中国広東省から日本の高齢者に詐欺の電話をかけていた日本人グループが仲間割れを起こして1人を死なせた事件があり、同省珠海市の中級人民法院(地裁に相当)は29日、傷害致死と詐欺未遂の罪に問われた5人の日本人に対し、無期懲役から懲役3年3カ月などとする実刑判決を言い渡した。
日本側との連絡役で、いずれの罪でも主導的な役割を果たした佐藤剛被告(27)を無期懲役と罰金2万元(約40万円)、24~41歳の3人は懲役3年5カ月と同5千元(約10万円)、脅迫されて暴力に加わった28歳の1人は同3年3カ月と同5千元とした。
法院は「犯行における役割や社会に与えた被害の程度などを考慮した」と理由を述べた。
判決によると、5人は2013年5~6月、珠海市内から日本にいる約500人の高齢者に電話し、銀行員や警察官を装ってだまそうとした。5人が仲間割れから日本人の20代の男性を殴るなどして死なせたため、事件が発覚した。詐欺について5人は「300万~400万円をだまし取った」と認めたが、中国側で被害が確認できなかったため、罪名は詐欺未遂となった。