日本の震災バイオリン、台湾・高雄で優美な音色披露 観客の心癒やす
台湾南部の高雄市で7日、東日本大震災で発生した津波の流木で作られたバイオリンの演奏交流会が行われ、その美しい音色とメロディーに来場者らが酔いしれた。同市の陳菊市長はこのバイオリンを通じて平和を愛する台日の共通理念を伝えたいとしている。
同バイオリンは日本の震災バイオリン製作者、中澤宗幸さんが陸前高田市(岩手県)の流木松を用いて作ったもの。台湾では今年2月初旬に高雄市の小学生によって初めて演奏され、昨年夏に現地で起きた大規模なガス爆発事故などで大きな被害を受けた市民らを癒した。
今回も被災者らの心を慰め祝福を送ろうとこの日の演奏会では、中澤さんの夫人でバイオリニストのきみ子さんが独奏。地元の小・中学生らも聞き手の心が動く演奏を披露し、台湾と日本の人々の心の距離を近づけた。
同イベントは10年間で各国のバイオリニスト1000人がリレーして演奏する「千の音色でつなぐ絆」プロジェクトの一環として実施。地震がもたらす被害の記憶が時間の経過とともに風化することを食い止めたい中澤氏の思いが込められている。
日本人兄弟、再訪かなわなかった母に代わって思い出の地めぐり
今年で戦後70年。日本人兄弟が今月2日から6日まで、昨年亡くなった母親が少女時代を送った台湾を訪れ、残された8500文字の手記を頼りに当時通った小学校など思い出の地をめぐった。
訪台したのは米内山幸孝さんと昌孝さん兄弟。2人は、昨年5月に87歳で亡くなった母、大江和子さんの遺品を整理していた際、和子さんが18~20歳頃に書きとめたとみられる手記を見つけ、台湾に寄せる特別な思いを知った。
米ニューヨークで生まれた和子さんは、台湾銀行(当時)の支店長に任命された父親に連れられ、2歳未満の時に日本統治時代の台湾に移住。手記には新竹と台南の学校で学び、14歳になった1940年7月まで滞在した10年余りの思い出が書き綴られていた。
戦後再訪がかなわなかった和子さんに代わって渡台した米内山さん兄弟は、台南市内の永福小(旧南門尋常小学校)と国立台南女子高(旧台南第一高等女学校)など和子さんの母校を訪問。当時の通知表もみつかった。
台南女子高では手記を中国語に翻訳。関係者は昭和時代の台湾の環境や物産品、学校生活、考査制度などが分かる貴重な資料として校内の資料館に保管するとしている。また、2017年に創立100周年を迎える同校が米内山さんらに記念式典への参加を打診したところ、快諾したという。
三井アウトレット、テナント契約90%、9月末開幕
三井不動産と遠雄建設(Farglory Group)が建設中の「三井林口アウトレットパーク」(新北市林口区)は現在、入居予定数200店のうち90%が契約済みで、9月末の開幕時には開店率95%に達する見込みだ。売場総面積は4万2500坪、台湾初進出の日本の飲食店10店を含むレストランの総席数は600席、駐車場は2000台収容可能で、台湾北部で最大のアウトレットモールとなる。
一年目の売上目標は60億元としている。三井不動産は、台湾でさらに2~3店舗の出店を検討しており、台中や台南を候補地に挙げている。
テレサ・テン逝去20年 「日本の父」舟木稔さんが当時振り返る
アジア全土で愛された歌姫、テレサ・テンが亡くなってから8日で20年になる。テレサを日本デビューさせ、「日本のお父さん」と言われた舟木稔さんは先日、中央社のインタビューに対し、慈善活動に熱心だったテレサがまだ存命なら、東日本大震災後の復興に力を注いでいたに違いない、と故人に思いをはせた。
8日にテレサの眠る金宝山墓地(新北市)で行われる逝去20年の記念式典に参加するため、7日から台湾を訪れている舟木さん。本来は日本最後のコンサートが行われた仙台市で記念公演を開かれることを望んでいたと明かした。
きょうからちょうど20年前、タイのチェンマイで喘息発作のため42歳の若さで息を引き取ったテレサ。舟木さんは、逝去の1週間前に電話で会話したことを今でも覚えており、その後も新曲について話し合うつもりでいたという。
そして、1995年5月8日の午後7時半ごろ(日本時間)、連絡が取れないことを心配した舟木さんはテレサの母親に電話をかけ、言葉を交わしている。そのほぼ同時刻にテレサがこの世を去っていたのを知るのは後のことだった。
台湾のお母さんの希望は「子供と食事」(母の日)
母の日に関する調査結果が発表され、半数以上の母親は、母の日に子供たちと一緒に食事をしたいと考えていることがわかった。
5月10日は母の日。草の根影響力文教基金会は7日、母の日のお祝いの仕方に関する調査結果を明らかにした。
20歳以上の母親1090人を対象にしたこの調査結果によると、子女がこれまで母の日にどのようなお祝いをしたかについては、「一緒に食事する」が最も多く67.1%、二番目が「プレゼントを贈る」で26%、「SNSなどで連絡をする」が12.3%だった。
一方、母親側が、今年の母の日にどのようなお祝いをしてもらいたいかについては、「子供たちと一緒に食事がしたい」が57.7%で圧倒的にトップとなった。2番めは「レジャー、旅行」だったが10%に留まり、「SNSなどで連絡をする」はわずか2.9%だった。
台北市にある私立実践大学の林慧芬・教授は、この調査からは、技術がいくら進んでも、母親たちは特別な日には子供たちの顔を見て、一緒に食事をしたいと願っていることがうかがえると指摘した。
草の根影響力文教基金会は、「調査によると、およそ半数の母親はSNSのラインやフェイスブックを使っていない。そしてそのうち4割の母親は使う必要もないと考えている。このことから、多くの母親は実際に子供たちと会ったり、電話でやりとりをしていることが伺える」と指摘している。
台湾、伝統芸能保持者ら6人を“人間国宝”に認定へ
文化部は23日、今年新たに選ばれた“人間国宝”(重要伝統芸術及び文化資産保存技術保持者)の認定式を開催する。7日には台北市内で関連の記者会見が開かれ、内定者の邱火栄さんらによって伝統芸能「北管」の楽曲などが披露された。
認定を受けるのは「北管」の音楽や演技を継承する邱さんと潘玉嬌さん、切り絵師の李煥章さん、木彫師の葉経義さん、寺廟など伝統的な木造建築の技術を持つ許漢珍さん、廖枝徳さんの6人。
葉さんは、世界文化遺産に登録された沖縄・首里城の玉座の修復に携わるなど、日本と深い縁を持っている。
式典が行われる台中文化創意産業園区(台中市)では22日から7月26日まで、6人の作品などを展示する特別展が開催予定。古くから伝わる伝統の技に触れられる。
敦南科技、センサー子会社株を独大手などに売却[IT]
ディスクリート半導体などの設計・製造を手掛ける敦南科技(ライト・オン・セミコンダクター)は6日、100%出資子会社で光学センサーIC設計の敦宏科技(ダイナ・イメージ)の株式40%を、半導体大手の独ダイアログ・セミコンダクターに売却すると発表した。株式はこのほか、EMS(電子機器の受託製造サービス)世界最大手の鴻海精密工業傘下のIC封止企業、訊芯科技にも譲渡する予定。取引後はダイアログ・セミコンダクターが敦宏科技の筆頭株主となる。
同日に開いた董事会(取締役会)で決定した。敦南科技は、各社のセンサーIC事業の経営資源と、スマートフォンやウエアラブル端末向けに対応した封止技術を統合することで、今後の拡大が見込まれるモノのインターネット(IoT)市場の商機を狙うとしている。
経済日報などによると、株式の売却は6月に完了する見込み。訊芯科技には、敦宏科技の株式15%以上を売却するという。敦宏科技株の売却額は総額1億台湾元(約3億9,000万円)を上回るとみられている。
海巡署、中国大陸の違法砂利採取船根絶目指す
金門県田埔の海域では行政院海岸巡防署(海巡署)が4月、越境及び違法な海砂利の採取を行っていた中国大陸の砂利採取船を拿捕。8人を逮捕した。
行政院海岸巡防署(海巡署)が、中国大陸の船舶の違法な海砂利採取根絶を目指している。
行政院海岸巡防署の王崇儀・署長は5日、離島の金門島で、中国大陸の船舶による越境及び違法な海砂利の採取の状況について視察した。
王・署長は金門島周囲の海域を周り、実際に中国大陸の船舶の越境及び違法な海砂利の採取の状況を視察。5日は砂利の採取、あるいは金門の禁止及び制限水域への立ち入りは見られず、王・署長は、関係者の取り締まりの成果と評価した。
王・署長はまた、違法に砂利を採取した中国大陸の船舶が中国大陸の水域に逃げこんだ場合は証拠資料を金門県政府から中国大陸側に郵送するようにし、中国大陸側と共同での、有効的な管理を目指す考えを示した。
なお、この問題については、中華民国政府で対中国大陸政策を担当する行政院大陸委員会の夏立言・主任委員が、今月中にも開催される予定の台湾海峡両岸双方の対対岸業務担当者の会合の中で、中国大陸側と話し合いたいと希望している。
離ればなれになっていた仏像の首と体、台湾でまもなく「再会」へ
2015年5月6日、台湾の高雄仏光山から中国本土に寄贈される北斉(550年-577年)の漢白玉釈迦牟尼仏像の首を迎えるために今月5日、従来河北博物院曲陽石彫展に展示されていた北斉の漢白玉釈迦牟尼仏像の体は、北京で台湾の高雄に輸送される準備が進められた。5月下旬に仏光山で行われる「河北省仏教文物展」で展示される。新華網が伝えた。
2014年年初、ある仏教信者が北斉の漢白玉釈迦牟尼仏像の首を仏光山に寄贈した。仏光山の星雲大師によると、この仏像の首は北斉天保7年(西暦556年)に作られた釈迦牟尼仏像の首であり、河北省幽居寺塔に祀られていた三尊仏像の一つで、1996年に盗まれたものだという。大師は各方面を通じて国家文物局に連絡し、仏像の首を中国本土の河北博物院へ寄贈することを願った。
国によって意味の異なる「微笑み」 香港人は無表情、日本人は作り笑い
台湾・中国時報電子版は7日、国や地域の文化、歴史によって「微笑み」が持つ意味合いが異なり、日本では「他人への失望を隠すためのもの」としてさえ微笑みが用いられるとする、英紙・デイリーメールの6日付報道を伝えた。
微笑みはさまざまな感情を伝えるが、最新の研究ではさらに、微笑みによってその人がどこの国から来たかが分かると指摘されている。これは、米ウィスコンシン大学マディソン校と英カーディフ大学の心理学者による共同研究で示されたものだ。
例えば、米国人は中国人やロシア人よりも笑うことが多いという。また、日本人が微笑むのは往々にして相手に敬意を払う場合だが、相手に対する失望を隠す場合さえあるのだとか。
心理学者らは、歴史的に移民が頻繁に行われた国では顔で表情を示して相手に真意を伝える傾向が強いことを発見。米国やカナダのような、この500年で盛んに移民が行われてきた国では微笑みが友好や喜びを示すという。言語や文化が雑多になることで生じるコミュニケーション問題について、微笑みで克服するとのことだ。
一方、単一に近い民族の社会では微笑みの意味は複雑となり、尊敬や卑下を示すようになる。日本がその最たる例だ。
この研究では32カ国の5000人を対象とした実験が行われ、異なるシーンにおける情緒的反応について調査した。研究成果は米国科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載されている。
なお、研究によって最も無表情とされたのは香港人で、以下インドネシア人、バングラデシュ人、ロシア人、スイス人が続いた。