日本への個人旅行、日本語がわからなくても問題なし
中国のインターネット上に「日本で英語を使って個人旅行をしても大丈夫?」と題する記事が掲載された。
春節期間中に続き、桜のシーズンである4月も多くの中国人観光客が日本を訪れる見込みだ。日本は漢字を使用していることや治安が良いことから、日本語がわからなくても個人旅行を希望する中国人観光客も多い。一方で、中国のネット上では日本人の英語能力について、総じて「高くない」というのが一般的な見解となっている。では、日本語がわからず、英語だけを頼りに日本を旅行することはできるのだろうか?ある訪日中国人が実体験に基づいて6つの例を挙げてこの問いに回答している。
1.言葉が通じないからといって差別されることはない。それどころか、日本人は逆にコミュニケーションできないことを申し訳なく感じる。
2.日本人は言葉が通じなくても懸命に助けようとしてくれる。私の父は英語もできないが、身ぶり手ぶりで若い女性に道を聞いた。彼女たちは目的の場所まで送り届けてくれ、最後にお辞儀までした。
3.日本の若者の英語はおかしななまりがなく、コミュニケーションは取りやすい。
4.路上の看板は基本的に日本語と英語で書かれている。両方を読み比べればまったく問題ない。
5.ほとんどのサービスはセルフだ。レストランでも自動販売機で食券を買って注文する店もある。言語レベルに対する要求は決して高くない。
6.外国人観光客がよく行く場所にはたいてい、指差しでコミュニケーションがとれる図が用意されている。
記事は最後に、「日本はやはり、中国人が個人旅行をするのに適している国だと言える。近くてビザも取りやすく、サービスが良くて物価も安い(円安)。食べ物もおいしいし、トイレなどの公共の施設は清潔だ。非常にお勧めする」と結んでいる。
爆買中国人は36万人、喜んでいられない悩ましき状況とは
中国人訪日客が日本経済を支えている。2015年2月の訪日外国人客全体約138万7000人だったうち、その約4分の1にあたる約36万人が中国からの旅行者だった伝統的に「ニッパチ」と呼ばれ、2月と8月は寒かったり暑かったりして商売が振るわない時期とされていたが、そんなジンクスはどこへやら。潤沢な手持ちの資金を使って日本で「爆買(ばくがい)」する中国人のショッピング風景は主要メディアが注目するニュースになった。
爆買の平均消費金額は約20万円
彼らが買い求めるのは電気ポットや電気炊飯器、セラミック製の包丁、ドライヤー、化粧品などの日用品から、赤サンゴの高級宝飾品にいたるまで多岐にわたる。特に日用品は中国で買うよりも3分の1程度の値段で買えるとされ、デパートや量販店にお客が殺到。各社は多数の免税コーナーを設けるなど積極的に対応した。
この結果、大手百貨店5社の2月の売上高は(速報値、既存店ベース)そろって増収となった。1回の日本滞在で使う平均消費金額は約20万円と、他の外国人が10万円前後であるのと比べるといかに大きいかがわかる。百貨店、ホテルなどに与える波及効果も当然ながら大きい。ホテルなどの場合、以前は一人当たり1万5000円~6000円の客単価だったが、いまはそれが2万円以上に上昇し、今後についても「2万5000円ぐらいになるのではないか」という強気の見方があるほどだ。
しかし喜んでばかりもいられない。彼らのマナーの悪さにまゆをひそめる向きも少なくないからだ。大型バスで大挙して銀座に乗り入れて、ところかまわず飲食したり、トイレではない場所で子供が用を足したりなど、常識はずれのことが次々と起こるそうだ。
しかし、ホテルは悲惨な状況に
ホテルにいたってはもっと悲惨だ。ある都心の高級ホテルの関係者によると、使い方がよくわからないせいか、男女問わず部屋のトイレで温水便座に座るのでなく立ったまま用をたして水浸しにしたり、火のついたたばこをそのまま床に捨ててじゅうたんを焦がしたり、朝食バイキングの料理を全部持っていってしまったりなど、「トンデモ」を挙げだしたらきりがないという。
このため最近は都心の有名なホテルは中国の団体客の受け入れを敬遠しており、そうした客は中級以下のホテルや郊外のビジネスホテルに流れているという。
逆に有名ホテルがターゲットにしているのが、富裕層の個人旅行客である。高級な部屋に長期間滞在してくれるほか、盛大な宴会を開いたり、一人当たり5万円前後もする高級な食事のコースを選んでくれたりするなど、二重三重においしいからだ。
ただ、こうした富裕層であっても、必ずしもマナーが良い人ばかりとは限らないそうだ。団体客相手に遭遇するのと同様の悩みを抱えるホテルも多い。あるホテル関係者は「日本人の海外旅行客も昔はそうだったのかもしれないが、彼らの常識が追いつくにはあと10年はかかるのではないか」と話している。