日本の医薬品を「爆買い」し始めた中国の金持ちたち
今中国のソーシャルメディア上で「日本に行ったら購入必須の『神薬』12種」という書き込みが話題になっており、そのなかには日本の特定ブランドの痛み止めも含まれていると紹介。国外で売られている新薬の多くが中国では保険適用外となっていて、消費者がその高い費用を負担することができない現状があると伝えた。そして、日本国内でもこのブームに目をつけ、中国の消費者向けの情報サイトを開設する動きがあるとした。
この記事に対して、微博ユーザーからは「日本の目薬は他国とは比べ物にならないほどいい」、「確かに、東京や大阪の大きなドラッグストアではみんな中国人留学生を雇って中国人客の問い合わせに答えている」、「ついに多くの金持ちが薬の問題に注目し始めたぞ」といったコメントが寄せられた。
また、このような現象について「病的だ」とするユーザーがいたほか、その原因については「中国の製品が完全に国民からそっぽを向かれてしまったからだ」、「中国は低レベル製品の生産能力が過剰で、消費されないのだ」などと論じられた。
これまではおもに電化製品などの一般的な消費財が「爆買い」の対象とされてきた日本製品だが、ここにきて健康食品や医薬品の購入熱も顕著になってきた。これらの「爆買い」現象の背景は、単に工業技術の問題にとどまらず、中国国内の医薬品の品質や供給体制を含む、医療制度全体の問題にまで及ぶことになる。
「お金があればサプリも薬も買いたい放題」という状況は、健康食品や医薬品の乱用、誤用リスクを生むという側面のほかに、「健康な生活を送る機会」の格差拡大を生むリスクという側面も持っているのである。