中国農村部の子供、5割以上が高校を卒業できず、こんな国が先進国になれるはずがない
米ブルームバーグは、中国農村部の子供は5割以上が高校を卒業できず、中国が先進国になるのは困難だと指摘した。8日付で中国・参考消息が伝えた。
欧米の寄宿学校といえば、ツタの絡まる校舎や雰囲気のある食堂、広々とした校庭などを思い浮かべるが、中国ではまったく違う光景が広がっている。中国には10万校ある農村部の寄宿学校に、約3300万人の子供たちが学んでいる。陝西省の貧困地域にある村の小学校では、5歳から14歳までの約60人の子供を寄宿させているが、給食は量が少なく、肉が出るのは1週間に1度。寄宿舎に暖房はなく、冬は寒さに震えながら眠る。この寄宿学校で1年のうち10カ月過ごす子供たちにとって、飢えと孤独は当たり前のことになっている。
「早くから両親のもとを離れて育った寄宿学校の子供たちは学習意欲に欠けている」と話すのは、寄宿制度のある陝西省の中学校の校長だ。「勉強もしなければ、宿題もしない。教室ではスマホで遊んでばかりだ」と校長は嘆く。2000年以降、少子化により全国で24万カ所の農村学校が廃校になった。また、両親が出稼ぎで不在となり、祖父母や親せきに預けられる子供が増えたことから、農村部で寄宿学校の占める割合が年々増え続けている。
中国農村部では1億人を超える子供が義務教育を受けている。米国の大学や中国科学院が合同で行った調査では、農村部の小学4年生の算数と国語の成績は都市部の同学年の子供の成績よりも2年分遅れていることが明らかになった。農村部の子供のうち高校を卒業できるのは全体の半数以下だが、都市部では9割だ。「4億人の労働人口が読み書きもまともにできない教育レベルになれば、今後中国が先進国になることは絶対にないだろう」と、米スタンフォード大学国際問題研究所のスコット・ロジール氏は断言している。