台湾高鉄、10月にも運賃引き上げへ
台湾高速鉄路の欧晋徳・董事長は21日、早ければ10月、遅くても年内に高速鉄道の運賃を引き上げる考えを示した。台北〜高雄では現在の1490元を1630元とする。葉匡時・交通部長は「9月末までは値上げしない」と発言していた。一方、有力消費者団体が反対するなど値上げ実施には紆余曲折も予想される。
中国人にマルチビザ発給=8月から
内政部移民署の何栄村・副署長は19日、中国人を対象に、8月1日から1年の有効期間内なら何度でも入国できるマルチビザの発給を認める方針を明らかにした。発給は過去1年間に個人で台湾に2回以上入国した旅客に限る。2011年7月の個人観光解禁以降に台湾を訪れた中国人旅客は合計約45万2000人で、うち約1万人が2回訪れている。
鴻海、廉価版iPhoneの受注獲得か
アップルの受託生産メーカーでもある鴻海精密工業が中国・鄭州園区で廉価版iPhoneとiPhone5Sの生産を始めたという。中国のメディアが伝えた。廉価版iPhoneの製造は和碩連合科技(ペガトロン)が主要メーカーとして請け負っていたが、鴻海でも一部の注文を獲得したもようだ。
経済部、工業区土地投資に期限を設定
経済部は近く、財政部や地方自治体と租税負担措置を通じて遊休地や遊休工場の保有コスト引き上げを協議する。工業区における地価高騰を抑制するのが狙い。内政部のまとめによると、ここ半年で工業区の地価上昇率は4.2%に達し、住宅地や商業地の上昇幅を上回っている。(エコノ台湾)
馬総統、国民党主席に再選
国民党の主席を兼務する馬英九総統は20日、無競争で主席に再選された。投票率は4年前の前回を若干上回り、信任度のめやすとなる得票率は91.85%と9割を超えた。馬総統は安堵した様子で「党の団結に感謝する」と挨拶したが、8%以上の無効票は過去最高で、支持率が低迷する政権への警告との見方も出ている。
新北市長、大学生に日本語学習勧める
朱立倫・新北市長は20日、輔仁大学の学生との座談会で、「日本は台湾の最も重要な経済パートナーだ」と述べ、積極的な日本語学習を後押しする考えを示した。座談会では第2外国語が話題となり、大学院で金融と会計を学んだ朱氏は、自身の経験から言えば日本語を推薦したいと提案した。
「下士官突然死の真相究明を」、台北で大規模デモ
義務兵役に就いていた洪仲丘・下士官(24)が謹慎中に突然死したことを受け、民間団体「公民1985行動連盟」が20日、台北でデモ活動を行い、国防部に真相の究明や軍の改革などを求めた。作家で映画監督の九把刀ら約3万人(主催者発表)の参加者が、軍の腐敗や無能を揶揄する軍歌の替え歌を歌いながら、「責任の転嫁をやめ、我々に正義を」「加害者の免職・厳罰を」などと連呼し、台北中心部にある国防部の庁舎周辺を練り歩いた。
無事発見の邦人捜索で交流協会が感謝状
今月初旬、台湾旅行中に行方不明になった日本人男性が3日後に無事発見されたことを受け、交流協会台北事務所は先ごろ、捜索関係者に感謝状を贈り労をねぎらった。今月2日、ツアーで新北市郊外の黄金博物園区を見学中だった日本人男性(78)が行方不明となった。地元の警察と消防、さらにボランティアなどが大規模な捜索を行い、男性は5日昼ごろに現地山間部で無事発見された。(
台湾、中国企業による台湾証券会社への出資上限引き上げ計画=関係筋
台湾の金融監督管理委員会(FSC)は、中国本土企業による台湾証券会社への出資比率上限を、引き上げることを計画している。FSCに近い関係筋が明らかにした。
中国本土の企業は現在、台湾の上場証券会社に最大10%、非上場証券会社に最大15%まで出資することができる。関係筋によると、FSCは、この上限をそれぞれ15%、20%に引き上げる見通し。引き上げの時期は、まだ設定されていない。
台湾で2番目の「尖閣防衛団体」が発足、第1回大会を開催
台湾で2番目の“保釣(尖閣防衛)”団体である「台湾釣魚台光復会」が21日、設立記念大会を兼ねた第1回第1次会員大会を開催した。22日付で海外網が伝えた。
台湾東呉大学の元学長、劉源俊氏が初代理事長に選出された。発起人にはブルー陣営・グリーン陣営を問わず、若者からベテランまで様々な年代が名を連ねているという。このほか、副理事と常務監査役、理事9人が選出された。民進党の中心的人物である張俊宏委員が顧問に就任した。
あいさつに立った劉氏は「19世紀末、日本が釣魚台(日本名:尖閣諸島)を奪って占領し、第二次大戦後、米国が闇取引をして日本が行政権を取得。昨年は国有化もした。中国本土政府の公船のパトロールも頻繁だ。台日は漁業協定を結んでいるが、台湾が釣魚台(尖閣諸島)を奪い返すための助けにはなっていない」と述べた。
少女時代、ワールドツアー台湾公演が大盛況
少女時代は20、21日、台湾台北アリーナで『2013 GIRLS’GENERATION WORLD TOUR−Girls&Peace in TAIPEI』を開催した。多彩なパフォーマンスと華やかな舞台演出が織りなす幻想的な公演で、公演会場をいっぱいにしたおよそ2万2000人の観客を魅了した。
今回の公演で少女時代は『Gee』『GENIE』『Hoot』『Oh!』『The Boys』などのヒット曲メドレーをはじめ、『I Got a Boy』『Dancing Queen』『Express 999』など4枚目のアルバム収録曲を披露する舞台のほか、『PAPARAZZI』『Flower power』など日本のヒットシングル舞台を含む計28曲の多彩な舞台をプレゼントして熱狂的な反応を引き出した。
また観客も少女時代のために特別イベントを準備した。公演初日にはカードセクションでメンバーの名前最初の文字を表しながら「6周年、おめでとう」というスローガンを掲げ、翌日は『Baby Baby』の舞台のときに、観客全員がいっせいに「少女時代だから幸せ」というフレーズのスローガンを掲げるなど、熱い熱気で少女時代メンバーを感動させた。
あわせて公演直前の20日午後5時から行われた記者会見では、単独コンサートで台湾を訪問した少女時代の姿を捉えようと連合報・中国時報・自由時報・TVBS・GTVなど現地メディアが大挙して出席して熱い取材競争を繰り広げ、少女時代に対する熱い関心を改めて実感させた。
一方、台湾公演を盛況裏に終えた少女時代は、今後はアジアはもちろん世界でワールドツアーを続けていく予定だ。
日本の離島管理計画、日中間のさらなる対立の引き金に―香港紙
19日、日本政府はこのほど、離島の保全を図るための政策を打ち出したが、台湾の時事評論家は「軍備拡大競争を招き、東シナ海情勢に大きな変化をもたらす」と指摘する。資料写真。
2013年7月19日、香港紙・信報財経新聞は「日本の離島管理保全計画、日中間のさらなる対立の引き金に」と題した記事を掲載した。環球網が伝えた。
日本政府はこのほど、日本海や東シナ海にある約400の離島の調査を実施し、その管理保全を強化する方針を打ち出した。さらに安倍晋三首相は17日、石垣島と宮古島を相次いで訪問。「わが国の領土・領海・領空を断固として守り抜いていく」との決意を表明した。
台湾の時事評論家・唐湘龍(タン・シャンロン)氏は、安倍首相の行動について、「軍備拡大競争を招き、東シナ海情勢に大きな変化をもたらす」と指摘する。また、21日の参院選を意識したものという見方や、中国とロシアの合同軍事演習に対する牽制との見方もある。
ある軍事情報サイトによると、中国人民解放軍の新型戦闘機は米国のステルス戦闘機よりも優れているという。こうした数々の中国脅威論が各国の軍備増強の「言い訳」に利用されているが、確かに近年における中国海空軍の軍事力は隣国の安全を脅かす存在になっている。
安倍首相は尖閣諸島国有化の時のような状況を引き起こさぬよう慎重になっている。離島管理保全計画は政策再編の一部だ。調査対象となっている離島の所有者の有無や所在を調べ、所有者がいない場合は国有化する。これが日本政府の目的だが、中国がこれに干渉することは不可能。唯一残された道は、中国も同様の離島管理政策を実施し、無人島の主権を争奪することだ。
聯発科、Q3に新ミドルレンジチップ
携帯端末用チップ大手の聯発科技(メディアテック)は、第3四半期中に新たなミドルレンジのクアッドコア(4コア)プロセッサー「MT6582」を発売する。携帯端末チップで世界最大手の米クアルコムが発表したローエンド製品に対抗する。
20日付工商時報が伝えた。MT6582は、英アーム(ARM)のCPUコア「Cortex―A7」を4個搭載し、ファウンドリー(半導体の受託製造)世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の最先端の28ナノメートル製造プロセスを採用。第3世代(3G)移動通信規格「W―CDMA」や中国独自の3G規格「TD―SCDMA」に対応しており、業界では同社初のクアッドコアプロセッサー「MT6589」の上位製品になるとみられている。
聯発科は中国のノーブランドのスマートフォンやタブレット端末市場を得意とするが、クアルコムがローエンドの「スナップドラゴン200」の新製品を打ち出したことで、競合の激化が予想されている。聯発科はミドルレンジのMT6582のほか、ハイエンドのオクタコア(8コア)プロセッサー「MT6592」などの新製品でクアルコムを迎え撃つ。オクタコアチップは今年第4四半期にも量産を始め、来年の春節(旧正月)シーズンの需要期をにらんで発売するとみられている。
IOCの台湾理事「東京オリンピック実現なら平和のメッセージ」
国際オリンピック委員会(IOC)で理事をつとめる台湾の呉経国氏(66)は先ごろ中央社などと懇談し、IOC会長選挙への決意を語るとともに、東京が招致を目指している2020年のオリンピックについて「実現すれば、世界に平和のメッセージを送ることができる」とその意義を語った。
国際ボクシング協会(AIBA)会長でもある呉氏は、中国大陸・四川省生まれ、台湾育ち。1988年からIOC委員をつとめ、2012年には台湾から初のIOC理事に選ばれた。現在のロゲ会長の後任を選ぶ9月の会長選挙に立候補しており、スイス・ローザンヌで4日行われた公約発表会では、オリンピックの精神を国際社会の福祉や教育などに活かし、貧困や暴力の根絶、環境問題への取り組みに力を入れて行くとアピールした。
次期会長には呉氏のほか、ドイツ、シンガポール、スイス、プエルトリコ、ウクライナから5人が名乗りを上げている。
台湾の国会議長 「自民勝利は台湾にとっても有利」
立法委員(国会議員)らとともに復興状況視察などのため日本を訪れている台湾の王金平立法院長(国会議長)は21日、参院選の開票が行われる中、被災地の一つ、岩手県で行われた晩餐会の席上、与党・自民党の勝利で安倍政権が安定すれば日本との間で経済連携協定(EPA)や投資保護協定について話を進めるのにも有利に働くと述べた。
王氏らはこの日午前、国民党・民進党・台聯各党の立法委員12名とともに日本に到着、新幹線で岩手入りした。22日には達増拓也・岩手県知事と会談したあと、もう一つの被災地である宮城県を訪れ、女川原発を視察、24日には東京に戻り、古屋圭司・拉致問題兼防災担当相、平沼赳夫・日華議員懇談会会長(衆議院議員)と会談するほか、自民党幹部との交流も予定されている。一行は25日に帰国する。
シャープへの届かぬ“想い”、鴻海の本音
EMS(電子機器の受託製造サービス)世界最大手、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業が今年5月、ディスプレーの研究開発(R&D)を手掛ける拠点として大阪に子会社を設立した。社名は「フォックスコン日本技研」。社長にはシャープで液晶生産技術開発本部長などを務めた矢野耕三氏、副社長には日立製作所出身の後藤順氏が就いた。今後、ディスプレーの日本人技術者を採用していく方針だ。
鴻海といえば、2012年3月にシャープと資本業務提携で合意。その後、シャープ子会社の堺工場に出資したが、株式取得価格などが折り合わず、シャープ本体への出資交渉は停滞したままだ。鴻海は傘下に台湾イノラックスを抱え、ディスプレー事業を手掛けるが、汎用品向けパネルが中心。フォックスコン日本法人設立により、高付加価値品も自社で内製化することで、シャープとの協同路線から独立路線へ舵を切るとの見方もある。そうなれば、シャープなど日本のディスプレーメーカーのライバルになるとも一部では指摘される。
フォックスコン日本法人設立の狙いは何か。改めて矢野社長、後藤副社長に聞いた。
■ 大きな目的はサムスンに勝つこと
――フォックスコン日本技研を設立した経緯について教えてください。
矢野 そもそも、われわれの親会社である鴻海の大きな目的は、韓国サムスン電子に勝つことです。その目的に向けて、設備や材料で世界的な競争力がある日本メーカーとひざを突き合わせ、新しい製品を一緒に開発していきたい。ここを設立したのは、その橋頭堡とするためです。
主に開発するのはディスプレーです。ただし、そのための人材獲得もしますが、それがメインの目的ではありません。重視しているのは、材料メーカーや設備メーカーとの共同開発です。それに付随して人材獲得もしていきます。
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――シャープとの協同路線から独立路線に舵を切ったという見方もあります。
矢野 確かに、シャープとの資本提携交渉がスムーズに進んでいたら、今回の日本法人設立の話はなかったかもしれません。仮に交渉がうまくいかなかったときに、補完する意味合いはあります。
ただし、ディスプレー事業の内製化は、従来からの鴻海の方針です。鴻海はもともと、部品を外部から調達して組み立て、製品に仕上げることで成長してきました。ただし、成長にしたがって、部品をどんどん内製化してきたのです。鴻海のコスト競争力の源泉は、そうした部品の内製化にあります。
今、内製化できていない唯一の大きな部品がディスプレーです。フォックスコンに本技研を設立することで、今後、傘下の台湾イノラックスの製品も含め、自社製品のラインナップを増やしていこうということです。
――単独でディスプレー事業を手掛ければ、日本メーカーとは競合しませんか。
後藤 それはありません。というのも、日本企業は多くの分野で、すでに鴻海に製造委託しており、大きな枠組みでは鴻海のパートナーだからです。ディスプレーの日本メーカーには、ジャパンディスプレイ、パナソニック、シャープがいますが、そうした企業とはまず競合しません。たとえば携帯電話でいうと、われわれはODM(設計・製造の外部委託)を手掛けていますが、ほぼ中国やインドの企業向けです。それに比べ、日本企業は最先端のパネルに特化しています。市場が棲み分けられているのです。
■ 「シャープとバッティング、まずありえない」
――ただし、鴻海がアップル向けのディスプレーも手掛ければ、シャープの仕事を奪うことになりませんか。
後藤 そもそもアップルは1社のみからの購買はしません。基本は3カ国の企業からの購買です。したがって鴻海がアップルからディスプレーの仕事を請け負うようになっても、製造は台湾で行うため、仕事が減るのは台湾企業です。シャープとバッティングすることは、まずありません。
――そうなると今後、シャープとの資本提携交渉はどうなりますか。
矢野 私はまとまる可能性は、まだ残っていると思います。というのも、シャープと鴻海のこれからの成長戦略を考えたとき、2社が組むのが自然な流れだからです。シャープの事業で今後伸びる可能性があるのは、白物家電や複写機でしょう。いずれも新興国市場の攻略が不可欠です。鴻海の生産力や、部品の提供力を考えれば、その場面で十分に貢献できます。
鴻海にしても、自社のパネル工場は、イノラックスの工場以外に一つしかありません。イノラックスは汎用品向けのパネルが中心であるため、シャープの亀山工場のパネルを使えると、互いにとっていいことです。
――では、なぜ資本提携交渉はまとまらないのでしょうか。
矢野 やはり、お互いの文化のすれ違いが大きいのでしょう。特にシャープ側が台湾資本を入れることに、警戒が強いのかもしれません。本来は経営陣が社員に根回しして、誤解を解かなければいけませんが、そこが十分ではなかったのかもしれません。
■ シャープ出資の狙いは日本企業への愛着
――そもそも鴻海はなぜ、シャープに出資しようとしたのですか。狙いはシャープの技術なのですか。
後藤 そこは、根本的に誤解があります。今、冷静に考えて、ディスプレーはお金が儲かる事業ではありません。それなのに、なぜ鴻海がシャープと組もうとしたのか。もちろん、ディスプレー事業を手に入れたいというビジネスの目的もありますが、いちばんの理由は日本企業への愛着なんです。
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実際、郭台銘薫事長はシャープとの交渉中、社員に心構えとして言っていたのが、「共存共栄」という言葉でした。「われわれは仲間で、どちらかが上とか下ではない。日本は先生でおまえたちは生徒だ。謙虚な気持ちで交渉に当たれ」。そう社員に諭したんです。それがいちばんの心です。昨年秋も、鴻海は苦境に陥ったシャープを助けようと、実はアップル向けのシャープ部品の使用比率を上げたりしています。実は裏で手を回して助けていたのです。台湾人は、歴史的に日本人への愛着が大きいのです。東日本大震災のときの義捐金の大きさを見ても、それは分かります。
だから鴻海はあくまで、シャープの自主性を尊重するというスタンスです。鴻海はそもそも、これまでM&Aをした企業で、社長を派遣したことはありません。経営はその会社に任せ、部品調達やコスト低減を手伝うのです。堺工場もそのやり方です。出資したから、取締役に人を入れるとかはしないし、そもそもそんな人材もいません。
■ 「交渉の矢面には立たないが、サポートはする」
――では矢野さんが社長に選ばれた理由は何でしょうか。
矢野 私はシャープにいたとき、1999年から2003年まで台湾で液晶新工場を立ち上げる仕事をしました。今回、私が社長に選ばれたのは、台湾で一緒に仕事した人が鴻海にいて、シャープの人間だから、架け橋になると思ってくれたのかもしれません。今後、交渉の矢面に立つつもりはありませんが、うまくいかない場合、サポートはするつもりです。
――シャープは、鴻海の宿敵であるサムスンと資本提携をしています。
矢野 今はサムスン向けの生産が多いから、シャープもサムスンは外せないでしょう。だから鴻海としても、資本提携したのはこちらが先なのにと、心外な部分もあると思います。ただし、今さらシャープがサムスンとの資本提携を解消できないので、今後は出資比率をサムスンと同じか、少し上くらいにして、鴻海向けのパネルを作るというのも、考えられる流れかもしれません。