台湾の日本人、「追悼と感謝の会」開く
日本の東日本大震災から4年となった11日、台湾における日本人、及び日本企業による団体、台湾日本人会と台北市日本工商会主催の「追悼と感謝の会」が台北市内のホテルで行われた。
日本の東日本大震災から4年となった11日、台湾における日本人、及び日本企業による団体、台湾日本人会と台北市日本工商会による、震災から4年の「追悼と感謝の会」が台北市内のホテルで開かれた。
立法院の王金平・院長、司法院の頼浩敏・院長、台湾の対日本窓口機関・亜東関係協会の李嘉進・会長、日本の対台湾窓口機関・公益財団法人交流協会台北事務所の沼田幹夫代表、台湾における日本の岩手県人会の宮靖代表らが出席、一般の人たちと共に、会場に設けられた祭壇に花を手向け、震災の犠牲者たちに哀悼の意をささげた。また、地震発生と同じ時刻には一分間の黙祷がささげられた。
この活動の実行委員会で委員長を務めた丹羽康彦氏は、「震災をきっかけに日台の交流は格段に進化し、台湾からの『がんばれ日本』、日本発信の『謝謝台湾』の、心のこもった応答は日々拡大し、深まっている。台湾からのあたたかい支援が歴史的な日本へのサポートとしてあったことを決して忘れず、後世に伝え、心からの感謝の念を持ち続ける」と述べた。
また、交流協会の沼田代表は、「日本にとって台湾は心と心がつながった極めて重要なパートナーだ。震災直後、台湾の人々が自分のことのように日本を支援してくれたことは、日本人に台湾という真の友人がいることを強く思い起こさせた。感謝の気持ちを胸に、関係強化に全力を尽くしていくことを誓う」と話した。
一方、亜東関係協会の李嘉進・会長は、日本では被災地への関心が薄れつつあるとの報道を見たと前置きした上で、「台湾は東日本大震災の被災者のことをずっと忘れない。我々は、日本政府と日本の人々が勇敢に立ち上がり、復興を成し遂げることと信じている。台湾はこれからもそれをサポートし続け、被災地の人たちがこの難関を乗り越えられるよう、ずっと祈っている」と話した。
頼浩敏・司法院長は、「我々は天災をコントロールできないが、再び立ち上がり、積極的に再建することは可能だ。被災地のために我々ができることはまだたくさんある。我々の最も親しい盟友、日本が天から平安を賜りますよう」と述べた。
会場では、日本の岩手県の達増拓也知事のメッセージが代読された他、宮城県南三陸町の佐藤仁町長からのビデオレターが放映された。また、日本の女性シンガーソングライター、真気さんが昨年に続いて参加し、日本から台湾の人たちへの感謝の歌として、「心の底からありがとう」という歌を披露した。さらに今年は、事故によって首から下が麻痺し、口に絵筆をくわえて創作活動に当たる、日本の画家、野田武男さんが出席、特別に製作した絵画作品が台湾日本人会に贈られた。
台湾の警察らが連携、日本人旅行客が紛失のパスポート探し出す
台湾東部の離島を旅していた日本人が紛失したパスポートを、地元の警察などが連携して探し出し、本人に返却するエピソードがあった。
この旅行者は8日、台東市内の港で、貴重品の入っていたハンドバッグを緑島で紛失していたことに気付いたという。事情を聞いた地元の海岸巡防署(海巡署、海上保安庁に相当)の職員は、ただちに緑島の関連施設に協力を依頼した。
連絡を受けた緑島側の職員が旅行者からの情報を基に捜索したところ、島内の観光地でハンドバッグを無事発見。旅行者の帰国の時間が迫っていたため、緑島の航空警察局に引き渡した上で、台湾本島の台東航空警察局に送り、本人に届けたという。
海巡署では市民サービスも業務の一環として、困ったことがあれば相談してほしいと呼びかけている。
中華民国国軍、10%近くが女性に
中華民国国軍における女性兵士の割合が10%近くに増えている。馬英九・総統は11日、国防部の2015年の新春食事会に出席、旧正月期間中、国家の安全を守っていた国軍の労をねぎらった。
馬・総統はあいさつで、過去一年、国軍は戦備の訓練、国防関係の科学技術の研究、災害の救助、人権問題の改革、志願兵制度の実施などにおいて、いずれも具体的な成果をあげているとたたえた。
馬・総統は、特に国軍が全力で推進している国防政策、志願兵制度について言及、兵隊の環境改善に積極的に取り組んでいる国防部を評価、それは、志願兵制度の順調な実施につながるとした。
馬・総統は昨年、国軍は志願兵を1万5024人募集した。これは年度目標の1.5倍に相当する。兵役が終わっても自発的に兵隊に残りたい兵士の割合も以前に比べて19ポイント成長する、61%となり、これまでの最高を記録したと、具体的な例をあげてその成果を説明した。
馬・総統は、「戦闘部隊は比較的集まらない部隊だ。行政院は、戦闘部隊に手当てを支給する、国防部の提案に同意、それを早急に実施して兵力を確保する方針だ。」としている。
馬・総統は、また、兵隊に加わる優秀な女性が増えつつあり、政府が女性の志願兵の募集を始めてから今年3月1日まで、女性の将兵の人数は1万6809人に達し、国軍の定員枠の9.66%を、現役の志願兵の12.76%を占めている。そして、人数の増加だけでなく、質も高まりつつあると喜んだ。
台鉄松山駅ビルで火災
きょう午前8時過ぎ、台湾鉄路松山駅(台北市)の駅ビルで火災が発生。8時49分に通報を受けた消防局が直ちに消火活動を行い、10分ほどで消し止めた。2階にある売り場の倉庫から出火したもよう。台湾鉄路によると、列車の運行に支障は出ていない。
経済部が人材獲得講座開催、情報サイトで国際人材呼び込む
経済部が工商協会や各地の工商発展投資策進会と、10日から台北・新竹・台中・台南・高雄の各都市を巡回し講座を開催している。内容は、中小企業に対し、経済部や内政部・労働部の持つリソースをどう活用して国際的な人材を獲得するかを紹介するもの。経済部は、求人情報サイト「HiRecruit(経済部人才網)」の機能を強化し中・英・日の3カ国語に対応させたほか、4月末にはスマホ版サイトもリリースする。すでに2084社が登録しており、会員数は2万5000人程度。また昨年は米国内の台湾人プログラマー団体など六つの団体との提携契約を結び、海外で活躍する専門人材を台湾に呼び込めるよう働き掛けを続けている。
タッチパネルの和キン、累損解消へ減資決定[IT]
タッチパネルメーカーの和キン光電(ハンスター・タッチ、キン=金3つ)は10日に開いた董事会(取締役会)で、資本金を約36.8%減らすことを決定した。累積損失が拡大する中、減資により財務体質の改善を図る。11日付経済日報などが伝えた。
和キンの累積損失は、昨年末時点で48億9,300万台湾元(約188億円)に到達。株式払込剰余金の補てんで累損を一掃した後の払込資本金は73億6,900万元となる。呉敏娟・会計部処長は「減資の実施で、1株当たりの純資産を券面額の10元以上に戻すことを目指す」と述べた。同社は減資後に私募による増資を計画しており、6月に開催する株主総会で減増資案の承認を求める。
和キンは現在、主に韓国サムスン電子に製品を出荷しており、同社向けの売上高は全体の6割超を占める。孫黛雲・行政中心副総経理は今年の事業運営について「設備稼働率は9割に達しており、サムスンのスマートフォン向けなど受注見通しは4月まで良好だ」と指摘。呉会計部処長は「人事や組織の見直しと顧客からの旺盛な需要を追い風に、今年の経営は次第に改善されるだろう」と述べた。
台湾、高病原性鳥インフル感染例ゼロに
家きんにおける鳥インフルエンザの感染状況が沈静化し、感染例が通報された飼育場がゼロになった。台湾では今年1月に高病原性の鳥インフルエンザの感染例が報告され、ガチョウ、アヒル、鶏などの家きんでの感染が拡大していた。3月9日時点では、関係機関は飼育場を867ヶ所に対して消毒を施し、家きんを630万羽殺処分した。損失額は台湾元25億元(日本円約95億円)に上っている。しかし、最近、家きんでの鳥インフルエンザの感染の広がりが収束に向かっているもよう。
行政院農業委員会の陳保基・主任委員は11日、「2015年家きんにおける鳥インフルエンザの予防と制御国際シンポジウム」の開幕式であいさつ、10日に新たな感染例が通報された飼育場の数はゼロで、これは過去2ヶ月来、初めてだと明らかにした。陳・主任委員は、このシンポジウムを通じて台湾の経験を外国と共有すると共に、諸外国の経験も学びたいとしている。
台湾動物社会研究会の朱増宏・執行長は、今回のシンポジウムでは日本、韓国、オランダ、イギリスの学者が動物の殺処分を行う際の新技術を紹介するとし、動物の福祉、および殺処分を行う際の人間の安全確保などはいずれも台湾の関係者の参考になると述べた。
台湾のPHSサービス、3/31まで
台湾におけるPHS通信サービスが今月の31日に終了する。中華民国台湾の電信、通信、放送事業を監督する独立行政機関、国家通訊伝播委員会(NCC)は11日、台湾の大衆電信が31日からPHS通信サービスを終了することに許可を与えると共に、PHSの利用者の電話番号を、第4世代移動通信システム(4G)のサービスを提供する、ほかの電信業者5社への移転を協力すると明らかにした。
1997年に創設された大衆電信は、2001年に正式にPHSのサービスを開始、電磁波の影響が比較的低く、一般の携帯電話より体への害が少なく、病院の設備や医療器材への影響が低いなどをアピールしたため、医療関係者を中心に利用者が増加を続けた。2005年、PHSの利用者数は100万人の大台を突破、台湾で一世を風靡した携帯電話となった。しかし、その後、ほかの電信業者の通話料金の優遇措置やモバイルデバイスなどに勝てず、経営は悪化の一途をたどった。
2008年、大衆電信は、台北地方裁判所に対して、再生手続き開始を申し立てた。現在、利用者は60万人余りに減り、まだ電話料金を支払っている利用者はおよそ10万人。営業拠点も激減した。
台北市のレンタサイクル4/1より有料
台北市内のレンタサイクル、YouBikeが4月1日より有料になる。台北市交通局は11日、YouBikeの使用規定について、現在実施している、最初30分間無料の規定を4月から廃止、最初30分間に台湾元5元、日本円19円とすると明らかにした。
この新たな規定の実施により、台北市政府は年間台湾元1億元(日本円約3億8000万円)から台湾元1億5000万元(日本円約5億7000万円)節約できる見込み。台北市政府は、節約する経費を貸し出し返却ステーションの増加、自転車網と自転車道の整備などに回す予定。
台北市交通局運輸管理科の劉嘉祐・科長によると、現在、台北市でのYouBikeの一ヶ月当たりの利用回数はのべ200万回。2019年をめどに、台北市内のYouBikeをこれまでの6406台から1万3000台に、貸し出し返却ステーションをこれまでの196ヶ所から400ヶ所に増やし、市民が350メートルを歩くと、貸し出し返却ステーションに到着できるよう努力する方針。なお、台北市をドーナツのように取り囲む、新北市のYouBikeは4月以降も無料。
台湾・駐日代表、今年も震災追悼式で指名献花 哀悼の意伝える
台北駐日経済文化代表処の沈斯淳代表(大使に相当)は11日、国立劇場(東京都)で行われた日本政府主催の東日本大震災追悼式典に出席し、中華民国の政府と国民を代表して震災の犠牲者とその遺族らに哀悼の意を表した。
式典には遺族代表をはじめ、天皇、皇后両陛下や安倍晋三首相など約1200人が参列。地震発生時刻の午後2時46分には1分間の黙祷が行われた。
台湾は2012年に行われた第一回追悼式典で、献花の際に国名や機関名を読み上げる「指名献花」から外されたが、2013年からは指名献花のリストに入れられている。
台湾・澎湖のバスターミナル閉鎖 名残惜しむ市民ら詰め掛ける
台湾の離島、澎湖県馬公市で11日夜、交通の要所として親しまれてきた馬公バスターミナルが老朽化による建て替えのため閉鎖された。構内には多くの市民が詰め掛け別れを惜しんだ。
鉄道のない同地ではバスが重要な交通手段。同バスターミナルは50年以上にわたって県民生活を支えた。
夜には陳光復県長らが出席した記念式典が開かれた。現役を引退した元職員らも往年の制服姿で集まり、中には目頭を熱くさせる人も。
多くの市民が詰め掛けたため、最終バスは急遽臨時便を増発。記念乗車券も配布された。12日からは仮設バスターミナルの運用が始まっている。
台湾北東部でM4.6の地震 台北、新北などで震度2
12日午前7時2分ごろ、宜蘭県礁渓郷を震源とする地震があった。宜蘭県羅東、台北市信義区、新北市などで震度2を観測した。地震の規模を示すマグニチュード(M)は4.6。震源の深さは98.6キロ。この地震による大きな被害は確認されていない。
(震度は台湾基準)
ロシアの美人陶芸家、台湾の博物館に駐在 すでに多くのファンも
台北郊外の新北市立鴬歌陶磁博物館が行う国内外の陶芸家支援プログラムの一環として、今月から同館に駐在しているロシア人陶芸家に大きな関心が寄せられ、すでに多くのファンができている。
24歳のイリーナ・ラズモフスカヤさんは、同博物館が駐在活動を始めて以来最年少の芸術家だ。父親の仕事の関係で幼少期から台湾に親しんできたイリーナさんにとって、ここは天国のような場所で、最も好きなのはヨーロッパとは異なる台湾風の建築物だという。
ほぼ毎日博物館で創作活動に取り組む親しみやすい雰囲気のイリーナさんの周りには、毎日多くの人が訪れ、テレビ番組への出演申し込みもあったという。
イリーナさんは、4月の週末に開かれる体験クラスでロシア独特の焼き製法やマトリョーシカの作り方を教えるほか、小規模な個展も開く。
現在、イリーナさんのほかにもラトビアやスペインの芸術家が駐在している同博物館では、2016年度の陶芸家の募集を開始しており、選ばれたアーティストには往復航空券のほか、住居やアトリエ、生活補助などが提供される。
日本へ輸出のバナナ農家、余剰の商品をコンビニ販売 新商機に
南部・屏東県の農家では、日本へ輸出する際に切り落とされた、余剰のバナナを1、2本ずつ個包装して台湾内のコンビニエンスストアで販売し、新たな商機を生んでいる。
バナナ園を営む余致栄さんは、約2年前から収穫したものを一房5、6本に切り分けて日本向けに販売している。余さんによると、このような処理は労力がかかり、切り方により品質への影響もあるものの、日本の業者の厳しい要求を満たすためには仕方がないという。
そこで、日本への輸出のためにコスト増を強いられた農民らが考えついたのが切り分ける際に余ったバナナを少量ずつコンビニで販売する方法だったと同県農業処の姚志旺処長は語る。これにより、新たな価値が生まれ、消費者は本来は輸出用の高品質商品を購入できるようになった。
一方、余さんによると、コンビニに卸しているバナナは必ずしも余りのものでなく、数量が不足した場合は新たに切り分けているのだという。
日本向けの商品は、形や生育が良いバナナのみを選りすぐり、洗浄してから輸出されている。
台湾プロ野球リーグ会長が東京ドームを視察 運営方式など学ぶ
台湾のプロ野球リーグ「中華職業棒球大連盟」(CPBL)の呉志揚会長(コミッショナーに相当)は10日、東京ドーム(東京都)を訪れ、経営陣からドームの多角化経営などについて説明を受けた。
今年2月に現職に就いた呉氏は同日午前、世界野球ソフトボール連盟(WBSC)のリカルド・フラッカリ会長と就任後初めて面会。野球の五輪競技への復帰や、年末に台湾と日本で開催される「プレミア12」などについて意見交換を行った。
午後には日本野球機構(NPB)の熊崎勝彦コミッショナーと会談したほか、同ドームで行われた野球の日本代表と欧州代表の強化試合を観戦した。
呉氏は、現在建設が進められている台北巨蛋(台北ドーム)に触れ、東京ドームの視察で得た知識を参考にしたいと語っている。
台湾で交際をめぐる殺傷事件が急増、9年間で200倍増
中国新聞網は11日、台湾で近年交際相手に関連する殺傷事件が急増しており、2005年から昨年9月の間に関連報道が200倍増えるとともに、事件の内容も凶悪化していると報じた。
交際相手関連の殺人事件では、刃物を用いた犯行が一般的だ。
苗栗県で2011年、友人の誕生パーティーに参加していた男性が電話に出なかったことに腹を立てた交際相手の女が、男性の首を切り付けて失血死させた。
昨年、別れを切り出された台湾大学研究所卒業生の男が交際相手の女性を街頭で47カ所切りつけて殺し、さらに自傷する事件が起きた。
さらに残忍な事件としては00年、交際を断られた男が相手の女性を車ではねた後トランクに入れて郊外に連れ去り、刃物で176回刺して死なせた。
また、異常と思える手法による事件も起きている。
13年には新北市で、同居していた交際相手と口論になった男が、ベルトで相手の女性をめった打ちにして死なせた。昨年には、交際相手の浮気を疑った79歳の男が相手の女性を縛り付け、化学薬品を顔にかけて傷つけた上、両唇と両耳、まぶた、鼻を削り取ってトイレに流した。
最近では、今月5日に台南市で復縁を拒否されたことに腹を立てた元交際相手の女性とそのおじを、1歳の息子の前で射殺、3日後には自らも拳銃自殺する事件が発生した。
同市では13年にも交際相手の16歳の女性が意図的に疎遠にしていることを不満として、溶接工の男が学校に侵入して女性をめった。
ターキッシュ・エアラインズ、台北=イスタンブール路線に新規就航へ
台湾の主要都市・台北近郊にある桃園国際空港は3月11日、ターキッシュ・エアラインズ(トルコ航空)がイスタンブール(アタテュルク)路線に新規就航すると発表した。
台北=イスタンブール路線は31日から運航開始。運航便数は1日1便。使用機材は「エアバスA340-300」。台北21時50分発のTK25便はイスタンブール翌5時5分着。所要時間は12時間15分。イスタンブール深夜発のTK24便は台北に夕方に到着する。所要時間は11時間10分。
桃園国際空港は、イスタンブール便の利用客に対し、発着ターミナルがターミナル2になると案内している。なお、ターキッシュ・エアラインズは英国の格付け会社、スカイトラックスの「2014年度ワールド・エアライン・アワード」で欧州最優秀航空会社に選ばれている。