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プーチン発言が露で相手にされぬ“背景”

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「はったりでしょ」ウクライナ政変「核使用準備」プーチン発言が露で相手にされぬ“背景” 

 ロシアのプーチン大統領が3月中旬、国営テレビで、ウクライナの政権転覆時に「核兵器使用の準備を軍に指示した」と発言した問題で、ロシアのメディアや識者はこの発言をほとんど無視するか、「はったり」として軽視する姿勢を見せている。

 「西側諸国に対する誇大、かつ壮大なはったりだ」。

 プーチン氏のインタビューが放映された翌日の3月16日、リベラル紙「ノーバヤ・ガゼータ」はプーチン氏の発言をこう酷評した。同紙はまた、プーチン氏が「ギャンブルの賭け金を引き上げる準備があるところを見せたのだ」とも述べている。

 他には経済紙「コメルサント」の関連ラジオ局がウェブサイト上で「プーチン氏は、ウクライナではなく、核大国(米国)を脅かしていると暗示してみせたのだ。当然、核戦争への実際の準備などは行われていない」などと指摘した。この日、プーチン氏の核使用準備に関する発言を取り上げた主要紙は他にほぼなく、ロシア国内ではほとんど注目されなかったもようだ。

 プーチン氏の核発言について、ロシアの政治評論家、マカルキン氏は産経新聞の取材に「深刻なものではない」とし、西側諸国に対し「われわれは戦争を恐れない。(併合した)クリミアについて話し合う余地はない」との「シグナル」を送ったのだと指摘した。

番組でプーチン氏は、クリミアのロシア系住民がいかにウクライナの“暴力的”な新政権と、それを支援する米国の脅威にさらされていたかを強調してみせた。そのような“敵”から、クリミアの住民をどのような手段を使っても守る-その姿勢をアピールする手段として、核発言が利用されたとの印象も強い。

 プーチン氏はこれまでも、ロシアの核戦力の重要性を繰り返し強調している。背景には、ロシアが軍事面において通常戦力で米国にまったく対抗できておらず、核戦力でようやく米国に張り合っているという現状がある。そのため、ロシア社会はそのようなプーチン氏の発言に、ほとんど関心を示さなくなっているもようだ。

 ただその一方で、政権もメディアも、核削減という国際社会の流れに自国が逆行していることに意識がない。今回のプーチン氏の発言とその反応は、ロシアの核問題への意識がいかに希薄かという実態を象徴しているといえそうだ。





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