「楽天市場」で11万件やらせ投稿 表示順位を操作? 請負業者を提訴
インターネット通販大手「楽天市場」で商品を検索すると、好意的な口コミの多い店舗が優先的に表示されるといわれる機能を悪用し、出店者が業者に好意的な「やらせ投稿」をさせていた疑いがあることが20日、分かった。
運営会社の楽天は、業者が11万件超の書き込みをしていたことを確認。利用規約に反する行為で出店者との契約解除を余儀なくされたなどとして、業者に約2億円の損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こした。
訴えられたのは大阪市北区のシステム開発会社「ディーシーエイト」。デ社側は20日開かれた第1回口頭弁論に欠席したが、答弁書で争う姿勢を示している。
訴状によると、デ社は楽天市場に出店している121店との間で、商品の売買を装い、店側に好意的な評価を月150件ずつ投稿する契約を月額8万円で締結。少なくとも約11万4千件の口コミを書き込んだ、としている。
楽天は昨年1月ごろ、同一パソコンから短時間に多数の会員IDにログインされていることを確認した。調査した結果、デ社が大量のIDを使い分けて店に商品を架空発注し、取引実態があるように装って、好意的な口コミの投稿を繰り返していたことが判明した。
楽天側は訴状で、商品検索した際の出店者の表示順の決定方法を営業秘密としながらも、「利用者の投稿数や評価内容は、順位決定の重要な要素になると信じられている」と主張。自作自演を禁じた利用規約に基づき一部の出店者との契約を解除せざるを得ず、売り上げが約1億4千万円減ったほか、出店者が払う広告収入にも約6千万円の損害が生じたと訴えている。