北朝鮮・張成沢氏処刑は失脚した中国の周永康前政治局常務委員の“密告”?
「北朝鮮の実力者、張成沢氏が2013年末に処刑された原因は、中国共産党の周永康・前政治局常務委員による北朝鮮への“密告”だった」-。
米国を拠点とする中国語情報サイト、博訊が最近、中朝両国で相次いで失脚した2人の大物政治家の関係を示唆する記事を載せ、中国国内で大きな波紋を広げている。北京の朝鮮半島専門家は「本当であれば中朝関係の修復はほぼ不可能だ」と指摘している。
同サイトが22日に掲載した記事によれば、2012年8月17日、訪中した張氏は、中国の胡錦濤国家主席(当時)と密談した際、北朝鮮の最高指導者、金正恩氏を下ろし正恩氏の兄でマカオなどに住む金正男氏を擁立する可能性などについて約1時間話したが、胡氏は態度を明らかにしなかったという。
2人のやりとりの内容を知った当時の中国最高指導部メンバーの周永康氏が一部始終を北朝鮮側に密告したため正恩氏が激怒し、張氏は処刑され北朝鮮の親中派も一掃された。「血で固められた友誼(ゆうぎ)」といわれた中朝両国の関係はその後、“没交渉”の状態となったとしている。
周氏は14年夏、中国国内の反腐敗一掃キャンペーンの中で失脚した。同記事によれば「周氏は北朝鮮への亡命を一時企てたが失敗した」という。
中国共産党の規律部門が発表した周氏の6つの容疑の中に「党と国家の機密を漏らした」との項目があった。張氏と胡氏の会談内容を北朝鮮に漏らしたことを指している可能性がある。
博訊は、中国の民主化を求める米国在住の中国人団体が運営するサイト。中国政府を批判する記事が多く、中国当局高官のリークで、汚職情報や新しい政策など党内の秘密を暴露することもある。
朴大統領“いばらの道” 目立った実績なく…支持率低迷 「門番権力の肥大化」批判も…
韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は25日、就任から2年を迎える。「反日」姿勢は一貫しているが、内政・外交ともに目立った実績はなく、堅実だった支持率も一時20%台まで下落した。残り3年の任期は、朴大統領にも、韓国にもいばらの道となりそうだ。
保守系紙「朝鮮日報」(23日、日本語版)は、朴大統領就任2年に関する社説で「この2年間に対する国民の評価は決して甘くない。与党議員たちも全国で国民の冷たい視線を感じたという」と苦言を呈した。
左派系紙「ハンギョレ」(同日、同)も「朴槿恵政権の2年」と題した記事で、朴大統領が対面報告を嫌って書面報告させる問題点を指摘し、「ただでさえ閉鎖的な大統領府の構造に、報告書好きの朴大統領のスタイルまで加わった結果が正に“門番権力”の肥大化だ」と批判した。
韓国民が期待する経済政策で、朴政権は「53万人の雇用を昨年創出した」と胸を張るが、国民には実感がなく、景気回復はなかなか進まない。
外交でも、習近平国家主席率いる中国への傾斜は加速しているが、米国とは在韓米軍による韓国国内での「高高度防衛ミサイル(THAAD)」をめぐってギクシャクし、日韓首脳会談は「安倍晋三首相が8月に発表する戦後70年談話を見定めてから」(外交筋)との見方が多い。
停滞したイメージを払拭しようとしたのか、朴大統領は旧正月(19日)前の10日、ソウルの市場に現れ、自ら財布を取り出し、餅などを買って店員と談笑するパフォーマンスを披露した。
まるで巨大な監獄――ISIS「首都」での暮らしとは
イスラム過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」が「首都」と称するシリア北部の都市ラッカ。同地に入るのはそれほど難しくない。問題は出ることの方にある――。現地で活動する男性がCNNのインタビューに答え、処刑や輸血の強要、ISIS戦闘員との結婚の強制などが横行するラッカでの生活の様子を語った。
活動家のアブ・イブラヒム・ラカウィさん(仮名)は元医学生。ラッカの実態を告発する組織を創設した。メンバーの1人はISISに拷問されて殺害され、残るメンバーも殺害予告を受けているという。
それでも告発をやめるつもりはない。「私は人生を失った。学校はなく、未来もない。でもそれは、自分や自分の街に望んだことではなかった」「私の街と私の家族、罪のない市民のために、私たちは最善を尽くす。自分たちの街を救いたい」
ラカウィさんによると、ラッカでは2カ月の間に少なくとも40人が、反体制派「自由シリア軍」に加わったことや同性愛者であることを理由に処刑された。住民は、空爆で負傷したISIS戦闘員のために輸血を強要されているという。
女性にとってラッカは「巨大な監獄」と化している。45歳未満の女性は街を出ることを許されず、把握できている限りでは270人以上がISISI戦闘員との結婚を強要された。複数の妻を持つ戦闘員もいるという。
処刑場と化していた広場では、建物がピンクや白や金色などの派手な色に塗り替えられた。空爆の標的になりにくくする狙いがあるとラカウィさんは見る。
同地に流入している外国人戦闘員と地元住民の間には「大きな壁」があるとラカウィさんは言う。「一部の外国人戦闘員にとっては天国かもしれない。多額の現金や高級住宅や高級車を与えられているから」
一方で、脱出しようとした戦闘員が殺害されているとのうわさもある。「ISISはパスポートを取り上げて、逃亡しようとした者は直ちに殺害する」とラカウィさんは話している。
薬物使用などで12人入院、2人重体 米大学
米コネティカット州にあるウェズリアン大学の学生ら12人が22日、危険薬物の「モリー」を使用するなどして病院に運ばれた。警察によると、23日の時点でまだ4人が入院中で、うち2人は重体だという。
病院に運ばれたのは学生10人と同大学を訪れていた2人の計12人。うち11人はモリーが原因、1人はアルコールが原因だった。
同大学のマイケル・ロス学長によると、モリーはMDMAの一種で、「極めて危険な」影響を及ぼす。MDMAはエクスタシーの主成分。
一方、米麻薬取締局(DEA)によれば、モリーはMDMAではなく、有害な化学物質を合成しているものが大半を占めるという。ほとんどは中枢神経を刺激して興奮状態を誘発させる作用がある。
さらに心拍数の増加や血圧の上昇、血管の収縮、発汗を促す作用もあり、体温がコントロールできなくなることもある。長期にわたる激しいパニック障害や精神症状、発作などの症例も報告されている。
CNN系列局のWFSBによると、警察は大学寮の関係者から事情を聴くなどして捜査を進めている。複数の学生が、この寮で開かれたパーティーでモリーが使われたと証言しているという。
ロス学長は学生に対し、「決して違法薬物に近寄ってはいけない。使用すれば極度の危険にさらされかねない」「1度の過ちで人生が永遠に変わってしまうかもしれない」と呼びかけている。
パキスタン学校襲撃、容疑者を逮捕
イスラマバード(CNN) パキスタン当局は24日までに、北西部ペシャワルで起きた学校襲撃事件を指揮した容疑で、反政府武装勢力「パキスタン・タリバーン運動(TTP)」の司令官を逮捕した。
パキスタン軍によると、逮捕されたのはタージ・ムハマド(通称リズワン)容疑者。
昨年12月16日にペシャワルで軍関係者の子女が通う学校が襲撃され、生徒132人を含む145人が死亡した事件で、実行犯のグループを指揮したとされる。
犯行グループは爆弾を体に巻き付けるなどして、生徒たちが試験を受けていたホールに乱入し、銃を乱射した。
TTPが犯行声明を出し、軍が部族地域で実施した掃討作戦で子どもたちが死亡したことに対する報復だと主張していた。
平壌でのマラソン大会、外国人は出場禁止
北朝鮮は、4月に平壌で開かれる万景台賞マラソンに外国人の出場を認めない方針を明らかにした。エボラ出血熱の感染が広がる恐れを理由として挙げている。
外国人はプロかアマチュアかを問わず出場禁止となる。北朝鮮ツアーを専門とする中国の旅行会社にも禁止の通知があり、同マラソンへの参加を申し込んでいた465人の予約を取り消す手続きを進めているという。
昨年の万景台賞マラソンでは初めて外国人のアマチュア選手の出場が認められ、約30人がフルマラソンに出場した。中国の旅行会社は10キロマラソンやハーフマラソンを含めて125人の出場を手配していた。
しかし北朝鮮はエボラ熱への不安から、2014年10月に外国人旅行者の入国を禁止。それ以来、旅行会社も観光客を送り込めなくなっているという。
北朝鮮では6月に平壌で10キロのチャリティーマラソンが行われるほか、北東部の白頭山地区で初のハーフマラソンも計画されているという。
世界進出する韓国製化粧品“K-ビューティー”、国内のパクリ合戦激化で自滅へ!?
“K-ビューティー”という言葉をご存じだろうか? 特に男性には聞き慣れない単語だと思われるが、韓国産の化粧品を表している。韓国産の化粧品は、中国や日本をはじめとしたアジアで非常に人気が高く、2014年は輸出額2兆ウォン(約2,000億円)を突破。史上初めて貿易収支で黒字を記録した。ひと昔前まで日本人観光客が多く訪れていたソウル・明洞では、化粧品小売店が5年前に比べて4倍にも増加したそうだ。世界に韓国文化を拡散させる“韓流”の中で、化粧品が一つの柱としての地位を確立したと言ってもいいだろう。
しかし、そこは韓国。化粧品業界では売り上げが増加する一方で、“パクリ合戦”が熱を帯びているという。韓国の化粧品会社や業者同士で、商品の主要成分や容器デザインをパクリ合っているのだ。
例えば、韓国の2大化粧品企業、アモーレパシフィックとLG生活健康は、“エアクッション化粧品”について法廷で争っている。エアクッション化粧品とはファンデーションのことで、従来の塗るタイプではなく、ハンコを押すように使うという。アモーレパシフィックが開発した、同社のエアクッション化粧品の売り上げは、昨年は6,000億ウォン台にまで上るとみられている。そんな大ヒット商品をパクッたLG生活健康に対して、アモーレパシフィックが特許侵害と訴訟を起こしたというわけだ。LG生活健康側は、「誰もが作れる製品の特許は無効」と真っ向から対立。現在も決着がついていない。
大手ばかりではない。去る2月4日には、ある国内ブランドが販売していたマスクパックのデザインや成分をパクり、偽物を中国に輸出していた4人が立件されている。パクられた側の被害は甚大で、動物性クリームで有名な韓国のある化粧品会社などは300億ウォンの損失を出しているとも。国内関連企業のパクリ合いという“内戦”によって、「K-ビューティーが自滅しかねない」という危惧の声も出てきた。
もちろん、日本の化粧品もパクられている。例えば、「一心堂本舗」が販売している「動物フェイスパック」。上野動物園のジャイアントパンダとスマトラトラの顔をフェイスパックにデザインした商品なのだが、韓国の2つのメーカーが類似商品を発売していることがわかった。フェイスパックにデザインされた動物も、そのままパンダとトラだ。
現在アジアを超えて、アメリカへと勢力を拡大しているK-ビューティー。世界中の女性を虜にする魅力の裏側には、パクリ合戦という醜さも出てきた。お金のためなら手段を選ばない商法を改めない限り、せっかく人気に火がついた韓国産化粧品ブームも、すぐに鎮火してしまいそうだ。
北朝鮮「モランボン楽団」が東南アジアツアーを準備中 活動再開に日本のファンも歓喜!
金正恩時代を象徴する北朝鮮の音楽ユニット「モランボン楽団」が、東南アジアツアーを企画していることがわかった。
韓国紙の毎日経済は26日、対北朝鮮消息筋を通じて、モランボン楽団がシンガポール、マレーシア、インドネシアなど東南アジア4~5カ国のライブツアーを準備していると報じた。消息筋は「ツアー日程はまだ確定されていないが、現地の大使館などを通じて準備中だ」としている。
2012年に結成された「モランボン楽団」は、北朝鮮のみならず、日本や韓国、そして欧州にもマニアックなファンを持つ。今回のニュースを受け、日本のファンは、
「今まではYouTubeでしか見られなかったので、もしツアーが実現すれば、ぜひ現地まで行って見てみたい。可能なら、ツアーにくっつく“おっかけ”もしてみたい」(20代日本人女性)
「メンバーの写真をプリントした“アイドルうちわ”を作って、黄色い声援を送りたい。もちろん写真は、日本でも人気急上昇中のキム・ソルミ同志よ」(30代在日コリアン女性)
「北朝鮮では見たことがあるが、外国公演ともなればまた違った内容になるのでは。海外の人がモランボン楽団を見てどんな反応を示すのか興味津々ですが、きっと歓喜の声で迎えられることでしょう」(30代日本人男性)
モランボン楽団は、一昨年から昨年にかけて、当時北朝鮮ナンバー2だった張成沢の粛清や北朝鮮の芸能界スキャンダルの余波を受け、活動が停滞したことがある。楽団長、いわゆるバンマスのソヌ・ヒャンヒが一時期姿を見せなくなったが、現在は復帰している。
モランボン楽団の前身であるポチョンボ電子楽団から北朝鮮音楽をウォッチしている日本人のファンは、次のように語る。
「昨年の9月以後、公演は行われていなかったので、また何かあったんじゃないかと不安でいっぱいでしたが、このニュースが本当なら一安心ですね。元気に歌って踊る姿を、早く見てみたいです」
一方、北朝鮮の朝鮮中央通信は先月29日、リ・ギルソン次官を団長とする朝鮮外務省代表団がベトナム、ラオス、カンボジア、ミャンマー、シンガポール、インドネシア、マレーシアを歴訪するために平壌を出発したことを伝えた。
北朝鮮の音楽公演は、単なる文化交流だけでなく水面下で行われる政治活動が本来の目的である。北朝鮮外務省の動きとモランボン楽団ツアー情報との関連性に、今後も注目だ。
物乞い行為を動画で配信 軽犯罪法違反容疑で23歳無職男性を書類送検
香川県警生活環境課は24日、インターネット動画配信サイトを使って物乞い行為をしたとして、軽犯罪法違反の疑いで高松市の無職の男性(23)を書類送検した。物乞い行為をネットに流し、立件されるケースは珍しいという。
送検容疑は1月6日午後5時半~6時10分ごろ、高松市浜ノ町のJR高松駅周辺でパソコンを使ってサイトに接続し「僕お年玉もらってないと思う。高松駅周辺にいるのでお年玉をこのカップに入れてください」などと中継、不特定多数の閲覧者に金品を請うたとしている。
サイトを見ていた視聴者が警察に通報した。同課によると、男性は「お金をもらいたかった」と容疑を認めている。
軽犯罪法1条は、物乞いをするか、物乞いをさせた者を拘留か科料に処すると規定している。
トワイライトの快適な旅を支えて23年、ベッドメーク担当者万感「友人や彼女がいなくなるようで寂しい」
新大阪駅に隣接する広大な車両基地がある。3月のダイヤ改正で姿を消す寝台特急「トワイライトエクスプレス」(大阪-札幌)の“ねぐら”となっているJR西日本の網干総合車両所宮原支所(大阪市淀川区)だ。「走るホテル」とも呼ばれる豪華列車はここで旅支度を整え、再び北の大地へと向かう。23年間にわたって寝台のシーツや毛布のセットを担当し、快適な旅を支えてきたジェイアール西日本メンテック係長の田中憲一さん(46)は「高級ホテルにも負けないベッドメーキング」が誇りだ。(大竹直樹)
日本海の景色を独り占めできる大きな窓。ツインベッドにシャワールーム、応接ソファまで備えた2人用のスイートルームは、一流ホテル並みの内装で、大阪-札幌間の料金は大人1人4万6090円だ。
「スイートは特に丁寧さが要求される。お客さまにいい夢を見ていただくための努力は惜しまない」
田中さんはそう言ってシーツを広げると、しわをのばしながら手際よくベッドにかけていった。トワイライトエクスプレスはクルーが手を振って乗客を送り出すなど、細やかなサービスが特徴だが、ベッドメーキングも例外ではない。
たとえば、毛布の端は2回折り込まれている。そのまま使えば、顔を出して眠ることができ、折り目を延ばせば顔まで毛布で覆われる長さに調節されている。
田中さんは「お客さまには気付いてもらえないが、気持ちよく寝てもらうための心配りです」とさりげなく語る。浴衣などのリネン類はすべて部屋の入り口に向かって折り目がくるようにそろえられている。これも「お客さまにきれいな方をみていただくため」だ。
田中さんがトワイライトエクスプレスのベッドメーキングを担当したのは平成4年。「当時はすぐにスイートの作業はさせてもらえなかった」と振り返る。
作業は寝台車の1、2号車を3、4人が受け持ち、5~9号車を6人でこなす。スイートルームは熟練のベテランが担当するが、それでも30分はかかる。
今月3日、夜も明けきらぬ午前4時50分。宿直勤務で宮原支所に泊まっていた田中さんは飛び起きた。トワイライトエクスプレスが入線してきたためだ。
1日午後に札幌駅を出発した列車は、積雪のため青森県内で立ち往生し、3日午前4時20分ごろ、約15時間遅れで大阪駅に到着していた。しかし、午前11時50分には大阪駅から再び札幌駅に向けて出発する。
宮原支所を出る11時1分までに車両の整備や給水、車内の清掃などを終えなければならなかった。田中さんらスタッフは急いでリネン用品を積み込むと、早朝から作業に取りかかった。
別れを惜しむ乗客のファンらは、異例の車中2泊を楽しんだが「雪で列車が遅れるとJRも困るが、われわれも残業になります」。
田中さんがベッドメーキングを担当した当初は、寝台特急「日本海」や寝台急行「銀河」も走っていたが、時代は流れ、トワイライトエクスプレスだけになり、それも3月で終わる。
田中さんは「ともに歩んできた列車の廃止は、友人や彼女がいなくなるようで寂しい。引退後も体力の続く限り臨時列車などで走り続けてほしい」と話す。
四半世紀の歴史に幕を閉じるトワイライトエクスプレスの名と伝統は、平成29年春に京阪神や山陰・山陽エリアで運行を始める豪華寝台列車「トワイライトエクスプレス 瑞風(みずかぜ)」に受け継がれることになった。
田中さんは万感の思いを込めて、希望を口にした。
「新しいトワイライトエクスプレスも担当したい。今以上にすばらしいベッドメーキングをします」
ぼったくり朝キャバ強制労働 「富士山まで逃げれば…」行き倒れ保護
東京都新宿区歌舞伎町のキャバクラ店で客に不当な高額料金を請求し、支払えないと強制的に客引きなどの労働をさせたとして、警視庁保安課は24日までに、都ぼったくり防止条例違反と労働基準法違反の疑いで、店の責任者の松田優也容疑者(25)=同町=や従業員の西山明容疑者(23)=住所不定=ら5人を逮捕した。
逮捕容疑は昨年12月1日、歌舞伎町の「CLUB Cenote(クラブ セノーテ)」で、客の男性(32)に51万円の料金を請求。払えないと言った男性に対し「うちで働いて(金を)返すしかねえんだよ」などと脅し、同日夜から翌2日まで、客引きや店内の掃除などをさせた疑い。
警視庁によると、5人はいずれも「ぼったくりではない」などと否認している。
同店は「日の出から営業」をうたう通称「朝キャバ」。男性は客引きに「1時間4000円」と声を掛けられ、1日午前5時ごろに1人で入店。1本1万円のシャンパン1本を頼み、30分ほどで寝入ってしまった。正午ごろに目覚めると、予想外の料金を請求された上、勤務先の大手居酒屋チェーン店の寮から、CLUB Cenoteの従業員寮に荷物を運ぶことを強要された。
当日は給料日で、持っていた現金約20万円もなくなっていた。出勤しないことを心配した同僚が電話を入れると、松田容疑者らが出て「コイツは金を払わないから働かせる」と伝え、男性に「おまえは解雇だから」と言ったという。
さらに、寮から店に戻され、午後7時から翌2日午前8時まで13時間にわたって店のトイレ掃除や客引きなどをさせられた。寮に戻った後に逃げ出し、静岡県御殿場市の山中で行き倒れになっていたところを保護された。富士の樹海を目指し、電車を乗り継いで逃げたといい、「富士山まで逃げれば追ってこないと思った」と話している。
同店は昨年11月に開店したとみられ、高額な料金などへの苦情が51件、警察に寄せられていた。
“筆談ホステス”政界へ 銀座ナンバー1の経験生かす
耳が聞こえないハンディを乗り越え、銀座でナンバーワン・ホステスの座に輝いた“筆談ホステス”こと斉藤りえさん(31)が政界に進出することが23日、本紙の独占取材で明らかになった。4月の統一地方選挙で斉藤さんは、東京都北区議会議員選挙(4月19日告示、26日投開票)に「日本を元気にする会」(松田公太代表)公認候補として出馬することが判明。声を出すこともままならない斉藤さんは、一体どんな選挙戦を繰り広げて、有権者に支持を訴えていくのか?
斉藤さんは選挙戦で、「バリアフリー社会」「女性の社会進出」「少子化、育児」を中心に支持を訴えていくが、自身の聴覚障害者としてのハンディを政治の世界でどう乗り越えていくつもりか。本紙記者との筆談インタビューに応えてくれた。
「私自身が聴覚障害者であり、女性であり、母親でもあります。『耳が聞こえなくては議会活動ができないのでは?』と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、これだけ技術が進歩した現代において“聞こえないこと”は、必ず乗り越えられると思います。受け入れる議会側は現在、聴覚障害者を前提とした仕組みがありませんので、その変革に最初はご迷惑かけるかもしれませんが、議会から本当の『障害者へのバリアフリー』が起こること自体にも大きな意義があると思います」
斉藤さんは“筆談ホステス”として銀座でナンバーワンに上り詰めた経験を政治家としても生かしていきたい意向を持っている。
「私が(銀座でナンバーワンになれたのは)ホステスとして働かせてくれた環境があり、サポートしてくれた方々がいたから実現したことです。私のように働ける環境に恵まれれば活躍できる障害者もたくさんいると感じますが、障害者と認識されてしまうとその機会に巡り合えないのが現状。活躍するためには、社会の認識を変えて、サポートできる環境を働きかけていく必要があると考え、その役割を私が担いたいと考えています」
選挙戦といえば、候補者がマイクを力強く握り有権者に支持をお願いするのが定番。斉藤さんの場合、耳が聞こえないだけでなく、声を出すこともできないハンディを背負っている。
「私は声を出すことがほとんどできません。区議選ではチラシ(広報誌)を配ることができないので、言語・聴覚障害者は最初から排除されているのではないでしょうか。こうした現状の仕組みに警鐘を鳴らす意味でも、新しい選挙のやり方をします。『音を一切使わない選挙』はいいかもしれません。広報誌が配れないという制約の中、どこまで文字や文章で(有権者に)アピールできるか、選挙管理委員会ともルールを確認しながら、模索していきます。もちろん、有権者からの質問には、筆談でしっかり答えていきます」
無所属でなく松田代表率いる「日本を元気にする会」から立候補を決めた理由については「政治屋や職業議員ではなく経済人と実務家など現場の感覚に近い知恵を持つ者、たとえ政治家でなくても日本や地域に貢献できる手に職を持った気概を持ったメンバーで構成されていたことが大きかったです」と説明した。
同党は25日に斉藤さんを公認候補として正式発表するが、前代未聞の選挙戦はどう受け入れられるのか。
☆さいとう・りえ=1984年2月3日生まれ。青森県青森市出身。1歳10か月の時に髄膜炎にかかり、なんとか命は取り留めたが、後遺症で聴力を失う。その後、19歳で接客業の楽しさを知り夜の世界に飛び込み、筆談で会話する手法を思いつき“筆談術”で青森の複数の店でナンバーワンになる。その後、上京して銀座のクラブで働き成功。自身が銀座でナンバーワンホステスになっていく姿を描いた「筆談ホステス」(光文社)を出版するとベストセラーになり、テレビでドラマ化もされた。