台湾の食堂車に癒し系キャラが登場、日本人も「萌え〜」
台湾の国鉄、台湾鉄路管理局(台鉄)が、約22年ぶりとなる食堂車の運行を年内にも再開させる準備を進めているが、その車体のデザインに日本のアニメを思わせる美少女キャラクターが採用され、日本のネットユーザーの間で早くも話題が沸騰している。
ネット上で旬ネタとして注目が集まっているのは、台鉄の新しい食堂車に登場するオリジナルキャラクター、「台湾鉄道少女」。現代アートなどを手がける「視野文創」と台鉄とのコラボレーションによるもので、乗務員のドロシー(桃楽絲)や車掌のレール([草冠に内]児)など萌え度満点の5人が描かれている。
日本では、車体にアニメやゲームのキャラクターの塗装をほどこした車を「痛車(いたしゃ)」と呼ぶネット文化があり、お隣の台湾で痛車の電車版「痛電車」が新登場したことについて、書き込みが相次いでいる。「台湾、お前もか」、「これはイタイ」といった意見に混じり、「日本超えた」、「台湾やっぱいい国」など、好意的な評価も目立つ。
運行時期はまだ未定だが、台鉄によると、この「台湾鉄道少女」がペイントされた食堂車は観光列車に組み込み、利用は貸切に限定する予定だという。萌えキャラに囲まれた鉄道の旅が、台湾観光の新しい楽しみ方の1つになりそうだ。
台湾新幹線にアニメペイント車両が登場 世界初
台湾高速鉄道に、米のアメニ専門チャンネル「カートゥーン ネットワーク(CN)」との協力による初のアニメペイント列車が登場した。21日に公開試運転があり、22日から正式に運行を始める。CNと高速鉄道の協力は世界初。
高鉄は2015年に新駅の開業を控えており、昨年日本から700T型48両(12両編成4列車)を追加購入、そのうち最初の12両がCNお馴染みのキャラクター車両に変身した。
車体以外にも、座席のヘッドカバーや紙コップ、ナプキン、乗務員のエプロンまで、車内全体がアメニのキャラクターに彩られた別世界で、試乗した子供たちは大興奮。
また7号車では無料のオリジナル葉書を配布、乗客は車内の記念スタンプを押し、専用ポストに投函することができる。
アニメ列車の運行スケジュールは毎週月曜日にインターネットのホームページで発表され、運賃やチケット購入などは一般の列車と変わらない。
台湾に新たな保釣団体「釣魚台の回復を」
台北市内で21日、「台湾釣魚台光復会」の設立大会があり、会員やゲストなど40人ほどが出席、「釣魚台(日本名:尖閣諸島)を台湾に取り戻す」と気勢を上げた。出航活動などを繰り返している中華保釣協会から移ってきた一部メンバーが中心で、4月の台日漁業協定以降、活動が困難となっている台湾の“保釣運動”の再編成につながるのかが注目される。
中華保釣協会の幹部を長年つとめてきた発起人の1人は、慎重に言葉を選びながら、「協会は特定メンバーで固まっており、多元性に欠ける」「運動を社会に拡大し、出航活動以外にも研究など学術面を強化する必要がある」と話した。
任意団体として内政部に届けを出し、漁船購入や活動の資金として来年末までに5000万台湾元(1億6800万円)の寄付を集めるのが目標だという。
「助けてくれてありがとう」 邦人捜索で台湾に感謝状
今月初旬、台湾旅行中に行方不明になった日本人男性が3日後に無事発見されたことを受け、日本の在台出先機関である交流協会台北事務所は先ごろ、捜索関係者に感謝状を贈り労をねぎらった。
今月2日、ツアーで新北市郊外の黄金博物園区を見学中だった日本人男性(78)が行方不明となった。地元の警察と消防、さらにボランティアなどが大規模な捜索を行い、男性は5日昼頃に現地山間部で無事発見された。
交流協会台北事務所(大使館に相当)は、捜索を指揮した新北市消防局長および新北市警察局瑞芳分局長に感謝状を手渡し、3日間にわたる懸命な活動へのお礼を伝えた。
新北市長、大学生に「日本語の勉強を」
朱立倫・新北市長(=写真)は20日、市内にある輔仁大学の学生との座談会で、日本は台湾の最も重要な経済パートナーだと述べ、積極的な日本語学習を後押しする考えを示した。
座談会では第2外国語が話題となり、大学院で金融と会計を学んだ朱氏は、自身の経験から言えば日本語を推薦したいと提案。
18日に新北市を訪れた神奈川県の黒岩祐治知事と英語交じりで会談したことに触れ、「とても楽しい語らいだったが、日本人と直接に中国語や英語で話し合えるケースは決して多くない」と指摘、日本語を学びコミュニケーションの手段を増やすことは有意義な選択だと勧めた。
黒岩知事は現職の神奈川県知事として初めて来台し、馬英九総統や朱立倫市長、また県内の江ノ電と協力関係を結ぶ台湾鉄道などを表敬訪問し、神奈川観光をPRした。
台湾の国会議長、日本に出発 復興にエール
台湾の王金平立法院長(=国会議長)は21日午前、復興状況視察などのため国会議員らとともに日本に向かった。東北の被災地や原発施設などを訪れ、21日に投開票される参院選後の政界の動きなどについても各方面と意見交換する。
達増拓也・岩手県知事、古屋圭司・拉致問題兼防災担当相、平沼赳夫・日華議員懇談会会長(衆議院議員)と会談するほか、自民党幹部との交流も予定されている模様。一行は25日に帰国する。
王氏は昨年7月にも宮城県と福島県を訪れ、台湾市民に東北観光をPR。今回も、岩手・宮城などを回り、被災地の復興にエールを送る。
台湾の36%が贈賄? 調査請負は中国企業、NGOが謝罪
国際NGOのトランスペアレンシー・インターナショナル(TI、独ベルリン)が9日発表した「世界腐敗バロメーター」で、台湾の調査を担当したのが孫受けの中国大陸企業だったことが分かり、TIは18日謝罪した。調査では台湾の36%が過去1年間に贈賄経験があるとの結果が出ていたが、政府はデータに矛盾があり信憑性に問題があると抗議していた。
世界の汚職実態を監視しているTIは、ギャラップ社を通じ昨年9月から今年3月にかけて世界107カ国・地域の11万4000人を対象にアンケートを実施。台湾では1000人分の調査が行われたが、これを請け負ったのは北京のリサーチ会社で、また調査方法はインターネットによるアンケートのみだった。
TIは、台湾に関する調査を北京の企業に任せるのは不適切だが気がつかなかったと認め、混乱を引き起こしたことについて謝罪、今後の再発防止に努めると約束した。
外交部では、北京の請け負い会社の信用度や専門性、また調査した対象は本当に台湾の市民だったのかなどについて、TI側に具体的な説明を求めていく構え。
台湾が日本に惜敗 初黒星/学童野球のW杯
学童野球の国際大会「第2回12U野球ワールドカップ」は20日、台北市内の天母球場で3日目が行われ、台湾は日本に2−4で逆転負けし、初黒星を喫した。
初回大会(2011年)の優勝チームで、今大会では初戦から2試合連続でコールド勝ちしていた台湾。この日も3回に1点を先制するなど、王者の貫禄を示したが、4回はエース、陳柏均の乱調で4失点を記録、逆転を許した。
台湾の劉睿成監督は、敗因として選手たちが緊張しすぎて実力を出し切れなかったことに、試合の後半で簡単にあきらめたことを挙げ、「白星を重ねることで優位を取り戻すしかない」とコメントした。
日本の前橋喜佐男監督は、「強い台湾に勝ててうれしかった」と喜びを語った。台湾を破った日本は3勝0敗とし、Aグループでは単独首位に立った。
大会は28日まで行われ、26日から始まる決勝トーナメントにはA、Bグループからそれぞれの上位4チームが進む。
馬総統、国民党主席に再任=党首選、事実上の信任投票
台湾の与党・国民党は20日、主席選挙を実施し、現職の馬英九総統が下馬評通り再選された。候補者は馬総統のみで事実上の信任投票。馬総統は4年の任期中、党主席として2014年後半に行われる統一地方選や16年の総統選で、候補者選びなどの采配を振るうことになる。
馬総統は主席選終了後に会見し、「党内の改革や団結、人材の育成に努め、選挙の準備をしっかり行いたい」と抱負を語った。
投票率は58%で、候補者は今回と同様に馬氏しかいなかった前回4年前と比べ1ポイント増となった一方、得票率は92%と前回比2ポイント減った。国民党の主要な支持基盤である公務員の年金改革などに対する反発に加え、馬総統の指導力の欠如に党内でも不満が高まっており、今回は白票を投じた党員が目立った。
政治の中国、経済の台湾 市場開放の水面下で熾烈な駆け引き
中国と台湾の接近と駆け引きが注目されている。台湾の対中窓口機関、海峡交流基金会(海基会)と中国側の海峡両岸関係協会(海協会)の第9回トップ会談が6月21日、上海で開かれ、林中森(りんちゅうしん)・海基会理事長(68)と陳徳銘(ちんとくめい)・海協会会長(64)はサービス分野の市場を相互に開放する「サービス貿易協定」に調印した。中台経済の一体化を促す大きなステップだが、窓口機関の相互の現地事務所設置なども現実味を帯びる中、「台湾統一」を視野に入れる中国と、中国から経済的うまみを引き出しつも一定の距離を保ちたい台湾の思惑の違いも浮き彫りになっている。
■政治の中国、経済の台湾
中台の窓口機関のトップ会談に先立つ6月13日、北京の人民大会堂で、中国共産党の習近平(しゅうきんぺい)総書記(60)の国家主席就任後初となる、中台間の最高レベルの会談が行われた。
「中華民族の偉大な復興のために、両岸(中台)の協力を強化すべき」と語った習総書記に、台湾の与党・中国国民党の呉伯雄(ごはくゆう)名誉主席(74)は「台湾独立に反対するのは国民党と共産党の一致した立場」などと応じた。
尖閣諸島(沖縄県石垣市)をめぐり、中国が「中華民族の大義」として台湾に対日共闘を呼びかける中、台湾は「中華民国」の法的見解を前面に中台連携を完全否定。今年4月、日台漁業取り決めに調印したが、それを機に悪化しているとされた中台関係の修復も主題だった。
習氏は会談で新政権の対台湾政策の基本方針として「中華民族全体の利益から大局を考えるべき。その核心は祖国の領土と主権を守る」「中華の振興という共通の目標を明確にする」ことなど、4つの提案を示した。
一方呉氏は、「中華民族というアイデンティティーの強化」に言及しつつも、台湾の東アジア地域包括的経済連携(RCEP)への加入を希望し、台湾が国際活動へ参加することへの理解を求め、また文化、芸術、留学などの教育交流推進、金融協力強化など7項目を提案した。
台湾統一を視野に政治対話へと歩みを進めたい中国と、経済的なうまみや国際的地位の向上を狙う台湾側の思惑との温度差が浮き彫りになっていた。
■国民党と共産党の思惑
この8日後に調印された「サービス貿易協定」は、中台間の自由貿易協定に相当する経済協力枠組み協定(ECFA)の後続協議だ。
関税撤廃に続く本格的な経済一体化への歩み寄りで、中国側は電子商取引や出版、運輸、金融、医療、電信、旅行業など80項目、台湾側は金融、医療、電信、社会福祉、美容、旅行業など64項目の開放を決めた。年内発効が期待されている。
だが台湾では出版・印刷をはじめ、旅行業や美容産業などが大きな打撃を受け、「大陸(中国)マネーが押し寄せ中台一体化が進む」との危惧が浮上。最大野党・民主進歩党は「少数の大企業の中国市場進出のために弱い産業を犠牲にした」と指摘し、「協定は事前の議論不足で性急。不透明な密室協定を結んだ」と、馬英九(ばえいきゅう)政権を非難した。
その一方で、開放項目数ではECFAに続いて台湾に有利で「商機が拡大する」とみる台湾の財界人も多い。
これまで製造業が中心だった台湾企業の電子商取引などでの中国進出のチャンスの拡大が期待され、台湾側の海基会では「双方ともに特定の産業が一定程度影響を受けるが、台湾側が受ける衝撃の方が小さい」としている。台湾に利を譲ることで台湾独立への動きにくさびを打ち込みたい中国と、それに便乗して利を得たい台湾の与党の思惑が一致したかっこうだ。
■高いハードルを堅持
今後はさらなる物品貿易や紛争解決の取り決め、租税協力が俎上にあり、また第10回トップ会談では中台双方の窓口機関の出先事務所設置が議題にあがる見通しも浮上している。
しかし、出先事務所については、台湾側は馬英九総統(63)が「領事館ではない」とする一方、民進党は領事館機能を求めており、馬総統も「高度な政治的意味を含む」としており、あくまで中台の政治対話を避けたい台湾側がどのように処理するかが注目されている。
馬総統は7月11日、馬習会談の可能性について困難としつつも「完全に排除するものではない」と語ったが、馬総統はその場合の肩書は国民党主席ではなく「中華民国総統」としてきており、中国にとって受け入れがたい高いハードルを取り去る気配はない。