桃園の警察官、番組企画で台湾縦断中の日本人に自腹で宿を提供
北部・桃園市で19日深夜、地元の警察官が九州朝日放送(KBC、福岡市)の番組企画で台湾最南端の墾丁から台北まで徒歩の旅を続けている日本人男性を、自費でモーテルに宿泊させるというエピソードがあった。
企画は日本プロ野球のソフトバンクホークスが勝つと支給される750台湾元(約3000円)で旅費をまかない、番組とホークスのコラボが行われる6月14日までに福岡ヤフオクドームにたどり着くというもの。
この日本人男性と番組ディレクターはその日、台湾鉄道埔心駅前の派出所を訪れ、所内に宿泊できないか尋ねたという。同所の方正宗所長は疲労困憊の2人を見かね、即座に1000元(約4000円)を提供して近くのモーテルに案内。事情を知ったモーテルの関係者も宿泊費用を半額にするなどして2人を歓迎した。
警察官の厚意に感動した男性は翌20日、番組のフェイスブックページに感謝の言葉をつづっている。その後、男性らは22日に台北入りし、日本帰国までの間、同地でホークスと旅のPRを行いたいとしている。
台湾の会社員、ナイトマーケットで最も好きなグルメは「臭豆腐」
求職サイト大手、1111人力銀行が21日発表したナイトマーケットでの消費に関する調査で、台湾の会社員が最も好きな屋台グルメは、独特なにおいが特徴の「臭豆腐」だと分かった。人気メニューの上位には伝統的な大衆グルメが多くランクインしている。
2位以下は順に「鶏の空揚げ」(鶏排・鹹酥鶏)、「牡蠣オムレツ」([虫可]仔煎)。お気に入りのスイーツや飲み物では、「パパイヤミルク」、「タピオカミルクティー」、「トウファ(豆花)」がトップ3に入った。
同社の李大華・副総経理(副社長)は、人気グルメの多くは自分で作るのに手間がかかる料理だと指摘。台湾の会社員は自炊を好まないため、ナイトマーケットでこれらを食していると分析した。
また、一年以内にナイトマーケットに行ったことがあると回答した人は98.6%に上った。年間訪問回数の平均は16回。1回あたりの平均消費額は510台湾元(約2024円)で、46%が300元(約1191円)以内、約10%が1000元(約3972円)以上だと答えた。
ナイトマーケットに行く主な目的については、「外食・空腹を満たす」が55.5%でトップ。次いで順に「目当てのメニューを食べる」(46.7%)、「ショッピング」(45.8%)、「リラックス」(35.7%)となった。
調査は2015年5月6日から19日まで会社員を対象にインターネットを使ったアンケート形式で行われた。有効回答数は1108件だった。
中国大陸出身の作家、抗日戦争がなければ「台湾は今も日本の植民地」
台北市内の世新大学で22日、抗日戦争(日中戦争)勝利70年記念イベントが行われた。出席した作家で文学者の斉邦媛氏(91)が戦時中の中国大陸で過ごした自身の少女時代を振り返るとともに、あの戦争がなければ「台湾は今も日本の植民地だ」などと述べ、戦勝の歴史的な意義を強調した。
中華民国陸軍中将の故・李弥(1902~1973)など、抗日戦争で活躍するも、国民党が中国共産党との内戦に敗れたことで、台湾で失意のうちに亡くなった人々についても言及。「ついてない人の物語こそ面白い」として、歴史家や文学者はもっと取り上げてあげるべきだと語った。
斉氏は1924(大正13)年、中国大陸・遼寧省で生まれた。青春期は抗日戦争、国共内戦のため、大陸各地を転々とし、1947年に台湾に渡った。1969年からは中興大学(台中市)などで教鞭を執りながら、台湾文学を海外に紹介する活動を続けてきた。戦争の日々などをつづった半生記「巨流河」(2009年)は、10万部以上を売り上げるベストセラーになっている。
台湾と中国大陸の閣僚級会談、支持派と反対派が衝突 けが人や逮捕者も
金門島で23日に開催された、台湾の対中国大陸政策を担当する大陸委員会の夏立言主任委員と中国大陸・国務院台湾事務弁公室の張志軍主任(閣僚級)の会談をめぐって同日午後、反対派と支持派の間で衝突が起き、5人がけがを負う事件があった。
事件が起きた金門島のフェリーターミナルには当時、張氏の到着に合わせて、支持派と反対派が集まり対峙していた。張氏がターミナルを離れる際、反対派が発煙弾を投げたのをきっかけに、支持派の男が反対派のメンバーに殴りかかり、現場は一時騒然となった。
男は警備に当たっていた警察によりその場で現行犯逮捕されたほか、他にも3人に暴行を行った疑いがかけられており、現在捜査が行われている。
張氏は昨年6月末に南部・高雄市で非公式の閣僚級会談に出席した際にも、乗っていたワゴン車にペンキを投げつけられるなど激しい抗議に遭っていた。
屏東県長、“関西の台所”でマンゴーなどをアピール
南部・屏東県の潘孟安県長が関西地区の食品市場の開拓のために21日から大阪を訪問し、同県産のパイナップル、マンゴー、バナナなどをアピールしている。22日に“関西の台所”である大阪市中央卸売市場本場で行われたPRイベントには、1000人近い市場関係者が参加し、NHKが取材に駆けつけるなど高い注目を集めた。
イベントでは、潘氏自らがパイナップルのカットや、マンゴーなどを載せたワッフル作りを披露したほか、有機農法で作られたコーヒーなども振る舞われた。
23日には市内のスーパーで販売イベントを実施。潘氏も試食販売員に扮して日本の消費者に直接屏東の食品を売り込んだ。
台北ドーム、一部で工事再開 隣接する地下鉄の安全性に配慮
図面と工事の内容が異なっているなどの理由で建設が21日から全面停止されていた台北巨蛋(台北ドーム)の工事が23日午前、部分的に再開された。再開が認められたのは、安全性に懸念が出ていた台北メトロ(MRT)板南線が通るトンネルに近い南側の基礎工事で、今後24時間体制で行われる予定。
板南線のトンネルでは、先月末までに変形やひび割れが見つかっており、安全を確保するためにはできるだけ早くドームの基礎工事を完了させる必要があると指摘されていた。22日には、建設を担当する遠雄グループと台北市政府で話し合いが行われ、再開が決まった。
遠雄は「安全は保証できない」として南側だけでなく基礎工事全体の再開を求めている。一方、市政府側はその他の部分の工事については、25日午後に再度協議を行うとしている。
「鳳凰城」の復活目指せ 台湾・台南でホウオウボク植樹推進へ
かつて街路樹としてホウオウボクが多く植えられ、美しい風景を織り成していたことから、「鳳凰城」との異名を持っていた南部・台南で21日、その美しい名前を取り戻そうと、台南市鳳凰花会が設立された。植樹を推進する同会は、市内の公園や学校、道路脇に同木を優先的に植えていくよう訴えかけた。
同会を設立したのは、ホウオウボクを“市の花”にしようとする活動を行う団体のメンバー。同市では昨年12月、ホウオウボクが市の木に指定されたが、市の花にはコチョウランが選ばれていた。
同会によると、同市には1895年から始まった日本統治時代前から同木が生息し、1896年から98年にかけて大量に植樹されていたという。
観光地・平渓エリアで小旅行ツアー開催 地元の新鮮食材味わう
新北市の人気観光地、平渓周辺で付近の観光スポットや地元農家とのふれあいを楽しみ、新鮮な食材を味わえるツアー「平双渓小旅」が、6月から開催される。ツアーを主催する新北市政府観光旅遊局は、食の安全への関心が高まる中、農家との交流を通じて消費者の食への理解向上をねらう。
同局は昨年にも周辺の観光地を巡る同様の企画を実施し、好評を得ていた。ツアーは「プチトリップ」をコンセプトに、参加者がゆったりと気軽に体験でき、少しでも多くの知識を得られることを目的としている。
今年は十分の滝や台湾鉄道嶺脚駅、菁桐天灯派出所などの特色あるスポットに加え、双渓ファーマーズマーケット(農夫市集)が初めて訪問地に加わった。同マーケットは有機食材や小規模農家が栽培した農産物の販売を特色としており、参加者は野菜生産の過程や旬の食べ物の収穫について農家から直接学べる。その後は農園で手作り体験をし、大自然と触れ合うほか、地元食材を使用したグルメも味わえる。
同ツアーは6月2日から毎週火~木曜に2、3回開催される。参加者は合計2000人限定で、6月と7月分のツアーは22日正午から申し込み受付が開始されたにも関わらず、すでに定員に達している。参加費は1人499台湾元(約1980円)。
<中台公式会談>「中国人の台湾経由での出国」年内に可能に
中国の対台湾政策を主管する張志軍(ちょう・しぐん)・国務院(政府)台湾事務弁公室主任(閣僚級)が23日、中国大陸に近い台湾の金門島を訪れ、台湾の対中国政策を主管する行政院(政府)大陸委員会の夏立言(か・りつげん)主任委員(閣僚)との公式会談を開催した。中台主管官庁トップの公式会談は昨年2月に始まり、今回で3回目。
来年1月の台湾の総統選では独立志向が強い野党・民進党の政権奪還が現実味を増し、中国は強く警戒する。国共内戦の激戦地だった金門島で会談することで中台の対話ムードを高め、双方の警戒感を払拭(ふっしょく)させるのが狙いとみられる。
会談では、台湾側が求めていた、中国人客が台湾で航空便を乗り換えて第三国に出国することを年内に可能にすることで合意。中国人が欧米などに行く際、韓国や日本などを経由するケースが多いとされ、台湾経由が可能になれば新たな商機につながると期待される。会談は2月の予定だったが、中国が台湾海峡上空に新設した民間航空路線に台湾が反発した影響などで延期された。
張氏が到着した港では、会談の反対派と賛成派が衝突し、5人が負傷し1人が逮捕された。
台湾の日本産食品輸入規制強化 7月にも解除へ
台湾が日本産の食品の輸入の規制を強化した問題で、早ければ7月にも強化措置が解除されることが分かりました。
台湾では、輸入を停止している福島県産の食品などが不正に流通していたことが発覚し、今月15日から日本産のすべての食品に産地証明書の添付を義務付けるなど規制を強化しました。台湾当局の関係者によりますと、台湾と日本の共同チームによる調査が順調に進んでいて、早ければ7月にも規制強化は解除される見通しだということです。.