素屋根がスライドし、約6年ぶりに姿を現した阿弥陀堂(左)。右は御影堂(京都市下京区・東本願寺) 東本願寺(真宗大谷派本山、京都市下京区)で、修復中の阿弥陀(あみだ)堂が2009年以来、約6年ぶりに姿を現した。今年4月から、約1300トンの巨大な工事用の素屋根をスライドさせながら順次解体、現在は半分程度が見える。7月末までに素屋根が全て撤去されると、約10年ぶりに御影(ごえい)堂と阿弥陀堂が並び立つ。
素屋根は南北71メートル、東西79メートル、高さ51メートル。05年、北隣の世界最大級の木造建築物、御影堂を修復するために造られた。約8億円の経費削減と環境への配慮から、阿弥陀堂の修復にも御影堂からスライドさせて再利用。阿弥陀堂(南北52メートル、東西47メートル、高さ29メートル)をすっぽりと覆っていた。
素屋根の解体は9回に分けて行う。今後、内部の漆塗りや畳約400枚の入れ替え、外構工事を終えて、来年3月31日に本尊・阿弥陀如来立像を阿弥陀堂に戻す儀式が営まれる。