挙を求める大規模な抗議運動が発生したことについて「中国大陸当局は香港市民の声に耳を傾けるべきだ」と述べた。馬総統は、香港市民の普通選挙を望む声を理解し支持すると表明しり一方で経済への影響を考慮し、市民に対して「平和的かつ理性的な方法で要求を伝えるべきだ」と呼びかけた。
香港婦女参政ネットの劉家儀主席は29日、台湾の民衆の多くが香港における「セントラル占拠」を支持していることに非常に感動したと述べると同時に、馬英九総統には「がっかりした」と表明。「理解する」などと言いながら、中国共産党をはっきりとは非難はしていないと指摘した。
劉主席は馬総統を「香港人は暴力を受けても(当局と)対峙している。馬英九は香港生まれということで、香港人は(総統就任時に)歓迎したのに」と述べ、馬総統を、「裏では、どんなインチキをやっているか分からない」と非難した。
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◆解説◆
馬英九総統は、自らが推進した大陸側とのサービス貿易協定締結に対する、抗議運動の一環として発生した立法院占拠や大規模デモに対して「力による排除」はしなかったが、学生らをはじめとする反対派市民の声に「積極的に耳を傾けた」わけではない。
学生らが反対したのは、サービス貿易協定の内容そのものだけでなく、民主的手続き上の欠陥だった。台湾では、大陸側の協定について、「国と国との関係ではない」という建て前により、「条約」ではないとの扱いだった。
条約ではないため、発効させるために議会(立法院)の批准は必要でなかった。国民党側が、議会のはっきりとした承認を得ずして「成立」と宣言したことで、抗議活動が本格化した。
学生が立法院の占拠をやめたのは、同じ国民党でも、馬英九総統(党主席)と厳しく対立している王金平立法院院長が、学生らの求めに応じ「まず、大陸との協定の発効には立法院の採決を必要とするルールを作る。その上で、サービス貿易協定の審議をやりなおす」と約束したことが、直接のきっかけになった。王院長は馬総統の同意を得ず、学生に独断で約束したとされる。