長崎市、台湾で被爆者への健康相談を初実施 支援事業の一環で
長崎市は17日に台北市で、19日には南部・高雄市で被爆者に対する健康相談をそれぞれ行った。この取り組みは在外被爆者への支援事業の一環として実施されたもので、台湾では今回が初めて。
長崎市は2003年から支援事業を開始。台湾でも被爆者健康手帳の発給や手当の支給、医療費に対する助成などを実施している。だが、台湾で手帳の交付を受けている人は20人足らずだという。
同市は支援事業が被爆者らに十分に知られていないことを受け、台湾の衛生当局の協力のもと、各地の病院や自治会などで周知を進めている。また、健康相談は今後も継続して実施するとしている。
台湾国際らん展、海外受注額が過去最高を更新 400億円近く
南部・台南市で開かれていた「2015台湾国際らん展」がこのほど閉幕した。10日間の会期中に関連業者にもたらされた海外からの受注額が初めて100億台湾元の大台を突破し、100億1000万元(約384億1100万円)に達したことが20日、同市政府の発表で分かった。
この金額は過去最高記録で、昨年より4億8000万元(約18億4000万円)増加した。
台湾は蘭の生産大国で、世界で生産された蘭のうち6本に1本は台南からのものとされる。輸出額は年々増加を見せており、昨年は2013年比10%増の1億8348万ドル(約222億円)に達した。
蘭にちなんだオリジナルグッズやスキンケア商品などの売上高も381万4000元(1464万円)と昨年に比べて18%増加している。
台湾国際らん展は世界三大らん展の一つとして数えられる。今月7日から16日まで開催され、今年は日本やオランダ、オーストラリア、ドイツなど30を超える国・地域から3000人以上のバイヤーが集まったという。
沖縄大学の学生ら、嘉義市の小学校で英語交流
沖縄大学こども文化学科の教授や学生計20名が19日、嘉義市の民族小学校で行われた英語クラスを参観し、児童らと英語での交流を楽しんだ。
民族小の担当者によると、今回の交流は沖縄大とつながりを持つ同校の卒業生の紹介により実現した。初等教育を学ぶ沖縄大の学生らは、英語教師の講義や児童らによる英語クラスの紹介を聞き、台湾の小学校教育について見聞を広めたという。
経済部:米国産牛「もつ」6種の輸入解禁急がず
経済部が、アメリカ産の牛の骨髄や血管などの輸入解禁にタイムテーブルはないと強調した。
経済部は、アメリカ産の牛の骨髄や血管などのいわゆる「もつ」のうち六項目について輸入解禁を検討、2月17日に具体的な部位を明らかにし、30日間、社会各方面からの意見を募るとしていた。
この期間が終わる19日、経済部国際貿易局の黄瀞萱・組長は、野党・台湾団結連盟主催の記者会見で、四、五百通の意見を受け取り、現在整理中だと明らかにした。黄・組長は、経済部は国民の安全を最優先にしており、解禁へのタイムテーブルはないと強調した。
黄・組長は、「反対の理由の多くは安全性への憂慮だ。今後3つの部会と解決方法を話し合い、それから次の行動に移る」と述べている。
台湾団結連盟が、政府の管理措置を懸念していることについて、経済部経済貿易交渉弁公室の曽永光・副交渉代表は、2009年に台湾とアメリカが結んだ牛肉議定書では、アメリカ産牛肉の台湾に輸入させる場合、台湾にアメリカの工場査察を認めることが条件になっていると説明。アメリカの食肉処理場は、アメリカ政府の認可を得ていなければならず、処理前と処理後の獣医による証明も必要だということで、このため曽・副交渉代表は、アメリカの食肉処理のプロセスを台湾の基準に従わせられるとしている。
また、衛生福利部食品薬物管理署の潘志・組長は、6つの部所はいずれも内臓ではなく、すべて国際的な規範及び食品安全衛生管理法の規定にを満たすとした上で、工場査察の他、水際でのロットごとの検査、トレーサビリティシステムによって、モニタリング検査を行っていくと強調した。
この輸入解禁をめぐっては、与党・国民党などの立法委員複数が反対決議に向けて署名を集めている。
小説「孤高のメス」に登場の台湾外科医、外交部から表彰
外交部は18日、長年にわたって国の国際医療協力プロジェクトの推進に尽力してきたなどとして高雄長庚紀念医院の陳肇隆院長(64)に「外交之友貢献奨」を授与した。
陳氏は2012年、肝移植手術執刀数1000例を達成するなど台湾では肝移植の第一人者として知られ、日本のベストセラー医療小説「孤高のメス」にも実名で登場している。
台湾プロ野球、オープン戦の観客数が大幅増 過去6年で最高に
21日に開幕する台湾プロ野球のオープン戦(7~17日全12試合)の観客動員数が約2万2000人と昨年から大幅に増加し、過去6年間で最高となった。
また、14日に桃園球場で行われた中信兄弟対ラミゴ戦では7048人が観戦し、オープン戦の1試合として過去最高の動員数を記録した。オープン戦全体のチケットの売り上げも約300万台湾元(約1150万円)と昨年より50%近く成長した。
また、台湾プロ野球の試合を中継しているインターネットサービス「CPBL TV」は2月中旬の提供開始から1カ月で6000人以上が契約し、売り上げは700万台湾元(約2700万円)を上回っている。
改憲に向け国民党と民進党の幹事長が会談 合意には至らず
与党・国民党の李四川秘書長(幹事長)は19日、選挙権付与年齢の18歳への引き下げなどを含む憲法改正に向け、最大野党・民進党の呉ショウ燮秘書長と会談した。双方は6月までに改正案をまとめることを目指しているが、この日の話し合いでは合意には至らなかった。(ショウ=金へんにりっとう)
会談で呉氏は、国民党側に与野党や市民団体などが憲法改正について議論を行う「国是会議」への参加を呼びかけた。李氏は開催自体には反対しないと強調した一方、議題は中国大陸との関係や住宅問題など、市民の関心の高いテーマにも広げるべきだと語り、馬英九総統の呼びかけによる実施を提案した。
国民党は昨年末に憲法改正に向けた検討チームを立ち上げて公聴会などを開いており、今月末にも改正案を提出するとしている。
元国民党の立法委員が新党結成 選挙に向け「第三勢力」の登場相次ぐ
新党「民国党」の結成式が行われた。来年1月16日に実施予定の立法委員選挙では各選挙区に計10人以上の候補者を擁立するとしている。
1月には人気メタルバンド「ソニック」(閃霊)のボーカル、林昶佐氏などが新たな政党「時代力量」を結成。台湾では国民党や野党・民進党などの既存政党に対する不満などから、来年の立法委員選に向けて「第三勢力」の登場が続いている。
また、同月下旬には選挙費用に対する補助金の獲得に必要な得票率が、現行の5%から3.5%に引き下げられ、小規模政党や新党を活動しやすくするための法整備も進められている。
郵便局の新しい制服がお披露目 流行色を取り入れ、若々しく
創設から100年以上の歴史を持つ郵便局「中華郵政」は20日、デザインを刷新した職員の夏用制服を公開した。新制服は機能性のみならず、デザイン性も増し、若々しさが強調されている。
窓口担当の女性職員が着用する制服には、今年の流行色であるターコイズ(トルコ石)色を取り入れたほか、リボンタイは3種類の結び方ができるよう設計され、よりファッショナブルな印象になった。
一方、深緑を基調とした郵便配達員の制服には、屋外での仕事に配慮して紫外線(UV)をカットでき、汗を逃がしやすい素材を使用した。日焼けを防ぐため、男女ともに長袖が採用されている。
制服は4月中に新しいものへ移行される。
中華航空CAが風疹感染、日本便でも勤務
中華民国台湾の大手航空会社の女性CA(キャビンアテンダント/客室乗務員)が風疹にかかったことが判明、関係機関は11ヶ国に通報した。
台湾のチャイナエアライン(中華航空)の女性客室乗務員は14日、発熱、鼻水、咳、発疹の症状が見られた。15日、医学センターで治療を受けた結果、18日に風疹にかかったことが確定した。この患者は現在、入院隔離中。仕事柄、ベトナム、インドネシア、香港などを訪れたため、海外で感染したと判断されている。
衛生福利部疾病管制署によると、風疹は発症する七日間前から伝染力があるという。この患者は、発症する七日前から、台湾北部の桃園と日本の福岡、桃園とシンガポールを往復したフライト合わせて6便で勤務した。
感染拡大を防ぐため、関連機関はこの患者と接触したことのある台湾の乗客や医療関係者などの特定を急いでいる。この6便には台湾の乗客686人のほか、海外の乗客が872人おり、疾病管制署は、国際保険規則(IHR Focal Point)を通じて関連のある国、11ヶ国に通報した。風疹の伝染力は水痘(水疱瘡)、麻疹(はしか)より弱いものの、妊娠初期に妊婦が感染した場合の先天性風疹症候群が大きな問題となり、効果的な治療法はないため、先進国では若い女性を中心に、ワクチンによる予防法がとられている。
内政部、中国大陸住民の不動産取得制限へ
内政部が、中国大陸住民の台湾における不動産取得に制限を設ける。
中華民国政府は2002年に、中国大陸の資金による台湾での不動産取得を解禁した。昨年末までに、中国大陸の資金が内政部の許可を経て購入した不動産は181件で、このうち169件は個人によるもの、中国大陸資本の企業ならびに団体が業務のために購入したものは12件だった。
内政部は中国大陸資本が台湾の不動産価格を吊り上げるのを防ぐため、昨年1月1日より、総量管制を実施、毎年、中国大陸の個人が台湾で取得する土地の上限を13ヘクタール、建物(住宅)400戸と定めた。累積での上限は土地で1300ヘクタール、建物2万戸とし、半年に一度見直すことになっている。昨年末までに中国大陸の個人が購入した土地は0.1525ヘクタール、建物は42戸。
さらに内政部はこのほど、申請案が一定の地域に集中し、社会問題につながるのを避けるため、シンガポールを参考に、集中させないための制限を加えることにした。内政部によると、この制限措置では1棟のマンションやひとつの団地における集中度10%を上限、10戸より少ないマンションでは1戸が上限とする。なお、この措置は7月1日から実施されるという。
新北市の一部と桃園市、4月1日から時間指定断水
振中・経済部長は19日、新北市の一部(板橋区、新荘区、林口区など)および桃園市を対象に、4月1日から第三段階の給水制限(時間指定断水)を実施すると発表した。
内容は、七日間のうち五日間を給水、二日間を断水とするもの。このほか、新北市の一部、桃園市および苗栗県にある工業用水使用量の多い工場を対象に実施している給水制限(7.5%の減圧)について、今月23日から10%の減圧に変更するとともに、新竹県、台中市、彰化県北部、台南市、高雄市についても、工業用水使用量の多い工場への5%の減圧を7.5%に変更する。経済部長は、今後2~3週間の降水状況は不透明なことから、第三段階の給水制限実施を決めたと説明。さらに、各地の住民に対して節水を求めるとともに、洗車、プール、噴水、サウナなど用水量の多い業種には暫時閉業、あるいは営業時間の短縮を要請した。
総統選、73%が「民進党勝利」=民間調査[政治]
2016年1月に行われる台湾の総統選挙で、最大野党の民主進歩党(民進党)が勝利し政権を取ると予想する人が73%に上っていることが、民間シンクタンクの調査で分かった。
調査は、財団法人が運営する「新台湾国策智庫」が選挙など政治イベントの後などに毎年不定期で行っている。今回は、3月11~14日にかけて20の県・市に住む20歳以上の人を対象に行い、1,068件の回答を得た。
2大政党の活動についての満足度を聞いたところ、民進党が37.8%で与党・国民党の18.3%を引き続き上回った。また、昨年11月の統一地方選挙で勝利を収めた民進党が16年の総統選で政権を奪還する可能性について、「非常に高い(37.0%)」と「高い(36.2%)」を合わせた回答は73.2%で、「低い(11.0%)」と「非常に低い(2.2%)」を合わせた13.2%を大きく上回った。
調査では、総統選への立候補を表明した蔡英文・民進党主席が現在の国民党幹部3人と選挙戦を戦った場合、いずれも蔡氏が勝利すると予想する結果が出た。朱立倫・国民党主席(新北市長)が出馬した場合、蔡氏の勝利を予想する人は54.0%、一方朱氏は33.1%となった。王金平・立法院(国会)院長との対戦では、蔡氏が50.9%、王氏が34.5%。呉敦義副総統との対戦では、蔡氏の勝利を予想する人は69.6%に上り、呉氏は15.5%にとどまった。国民党の総統選候補にふさわしい人物では、朱主席が39.9%と最も高く、次いで王氏が33.4%、呉氏は5.3%だった。
■民進党の満足度が急落
一方、調査では民進党に対する3月現在の満足度が、今年1月の調査から8.5ポイント急落した。同党への満足度は昨年6月の調査で24.9%となった後に上昇に転じ、統一地方選直後の12月の調査では46.2%、1月調査でもも微増と高水準を維持していた。満足度の急降下と反比例する形で、不満足度は昨年12月の35.4%から2回の調査で続けて上昇。今回は1月の調査に比べ8.3ポイント上昇し51.4%と満足度を逆転した。国民党への満足度は昨年12月時点での11.0%から回復傾向にあり、今回の調査では18.3%に上昇。不満足度は74.9%と依然高いものの、2回連続で下落した。
調査からは、8年ぶりの政権交代への期待がうかがえる一方、蔡主席率いる民進党の政策の不透明さが満足度の下落と不満足度の上昇につながっていることが見て取れる。総統選に向け、蔡主席は中台関係や自由経済モデル区、中国を含む海外との市場開放交渉への方針をあらためて明確にする必要があるといえる。
陽明山カラー祭りが開幕 「アリス」の世界観でメルヘンに
台北市北部の陽明山で20日、「2015竹子湖カラー祭り」(海芋季)が開幕した。周辺の各カラー園にはディズニーアニメ「ふしぎの国のアリス」をモチーフとしたモニュメントが登場し、メルヘンな世界観を演出している。
芋虫やチェシャ猫、マッドハッターなどのキャラクターがあちこちにあしらわれたほか、50本のカラーで作ったトランプ兵で、「女王のクロケット大会」の場面を再現した花園も作られた。
台北市政府産業発展局の林裕益副局長は、雲や霧が立ち込める竹子湖の風景はまさにふしぎの国のアリスに出てくる世界のように神秘的だと述べ、花見客にはカラーだけでなく、陽明山名物の地鶏や野菜も味わってほしいとアピールした。
イベントは4月26日まで行われる。
大阪行きトランスアジア機、計器の不具合で遅れ
19日午前、桃園発大阪行きのトランスアジア(復興)航空GE602便で、離陸前に燃料関連の計器の不具合が見つかり、出発を遅らせるトラブルがあった。
このトラブルで同機は定刻より約30分遅れて桃園空港を出発。午後1時4分(日本時間)、関西空港に到着した。
同社は昨年7月と今年2月、乗客乗員多数が死亡する墜落事故を相次いで起こしている。
早くも夏の兆し 台湾・台中で最高気温32度 今年いちばんの暑さ
南西の風が吹きつけた18日、台湾各地で気温が上昇し、午後1時24分には台中で今年いちばんの暑さとなる最高気温32度を観測した。
また、気温30度以上の真夏日となったのは嘉義(31.4度)、台北(31.1度)、新北市板橋(30.1度)。台北市内では蒸し暑く感じられ、上着を脱いで汗をぬぐう人の姿もあった。
鴻海のシャープ支援案、技術移転など含む可能性
台湾の鴻海精密工業は、経営再建中のシャープに対して経営支援を提案する意向であることに関連し、技術移転などが提案に含まれる可能性があると明らかにした。
同社は20日遅くに出した発表文で、シャープ支援に向けた取り組みに加わることを検討していると表明。これまでも出資に限定せず提携に意欲を示しており、技術移転や他の形の協力が含まれる可能性があるとした。
鴻海は世界最大の電子機器受託製造会社。2012年にシャープの大阪・堺市にあるテレビ用液晶ディスプレー製造子会社に出資し、株式38%を取得している。
鴻海広報は先にロイターの取材に対し、テリー・ゴウ董事長がシャープに出資を伴う経営支援を提案する意向だと明らかにしている。シャープへの支援は、構造改革計画や他の支援者次第という。
鴻海とシャープは2012年3月、資本業務提携契約を結び、鴻海がシャープに1株550円で約670億円出資することで合意した。しかし、その後、シャープの株価が急落したため、両社の協議は中断。シャープは、韓国サムスン電子や米国のクアルコムからの出資を受けて難局を乗り切った。
鴻海は「シャープへの投資は経営に参加できるかどうかがカギになる」との見方を示している。ただ、シャープは「出資協議を再開するには1株550円が条件となる」(広報部)とし、先行きは不透明だ。
世界空港ランキング、台湾桃園国際空港がスタッフ部門で1位
台湾紙・聯合報によると、航空サービス調査会社・スカイトラックスが発表した2015年版の世界空港ランキングで、台湾桃園国際空港が「ベスト・エアポート・スタッフ部門」で1位を獲得した。総合ランキングでは17位だった。人民日報海外版が伝えた。
スカイトラックスは世界の空港388カ所を対象に、搭乗手続きや出入国審査、ショッピングなど評価対象39項目について、空港利用者への9カ月間におよぶアンケート調査を基に、15年のランキングを決定した。スカイトラックスによる世界空港ランキングは1999年から発表されており、各空港からの干渉を受けていない独立した評価ランキングのため、世界の航空業界から重視されている。
総合ランキング1位には3年連続でシンガポール・チャンギ国際空港が選ばれた。2位は仁川国際空港(韓国)、3位はミュンヘン国際空港(ドイツ)、4位は香港国際空港(香港)、5位には日本の東京国際空港(羽田空港)がランクインし、1~4位までは昨年と同じ顔ぶれで変動がなかった。日本からはほかに中部国際空港が7位、関西国際空港が12位、成田国際空港が14位に入った。
台湾桃園国際空港は総合ランキングでは昨年より1つ順位を上げて17位となった。個別の部門では、「ベスト・エアポート・スタッフ部門」で1位を獲得したほか、「ベスト・エアポート・イミグレーション(出入国審査)部門」(2位)や「ベスト・エアポート・セキュリティー部門」(4位)、「ベスト・バッゲージ・デリバリー(荷物運搬)部門」(4位)、「ベスト・トランジット・エアポート(乗り換え)部門」(6位)、「ベスト・エアポート・ショッピング部門」(9位)などに選ばれた。
また、仁川国際空港は「最もクリーンな空港部門」、香港国際空港は「最も食事のおいしい空港部門」、シンガポール・チャンギ国際空港は「最も快適な空港部門」で、それぞれ1位を獲得している。
中国主導のアジア投資銀、台湾財政部長は「招かれれば参加したい」
中国本土の主導で設立する国際組織「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」について、台湾の張盛和財政部長は19日、「これまでのところ台湾は招かれていないが、招かれれば参加したい」と述べた。ただ外交部当局者はメディアに対して、「台湾のAIIB参加には多くの問題があり、焦って参加するべきではない」との考えを示している。台湾・東森新聞網が19日伝えた。
AIIBはアジア各国のインフラ建設のための資金調達を主な目的に、中国主導で設立する。創設メンバー国となることができる参加表明期限が3月31日のため、最近になって西側からも英国、フランス、ドイツなど6カ国が参加を表明。19日までに参加表明国は32カ国となった。オーストラリアと韓国は検討中とされる。
台湾では張財政部長が「台湾の資金の有効な活用場所だ」として、「招かれれば参加したい」との認識を示したものの、外交部の当局者は「計画や規定が曖昧であり、台湾がどのような名義で参加するのかも大きな問題となる」と述べ、「焦って参加するべきではない」との考えを示している。
海峡上の民間航空路「中国が広告で29日運航開始」
中国が台湾海峡の中間線の西側上空に新設した民間航空路に台湾が反発したため運航開始が延期されていた問題で、台湾当局は20日、中国が今月29日から運航を開始すると公告したと発表した。
当初は今月5日に運航を開始する予定だったが、台湾側が「一方的で、運航の安全が脅かされる」などと反発したため中台間で話し合っていた。中国側が設定よりもさらに中国側に運航ルートを移すことなどで折り合いをつけ、今月15日には試験飛行した。
台湾側は2月の中台閣僚級会談の延期理由にこの問題の影響を挙げていた。台湾メディアは運航開始により、同会談が早ければ来月にも開催される可能性が高いと報じた。
日韓グルメが台湾で激戦
台湾ETtodayは、台湾では最近、韓流ドラマの影響で韓国料理の人気が高まる一方で、昨年あたりから日本のラーメンもブームを巻き起こしており、激戦を展開していると報じた。
台湾のグルメサイト「OpenRice」の人気ランキングを見ると、韓国料理のベスト3は「カフェベネ」(カフェ)、「JJIMDAK」(チキン料理)、「HoneyCream」(アイスクリーム)の順。いずれも宣伝に力を入れており、「カフェベネ」は最近、「ト教授」役でブレイクを果たしたキム・スヒョンがイメージキャラクターを務めている。
「JJIMDAK」はオーナーがかつて韓国最大の芸能事務所で練習生をしていたほどのイケメンで、最近はオーナー自らバラエティ番組に出演。「HoneyCream」も少女時代のテヨン、f(x)のビクトリア、スーパージュニアのヒチョルがSNSで推薦し、ファストフード1食分より高い値段にもかかわらず、大勢のファンが買い求めている。
一方、日本のラーメン店のトップ3は「哲麺」「炎の味噌ラーメン札幌炎神」「せたが屋」の順。いずれも長蛇の列ができるほどの人気で、こちらは1日の数量を限定するハンガー・マーケティングを使って台湾人消費者の心をがっちりとつかんでいる。
台湾、学生向け賃貸マンションが続々と中国本土客向けホテルに・・追い出された学生も
台湾メディア・東森新聞雲は中国本土からの観光客が急増する台湾で、学生向けの賃貸マンションが続々と中国本土客向けのホテルに改装され、学生たちが行き場を失っていると報じた。
報道によると、こうした事態が起きているのは嘉義県の中正大学や花蓮県の東華大学の周辺にある学生向け賃貸マンション。
中正大学のある女子学生は、「大家からホテルに改装すると知らされ、賃貸契約の終了前に出て行けと言われた。実習で忙しい時期だったので家を探す時間もなく、仕方なく同じ大家が持つ別の棟のマンションに引っ越した。追い出されるのが納得できないと、大家ともめた後輩もいた」と明かす。
また東華大学のある学生はインターネット上で、マンション周辺の街に中国本土からの観光客が多く集まって観光バスが道をふさいでいるなどと明かし、「住む権利まで奪われた」と不満をぶちまけた。
台湾 労働人口、年18万人ずつ減少予想
台湾は少子高齢化が進み、将来的に深刻な労働力不足に陥る可能性がある。台湾行政院の国家発展委員会(NDC)は、15~64歳の労働人口が今年1737万人でピークを迎えたあと、来年以降は年18万人ずつ減少すると予想。機械化などの対応を急ぐよう提言した。現地英字紙チャイナ・ポストなどが報じた。
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NDCによると、台湾の現在の労働人口が総人口に占める割合は74%だが、2060年には923万人まで減少し、総人口比も51%となる見通しだ。これに伴い65歳以上の高齢者1人を支える労働者も現在の6.2人から1.2人まで減少する。NDCは20世紀後半の経済成長を維持するためには総人口比67%の労働人口が必要だとしているものの、28年にこの水準を割り込むとみている。
13年の台湾の特殊合計出生率(女性1人の生涯出産人数)は1.065で世界最低水準。行政院はこれまでに女性の労働人口の労働市場参加率を50%から53%に高めるなどの対応策を打ち出した。NDCは、このほかにも外国人労働者の就労規制の緩和や、製造業の機械化、地域外就労者の復帰を促す職場環境改善といった施策を急ぐべきだと提言している。
中国人観光客が残していく大量のゴミ、片づけに追われる高雄の観光地
中国人観光客の人気スポットとなっている台湾・高雄の「打狗英国領事館官邸」付近では、ゴミのポイ捨てやトイレマナーの悪さなどが問題となっている。18日付で台湾紙・自由時報が伝えた。
打狗英国領事館官邸や瑞豊夜市の付近には、中国人観光客を乗せた観光バスがひっきりなしに乗り付ける。ところが、観光バスが去った後には大量の食べかけやビニールゴミが散乱し、清掃員が後片付けに追われている。
高雄市環境保護局によると、領事館官邸付近には常時4人の清掃員を配置している。高雄市観光局は「中国人観光客のトイレの使い方は数年前までかなりひどかったが、最近は改善され、台湾人とほとんど変わらない」と話している。