22の地方自治体、『頂新』の製品を不買
衛生福利部食品薬物管理署(衛福部)が12日午前、飼料用の油が混入されたラードの業者による自発的な通報、それを回収する進度、今回の問題のあるラードを生産する台湾の大手食品グループ、『頂新グループ』がベトナムから油を輸入する状況などを説明した。
それによると、『頂新グループ』傘下のラード生産業者、『正義株式会社』は、飼料用の油を販売する、『鑫好会社』から飼料用のラードを購入、それを食用油に混入し、68項目のラードを生産した。これらの問題のあるラードを使って生産した製品は37項目に達した。川下の業者230社は、これらの製品(油)を使用して生産した商品は167項目に達した。
食品薬物管理署の姜郁美・署長代理は、『頂新グループ』のラードを原料として食品を生産した業者は、13日零時以前に自発的にそれを通報し、15日零時以前に問題のある商品をすべて棚から下ろすよう指示した。
姜郁美・署長代理は、二日間前に台湾のすべての油生産業者27社に対して、国内外からの油の原材料が食品の製造の基準に符合するかどうかを確認するよう要求すると共に、今後もさらに厳しい規定で海外からの油を管理する方針を明らかにした。
なお、『頂新グループ』が生産した、食用油としてのラードに飼料用のラードが混入された事件が明らかになったにつれ、香港とベトナムの公証役場が油に関する偽造の証明書を発給したことも明るみに出た。食品薬物管理署は12日、現地駐在の中華民国の出先機関を通じて偽造の証明書の発給プロセスに対する理解を深めると共に、今後、油製品の輸入に際して、輸出先の政府側の証明書の添付を規定するよう法改正を進めていると
行政院:労働者の権益保護を強化
行政院の江宜樺・院長が11日、記者会見を開き、食品安全を守る決意を示すと共に、食品メーカーの市場シェアにかかわらず、不法な事件があったら、必ず徹底的に調査し、その責任を追究するなど、罰則の厳格化を強調した。そして問題のあるラード製品の回収による、ラードの品不足の問題に対応するため、来週、外国のラードの輸入を開放する対応策も明らかにした。
行政院が12日、政府は常に労働者の声に耳を傾けているとし、今年、最低賃金の引き上げ案を承認したほか、今後も制度化した政策で労働者の権益をさらに保障するよう努力すると強調した。
この二日間、台湾の大手日刊紙のトップページには、「憤慨する市民」と名乗った人のメッセージが掲載された。この市民は、メッセージの中で、食品の安全、経済発展、社会の治安、労働者の権益、情報通信の安全などの面における政府の努力の足りなさを批判した。
行政院は12日、このメッセージに答えた。行政院の孫立群・スポークスマン(報道官)によると、経済成長を図ると同時に、労働者の生活面での需要をも満たすようにするため、行政院は、今年9月3日に来年の最低賃金引き上げ案を承認した。最低賃金の引き上げは、2011年1月以来、5度目だ。232万人の労働者はその恩恵を受けると予測されている。
孫立群・報道官は、また、政府は常に労働者の声に耳を傾け、労働者の基本権益を保障するほか、最低賃金の引き上げの制度化を通じて労働者の需要を満たそうとしていると述べた。
輸入ラードの関税、きょう10%に引き下げ
飼料用油混入の問題ラード問題で、国内のラード不足と値上がりに対応するため、経済部はきょう(13日)から輸入ラードの関税を20%から10%に引き下げる。この緊急措置は6カ月間続く予定。強冠企業、頂新グループなど大企業のラードに次々と問題が発覚し、市場への影響は大きい。
江宜樺・行政院長は11日の記者会見で、日本やスペインなどからのラードの緊急輸入を指示した。国内業者は政府に関税ゼロを求めているが、現在の「関税法」では行政機関に対し50%にまで関税を引き上げる権限しか与えられていない。今後、長期的な関税引き下げや税率の再設定が必要な場合には関税法を改定する必要があり、まずは現行法で可能な範囲ぎりぎりまで関税を引き下げた形だ。
UMC、厦門で12インチ工場に資本参加[IT]
ファウンドリー(半導体の受託製造)世界大手の聯華電子(UMC)は9日、中国の福建省厦門(アモイ)市政府と福建省電子信息集団が合弁で設立する12インチシリコンウエハー対応工場に資本参加すると発表した。まずは来年から5年間で約13億5,000万米ドル(約1,450億円)を投じる。台湾の半導体企業が中国の12インチ工場に出資するのは初めてとなる。
UMCは同日に開いた董事会(取締役会)で、厦門市政府、福建省電子信息との協議書の締結を決定した。同12インチ工場の総投資額は62億米ドル。55、40ナノメートル製造プロセスのファウンドリー事業を主に手掛け、月産能力はウエハーベースで5万枚が見込まれている。UMCの顔博文執行長は「中国の半導体市場の規模は世界一だが、製品の内製率はまだ低く、輸入額は石油を上回っている」と指摘。「中国国内での生産拠点の開設は、急速に拡大する需要を取り込む最善の方法になる」と述べ、今後の展開に期待感を示した。
台湾政府は、技術の流出を防ぐために域内ファウンドリーの中国における最先端技術の製造拠点建設を制限している。経済部は9日に声明を発表し、UMCの今回の投資計画は関連規定をクリアしているとし、「台湾企業の新興市場での商機獲得に有利に働く」と評価した。経済日報によると、同社は1カ月以内に計画を経済部投資審議委員会(投審会)に申請する。
一方、中央社などによると、ファウンドリー世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)はUMCの中国投資の決定を受け、「当社は既に台湾で産業チェーンを構築している。12インチ工場を中国に設ける計画はない」とコメントした。
台湾の違法油問題 市民に商品不買の動き広まる
食品会社の正義(高雄市)が販売する複数の食用油に飼料用油が混入していた問題で、同社を傘下に収める頂新国際グループの商品の不買運動が広まっている。
スーパーでは「味全」など関連企業が販売する牛乳が大量に売れ残った。彰化県の鹿港では、地元の業者が醤油や牛乳などを破棄する抗議運動を実施。ある音楽バンドは12日のコンサートで木魚を打ち鳴らしながら読経し、頂新は台湾から出て行けと呼びかけた。
過去に味全、正義、頂新製油3社の董事長(会長)を兼任した魏応充氏は11日に記者会見を開き、涙ながらに謝罪したが、十数年にわたって商品を購入していたコーヒー店やかき氷店も不買運動の支持を表明するなど、事態の収拾には至っていない。
22の県・市は13日から所属機関や学校などに問題企業の商品の購入を停止するよう通告し、不買運動は全国規模に広がる様相を呈している。また、中国大陸当局も、正義が販売する食用油の輸入を取り止めた。
馬英九総統は12日、行政院(内閣)に対して問題の迅速な解決を指示したことを明らかにした。衛生福利部食品薬物管理署は同日午後、すでに自主回収された違法油は222品目、27万2677キログラムにおよぶと発表。高雄市政府衛生局は各県市で約948トンが返品されたと発表している。
澎湖南方四島、10/18国立公園に昇格
『東嶼坪嶼』には現在10世帯あまりしか住んでいない。玄武岩の素晴らしい景観のほかに、壮観の棚田、棚田に沿って建設された現地の住宅、「菜宅」も見逃せない。
真珠のように離島の澎湖海域に分布している、南方四島が18日に正式に中華民国台湾の九ヵ所目の国立公園になる。澎湖南方四島は、澎湖南方の海域にある『望安嶼』と『七美嶼』の東にあり、『東吉嶼』、『西吉嶼』、『東嶼坪嶼』、『西嶼坪嶼』およびその周辺のサンゴ礁を含んでいる。陸地の面積は約370ヘクタール、台北市内の大安森林公園14.6個分の広さ。海域の面積は、約3万5473ヘクタールで、台北市の1.3個分の広さに相当。
『西嶼坪嶼』の50%以上はサンゴ礁、南方四島のうち、サンゴ礁が最も多い島となる。海底では広範囲のサンゴ礁が見られる。『東嶼坪嶼』周辺の海域でも多くのサンゴ礁があり、各種の魚やエビなどが生息している。しかし、ここ数十年、交通が不便なため、人口が減っており、政府は1978年、『西吉嶼』の住民をほかの場所に移転したため、現在は無人島になっている。内政部海洋国家公園管理処の資料によると、これらの島嶼での常住人口は約50人。
今年、この四島を訪れた旅行者が急増、9月末時点では、『東吉嶼』にはのべ9600人、『東嶼坪嶼』にはのべ8000人余りが訪れたという。
香港デモ支持の台湾人気作家ら、中国大陸で著書撤去処分か
台湾の人気作家、ギデンズ・コー(九把刀)氏や中国大陸出身の歴史学者、余英時氏らの著書が、中国大陸で発禁処分になった可能性があることが分かった。香港で行われている民主派デモに支持を表明したことが影響したとみられている。
中国大陸の弁護士や著名な作家、漫画家らが短文投稿サイトで広めた情報によると、中国大陸の国家新聞出版広電総局が、多くの出版社などに対し、コー氏らの著作本を撤去するよう通告したという。
コー氏は日本でも公開された映画「あの頃、君を追いかけた」の原作者として知られる。関係者は12日、中国大陸で同氏の複数作品の出版権を持つ現代出版社の回答が得られていないとコメントしたが、コー氏は会員制交流サイト上で「心配しないで」とメッセージを書き込んでいる。
中国大陸では17日からコー氏の小説を映画化した「Cafe・Waiting・Love」(等一個人[口加][口非]/江金霖監督)が公開される。
台湾で寺廟巡りの鳥取大生ら「来てよかった」
鳥取大学地域文化学科の学生ら15人が11日、北港朝天宮(雲林県)を訪れ、日本統治時代の台湾における宗教の歴史的流れなどを学んだ。台湾の複数メディアが伝えている。
朝天宮は台湾の民間信仰である航海の女神「媽祖」を祭る廟として有名。1913年に当時の台湾総督、佐久間左馬太が奉納した「享于克誠」と書かれた扁額や寄付をした際の領収書など、日本統治時代ゆかりの文物が複数収蔵されている。
学生らは通訳を通して廟内の建築物に施されている木彫や奉納品の太鼓、廟ゆかりの史跡など貴重な文物について解説を聞いたほか、日本に帰化し、現在台湾に帰郷中の廟の歴史に詳しい呉老択さん(84)からも台湾に対する媽祖の影響などを詳しく教わった。
一行は今月2日には同じく媽祖を祭る新港奉天宮(嘉義県)を訪れており、記念品の相互贈呈などを行った。
東北季節風の影響、14日は18℃に低下
中央気象局によると、東北季節風の影響で、13日、台湾北部と東北部では気温が下がり、中南部では朝晩やや涼しくなる。台湾各地、および離島の澎湖、金門、馬祖は曇り時々晴れの天気だが、南東部、東部の山間地帯、東北部の山間地帯、北部の山間地帯では雨が観測される。
13日から18日まで、東北季節風の影響で、北部と東北部ではやや涼しくなり、14日と15日の朝晩は18℃に下がる可能性があるという。
日本統治時代の高雄・岡山空襲から70年 生存者が体験語る
日本統治時代の高雄・岡山大空襲から70周年を迎えた12日、民間団体などが現地で記念イベントを開き、惨状を目の当たりにした男性2人が当時の体験を語った。台湾の複数メディアが伝えている。
太平洋戦争期、日本の南進基地とされた台湾。日本軍の飛行場があり、隣には海軍航空隊の修理工場があった岡山は、1944(昭和19)年10月12日から数日間、米軍のB29爆撃機による空襲が続いた。
当時修理作業をしていた王文清さんは爆音を聞き、一目散に逃げ出した。その後一時的に意識を失い、再び気がついた時には右耳が聞こえなくなっていたという。
専門家によると、米軍は少なくとも650トン以上の爆弾を投下。飛行場は近隣施設などともに壊滅し多数の死傷者が出たが、被害の詳細について公表されることはなく、全容はいまだに判明していない。
主催者側は、被害が大きかった台湾の空襲の歴史を知ってもらいたいと話している。
台北メトロにラインナンバリング導入 誰にでも分かりやすく
建設中の台北メトロ(MRT)松山線が11月中にも開通する見込みとなったのを受け、同社は11日、主要各線の新名称とラインナンバーを発表した。
松山線の開通後は、長らく相互直通運転を行っていた淡水線と新店線の運行形態が改められ、それに伴い淡水信義線、松山新店線にそれぞれ改称される。一方、文湖、中和新蘆、板南各線の名称は変わらない。
また、文湖線は1、淡水信義線は2、松山新店線は3、中和新蘆線は4(新荘線方面は4A、蘆洲線方面は4B)、板南線は5のラインナンバーが新たに付けられる。
今後は路線に割り振られているラインカラー通りに列車が運行されることから、同社ではホームで列車を乗り間違える心配がなくなると利便性の向上をアピールしている。
映画「深夜食堂」 台湾の映画祭で世界初上映へ
今年11月に開催される「台北金馬影展(ゴールデン・ホース・フィルムフェスティバル)」で、台湾でも人気の漫画を原作にした映画「深夜食堂」(松岡錠司監督)が、世界に先駆けて上映されることが決まった。
映画「深夜食堂」は日本で来年1月31日に公開される最新作。今回の映画祭では11月10日に上映される。原作者の安倍夜郎氏は今月10日に台北でサイン会を実施し、台湾のファンらと交流を楽しんだ。
質疑応答ではどうすればストーリーを思いつけるのかなどの質問が寄せられた。また、安倍氏が台湾で印象に残った食べ物は「ラードご飯(猪油拌飯)」だという。
漫画「深夜食堂」は2011年から中国語版が台湾で発売され、大手書店で娯楽・趣味部門の売り上げ1位になるなど、大きな人気を集めている。
UMC、厦門で12インチ工場に資本参加
ファウンドリー(半導体の受託製造)世界大手の聯華電子(UMC)は9日、中国の福建省厦門(アモイ)市政府と福建省電子信息集団が合弁で設立する12インチシリコンウエハー対応工場に資本参加すると発表した。まずは来年から5年間で約13億5,000万米ドル(約1,450億円)を投じる。台湾の半導体企業が中国の12インチ工場に出資するのは初めてとなる。
UMCは同日に開いた董事会(取締役会)で、厦門市政府、福建省電子信息との協議書の締結を決定した。同12インチ工場の総投資額は62億米ドル。55、40ナノメートル製造プロセスのファウンドリー事業を主に手掛け、月産能力はウエハーベースで5万枚が見込まれている。UMCの顔博文執行長は「中国の半導体市場の規模は世界一だが、製品の内製率はまだ低く、輸入額は石油を上回っている」と指摘。「中国国内での生産拠点の開設は、急速に拡大する需要を取り込む最善の方法になる」と述べ、今後の展開に期待感を示した。
台湾政府は、技術の流出を防ぐために域内ファウンドリーの中国における最先端技術の製造拠点建設を制限している。経済部は9日に声明を発表し、UMCの今回の投資計画は関連規定をクリアしているとし、「台湾企業の新興市場での商機獲得に有利に働く」と評価した。経済日報によると、同社は1カ月以内に計画を経済部投資審議委員会(投審会)に申請する。
一方、中央社などによると、ファウンドリー世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)はUMCの中国投資の決定を受け、「当社は既に台湾で産業チェーンを構築している。12インチ工場を中国に設ける計画はない」とコメントした。