老朽化のため改築中の旭川刑務所(北海道旭川市、総定員約400人)が全国で初めて、複数の受刑者を収容する雑居房を廃止して、全てベッド付きの独居房(個室)となることになった。
受刑者間のトラブルや犯罪情報のやり取りの防止、高齢者対策などが狙いで、札幌矯正管区は「更生に必要な環境づくり」と意義を強調している。一方、犯罪被害者の中には「厚遇は納得できない」などの声もある。
◆16年までに完成予定
同管区によると、現在の旭川刑務所は築約50年。主に殺人などで刑期が10年以上の受刑者を、雑居房または独居房で収容している。
2011年から建て替えを進めており、16年までに総定員約500人の新施設が完成する予定だ。全て約7平方メートルの独居房で、室内には木製のベッドやテレビがあり、暖房も完備されている。
現在の施設は和室だが、ベッドにかえるのは、受刑者が布団を上げ下げする負担をなくすため。今年3月末現在、同刑務所の受刑者264人のうち21人が70歳以上で、高齢受刑者に配慮した結果だという。