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高倉健の養女と“たかじん妻さくら夫人”の違い…遺産相続してもバッシングされない理由

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 大スターの遺産を相続した女性のマスコミにおける扱いの違いはどこにあるのか。

 2014年1月、歌手でタレントのやしきたかじん(享年64)さんが亡くなった。たかじんさんが亡くなってから、一時は未亡人のさくらさん(33)の献身的な看病が話題となり、その美談をまとめた『殉愛』(幻冬舎)がベストセラーになった。しかし、さくら夫人の本性が関係者の証言で明らかになり、『殉愛の真実』(宝島社)が発売されるや、世論は一気にさくら夫人へのバッシングに切り替わった。

 その背景をある在阪準キー局社員(50代)は次のように語る。

「たかじんさんは後輩の面倒見がよく、多くの人から慕われていた。しかし晩年は、『たかじんのそこまで言って委員会』(読売テレビ)にみられるように、政治を語ったり、橋下徹さんを大阪府知事選出馬に後押ししたりと、敵も多かったのも事実。亡くなったあとは、作家の百田尚樹さんが書いた『殉愛』の発刊も大きなポイントになった。これがもしさくら未亡人の手で直接書かれたものなら、また読者の反応も違っていたかもしれない。どういう内容でもそれは“未亡人ご自身の手記”だから。しかし作家の百田さんが書いたとなると、今、注目されている作家だけに、人はあれこれいう。そこじゃないのかな。高倉健さんとたかじんさんの違いは」

映画スタッフや芸能関係者から好かれる養女
 一方、2014年11月亡くなった俳優、高倉健さん(享年83)には養女がいたことが発覚、約40億円といわれる遺産全額を、この養女が相続したとの報道が伝えられた際、養女へのバッシングが巻き起こるかにみえた。

 しかし実際は、さくら未亡人の時ほどのバッシングの声は聞こえてこない。これについて高倉健さんと一緒に仕事をしたことがあるという映画関係者はこう語った。

「まず健さんのお人柄。これに尽きる。他人への気配り、下積みの人への気遣いは半端ではなかった。共演する若手俳優さんの家に突然やって来て、『ご挨拶です』と時計を渡したりね。ADにも直筆の手紙書いて送って励ましたり。政治にも興味はあった筈だよ。でもそれを語ることはなかった。養女といわれる元女優さん、この人も控えめで気遣いのできる人だった。周囲では家政婦と思われていたというし。健さんの養女らしい振る舞いだね」

 高倉健さんの養女とは、元女優の貴倉良子さん(51)だ。80年代には女優として活躍。90年代にはPC番組のキャスターや、ライターとしても活動。ホテル関係の著作が何冊かある。ホテルや旅行関連のTV番組のプロデュースも手掛けていたことで知られる。

 かつて貴倉さんと面識があったという在京キー局の元社員が語る。

「私が貴倉良子さんと会ったのはもう20年くらい前の話。でも今でも鮮明に覚えている。映画で作られた『高倉健』のイメージ、それを女性にしたらこんな人なのだろうなという。決して前に出ることなく控えめで、ADとか若い人にも丁寧に声掛けたり。とにかく腰の低い人だった。汗かいている人にさっとハンカチ渡したり。優しい女性らしい人だった」

 万事に控えめで温厚な人柄だったというところは、たしかに俳優・高倉健を髣髴させるものがある。

「さくら夫人はもともとマスコミへの伝手がない。だから百田尚樹さんの『殉愛』を通して表に出ると、『誰だ? この人』となる。しかし貴倉良子さんはテレビや芸能、出版の世界にも年配の者のなかには面識がある者もいる。養女といわれればそれ以上の詮索をする必要もない。さくら夫人のときのようにバッシングがないのは、貴倉良子さんご自身のお人柄も大きい」(在京キー局元社員)

 昭和を代表する映画俳優、関西を代表する歌手でタレント、この2人の大スターの遺産を相続したふたりの女性たちから在りし日の大スターの話を聞きたいファンもすくなからずいるだろう。野暮な詮索はやめて、彼女たちが大スターたちの秘話を聞ける場を設けてみてはどうか。きっとファンならずとも喜ぶ筈だ。




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