台湾・馬英九総統「防空識別圏を設ける際には、通告すべきだ」、「中国はしなかった」
台湾の馬英九総統はこのほど、カタールの衛星テレビ、アルジャジーラの取材を受け、「防空識別圏を設定する際には相互に通告しあうべきだ」と述べた。中国が2013年11月に東シナ海での防空識別圏を設定した際には「通告がなかった」と指摘し、通告がない場合には「戦火を招くことになりかねない」と述べた。中国新聞社などが報じた。
馬総統は、中国が2013年11月23日に東シナ海における防空識別圏の設定を宣言したことについて「事前の通告はななった。台湾を含め多くの国と地域にとって想定外だった。その後、米国、日本、韓国、台湾も措置を取ることになった」と説明。
防空識別圏の設定については「国際法上の制限はない」とした上で、「私は通告して、皆に知らせるべきだと思う」と述べた。馬総統によると、防空識別圏内では、国防についての何らかの予防性措置を取ることになる。そのため相手側も事前に準備をしておく必要がある。準備をしていない場合、戦火を招くことになりかねない」と述べた。
馬総統は、「中国大陸はもともと、東シナ海の防空識別圏設定の後、南シナ海にも(防空識別圏を)設定することになっっていたが、とりやめている」と説明。東シナ海における防空識別圏の設定のやり方が、各方面からの極めて強い関心を集めたからとの分析を示し「中国大陸側にとっては、よいことではなかった」、「彼らも、国際社会にはやはり一連のやり方の規範というものがあり、それらをないがしろにはできないと、少しずつ分かってきているのだろう」と述べた。
台湾(中華民国)は中国が東シナ海の防空識別圏設定を宣言した翌日の2013年11月24日、同宣言が釣魚台(尖閣諸島の台湾側呼称)が中華民国領土である事実に何の変更ももたらさないと主張する声明を発表した。
同声明では、中国大陸が発表した防空識別圏が台湾側の防空識別圏と重なり合う部分があるとして、「わが国軍は、東シナ海平和イニシアチブを順守し、争いを平和的に解決する。同時に適切な処置により、わが空域の安全を確保する」と主張した。
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◆解説◆
「東シナ海平和イニシアチブ」は馬総統が2012年8月5日に発表した、尖閣諸島を巡る領有権争いに対する提案。「各国が自制し、対立をエスカレートさせない」、「主権についての争議は棚上げする」、「対話のパイプを放棄しない」、「国際法を巡視し、平和的方法で問題を処理する」などを主張している。
中国大陸は一時、尖閣諸島の問題がエスカレートしたことで台湾との「共闘」を求める声があったが、馬総統は否定的見解を示し、「中国大陸のように力だけで押していく方法で、問題の解決は得られない」と批判した。
また、中国の尖閣諸島に対する領有権主張の論法は「釣魚島(尖閣諸島の中国側通称)は台湾の一部である。台湾は中国の一部である。ゆえに、釣魚島は中国の一部である」なので、台湾では同問題に対する中国の取り組みは「台湾に自らの主権を及ぼそうとする意図がある」との警戒の声も出た。
台湾は香港情勢を注視、民主化への解決策期待=馬総統
台湾の馬英九総統は、台湾が香港情勢を注視しているとし、香港と中国双方が受け入れられる民主化への解決策を期待すると述べた。
中東の衛星テレビ局アルジャジーラのインタビューで、香港の状況は中国に対する世界の見方に影響を及ぼすと指摘。このインタビューは週末に総統府のウェブサイト上に掲載された。
馬総統はまた、中国が香港で高度な自治を認めている一国二制度について、台湾は受け入れないとの考えを改めて表明した。
六角国際、日系ラーメン店を東南アに展開計画[食品]
茶飲料スタンドやカフェなどをチェーン展開する六角国際事業の王耀輝董事長は、25日に開いた創業10周年の式典で、日本のラーメン店と提携して東南アジア市場に進出する考えを明らかにした。提携先ラーメン店の詳細は交渉中との理由で明らかにしていない。25日付蘋果日報が伝えた。
六角国際事業は現在、飲料スタンド「日出茶太(チャタイム)」、甘味処「ZenQ甜品(仙Q)」、カフェ「La Kaffa(六角珈琲)」などの傘下ブランドを、20以上の国・地域の約80都市にチェーン展開している。同社は昨年、外食チェーンのアトム(福岡市)が展開するとんかつ店「和心とんかつあんず」の代理権を取得し、今年1月から台北市や新竹市で「銀座杏子日式猪排」として営業を開始。年末までに7店を開業する予定だ。新たな事業として、日本のラーメン店と提携し、既存のネットワークを利用して東南アジア各国でラーメンチェーンを展開するとしている。
海外事業では下半期に、チャタイムをカナダ、米国、ニュージーランドで出店していく。同社の今年上半期の連結売上高は、前年同期比15.1%増の6億1,400万台湾元(約22億900万円)だった。
ASUSとACER、ウィンドウズ8搭載PC破格で在庫一掃へ
米マイクロソフトは30日に次期基本ソフト(OS)「ウィンドウズ9」を発表する予定だが、パソコン(PC)大手の華碩(ASUS)、宏碁(ACER)の両社は北米年末商戦にウィンドウズ8搭載ノートPCを199米ドルの破格で投入する方針だ。ウィンドウズ9搭載PCは2015年4―6月期中に発売される見通しで、PC各社はそれまでウィンドウズ8搭載PCの在庫を値下げで一掃したい考え。
教え子と70年ぶり再会=日本統治時代の小学校
台北市内に住む元小学校教師の柯雪月さん(89)が日本統治時代の台湾人の教え子たちと約70年ぶりの再会を果たした。80歳近くとなった教え子から「雪子先生、こんにちは」と当時と同じ日本語のあいさつを受けた柯さんは目に涙を浮かべた。
戦時下の1943年、当時19歳の柯さんは台湾人を対象とした草山国民学校分校(現台北市立平等小学校)に着任。1年生のクラスを受け持った。授業はすべて日本語で行われ、柯さんは日本名の「秋元雪子」から「雪子先生」と慕われていたという。
柯さんは長い教員生活の中でも、特に草山時代の思い出が深く、今年7月に思い切ってクラスの集合写真を手に平等小学校を訪れ、教え子37人の消息を尋ねた。同校は近所の聞き込みから始め、最終的に13人を探し当て、24日に柯さんと教え子8人による初のクラス会を開催した。
柯さんは「子どもたちがおじいさん、おばあさんになっていて驚いた。みんなが熱心に『先生、先生』と呼んでくれ、私の教育は間違っていなかったと確信した」と奇跡の再会に感動していた。
台湾、ゴルフで金2、銅1など好成績
韓国・仁川アジア大会で28日、ゴルフの最終ラウンドが行われ、台湾は男子個人で金メダルと銅メダル、男子団体で金メダルをそれぞれ獲得した。また、アーチェリーの男子リカーブでも台湾が銅メダルに輝いている。
ゴルフ男子個人では潘政ソウがトータル271の通算17アンダーで、男子団体はトータル819の成績で金メダルを獲得。男子個人のユ俊安がトータル276の通算12アンダーで銅メダルに輝いた。(ソウ=王へんに宗、ユ=愈の心をとる)
一方、男子リカーブ個人の3位決定戦では台湾の郭振維が6対2で日本の菊地栄樹を抑えて銅メダル。
これまでに台湾が獲得したメダル数は金7個、銀4個、銅10個。
海外の中国語教師を称える「海外師鐸賞」表彰式開催
中華民国台湾の教師節(教師の日)である28日、台北市内で、第一回「海外師鐸賞」の表彰式が開催された。
この「海外師鐸賞」は、財団法人海華文教基金会が、海外の標準中国語教師を称えることを目的にもうけた賞で、初開催となった今回は、カナダ、アメリカ、南アフリカ、韓国、日本、フィリピン、マレーシアなど世界各地で活躍する15名の教師が受賞した。
表彰式に出席した呉敦義・副総統は挨拶のなかで、「海外師鐸賞」を推し進めることは、海外で中華文化を伝えている教師にとって、大きな励みになると評価した。
呉敦義・副総統はさらに、「海外師鐸賞によって、『尊師重道(師を尊敬し、道徳を重んじる)』という理念を海外に伝えることができる。我々は国内の教師だけを尊重するのではなく、世界で苦労しながら中華文化の伝え手となっている教師たち、校長たち、創設者たちに、このような栄誉を感じてもらうべきだ。」と述べた。
行政院僑務委員会の陳士魁・委員長も、「政府は現在、海外で正体字による標準中国語教育を重点的に推し進めている。文化は民族の魂であり、教師は民族の魂を伝える技術者である」と述べ、全ての教師の奮闘を称えた。
台湾・経済部、日本側と経済貿易関連の協力覚書調印に期待
今月中旬に訪日していた経済部国際貿易局の徐大衛副局長は、将来的に日本との間で経済貿易に関する協力覚書に調印したい考えを明らかにした。日本側も前向きな姿勢を見せており、今後具体的な内容について話し合いたいとしている。
徐副局長は、今回の訪日で台日協力関係の強化のため、日本商工会議所と業務協力に関する協定書を交わしたと成果を強調。また、台日間の協力覚書調印の可能性も話し合われ、実現に向け取り組む考えを示した。
国家発展委員会や国貿局、新北市、桃園県などの代表は今月15日〜20日の日程で大阪、京都、東京、神奈川などの自治体を訪問し、4回の企業誘致説明会などを実施。整備が進められている自由経済モデル区への投資や台日産業の協力などを呼びかけた。
経済部の資料によると、日本は台湾第2位、台湾は日本第5位の貿易パートナーで、2013年の貿易総額は624億米ドル(約6兆8200億円)。対日輸出額は192億2000万ドル(約2兆1000万円)で、前年比1.2%増加したという。
盗まれた「クマのぬいぐるみ」 警察が出動し無事“保護”
新北市で24日、インドネシア人女性がコインランドリーで乾燥させていた体長約120センチのクマのぬいぐるみが、何者かに盗まれる事件が発生した。ぬいぐるみは警察らの捜索によりその後無事保護され、容疑者の女は送検された。
警察によると、女性はクマのぬいぐるみをコインランドリーで乾燥機にかけ、一度仕事場に戻った際に、何者かに盗まれたという。
事件の通報を受け、警察は周辺の監視カメラの映像を確認したところ、女がスクーターにぬいぐるみを積んで走り去る様子が写っていたため追跡。犯人を確保し、ぬいぐるみを保護した。
ぬいぐるみは2500台湾元(約9000円)で購入したもの。女性は家族同然に扱い、夜も一緒に寝ていたという。保護の知らせに安堵の笑顔を浮かべた女性は「台湾の警察はすごいね」と話している。
香港大規模デモ 台湾・馬総統「北京当局は市民の声に耳傾けるべき」
馬英九総統は29日、香港の次期行政長官選挙で民主派候補を排除する制度改正案に反対する市民らが大規模な抗議活動を行っていることについて、「中国大陸当局は香港市民の声に耳を傾けるべきだ」と語った。
馬総統は、中華民国政府と台湾の人々は香港の情勢を注視しているとした上で、香港市民の普通選挙を望む声に関して理解と支持を表明。その一方で、経済への影響を考慮し、市民に対して平和的かつ理性的な方法で要求を伝えるべきだと呼びかけた。
さらに、「香港と中国大陸双方の利益につながる」と香港での普通選挙実現に期待を示した。
28日に行われた金融街「セントラル(中環)」周辺の占拠活動では、警官隊が催涙弾などを使って市民の強制排除に乗り出したが、29日早朝も香港島や九竜地区の一部で占拠が続いている。
台湾9番目の国立公園、来月にも正式オープン
「澎湖南方四島国家公園」が、来月18日にも正式にオープンする見通しとなった。台湾で9番目の国立公園で、「東沙環礁国家公園」に続く2番目の「海洋型」になる。
国立公園に指定されるのは、台湾本島の西方約50キロメートルの台湾海峡上にある澎湖諸島の南側に位置する東吉嶼、西吉嶼、東嶼坪嶼、西嶼坪嶼の4島とその周辺海域。総面積は約3万5900ヘクタールで、そのうち陸地面積は370ヘクタール。
公園内には玄武岩質の地質と多様な海洋生物資源、独特な生活文化があり、清の時代から残る伝統的家屋や日本統治時代の洋館などが保存されている。内政部では台湾の海の特色を知ってもらえればと期待を寄せている。