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民法改正で生活どう変わる 家主に「敷金」返還義務

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民法改正で生活どう変わる 家主に「敷金」返還義務、飲み屋のツケは…?

政府が3月31日、閣議決定した民法(債権分野)改正法案。「社会・経済の変化への対応」「国民への分かりやすさ」を目指し、日常生活のさまざまな場面で登場する契約ルールが現代版にアップデートされる。消費者トラブルの回避につながる項目も盛り込まれ、“国民に優しい民法”に生まれ変わることになりそうだ。

■約款

 企業が不特定多数の消費者に契約条件として示す約款。保険や携帯電話、電気・ガスといった公共サービスなどで幅広く使われるが、民法には約款取引のルールがなかった。

 改正法案ではその根拠を明確化した上で「消費者の利益を一方的に害する不当な条項は無効」とする。インターネットショッピングで、長文の約款を読まずに「同意する」ボタンをうっかりクリックしてしまった場合でも、トラブル解決の道筋が見えやすくなる見通しだ。

■敷金

 アパートの賃貸契約が終了した際に借り主に戻ってくる「敷金」を「家賃などの担保」と定義。借り主が部屋を引き渡したとき、敷金を返還する義務が家主に発生することも規定した。


部屋の原状回復費が敷金から引かれ、トラブルに発展しがちだが、借り主は通常使用による経年変化を修理しなくてよいことも明記された。日常生活でできた畳のすれや日焼け程度なら、家主から畳の張り替え代を請求されても断りやすくなるだろう。

■消滅時効

 未払い代金の時効は「(取り立てを)できるときから10年」が原則だが、「飲食店で1年」「医療費で3年」など職業ごとに異なる規定があった。根拠が曖昧で分かりにくいため、これを「(取り立てができることを)知ったときから5年」に統一。飲み屋の“ツケ”の時効も、1年から5年に延びることになる。

■連帯保証

 中小企業が融資を受ける際に求められる「連帯保証」。軽い気持ちで引き受けた結果、金融機関から借金返済を求められ、悲惨な結末を迎えることも。改正法案では、第三者が保証人になる場合、公正証書の作成を義務づけることで保護を図る。

■法定利率

 借入金の利息や損害賠償金の計算に使われる法定利率を現行の年5%から3%に引き下げ、3年ごとに市場金利を反映して見直す。法定利率が下がれば、交通死亡事故で遺族が受け取る保険金が増えるなど、低金利時代に応じ国民の納得性を担保した格好だ。
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