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中国当局が“ニセ大学”118校のサイトを一斉閉鎖! 「.com」ドメインにはご用心!? 

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 かつて日本にいる中国人留学生に会って、在籍する大学の名前を聞いた時、「へえ、そんな大学あるんだ。アノ大学とコノ大学を足して割ったみたいな名前だな……」と驚くことがたまにあったが、その中国では近年、存在さえしないニセ大学による受験生およびその父母を狙った詐欺が増えている。一昨年は150カ所の「ニセ大学」が摘発され、昨年は60カ所、今年は再度復活して118カ所のニセ大学が見つかったと、「新京報」などが伝えた。

「ニセ大学」の定義は、国の教育部や市の教育委員会に登録されておらず、正規の教育機関と認められていないところを指す。実際「数日間で(ニセの)学位を取得できる」とあからさまな詐欺をうたうところは少なく、そのほとんどは学校のウェブサイトだけを作成して学生の募集を行い、その学費をだまし取る詐欺だ。学位が取れないという以前に、そもそも学校自体が存在していないので通うことができない。

 こうした「ニセ大学」が騙る学校名は、例えば「北京師範大学」に似せた「中国師範学院」など、中国人でも一見ではニセと判別できないような巧妙なものばかりだ。中国の大学名の多くが「中国」もしくは「北京」や「上海」などの地名から始まり、真ん中がその名称もしくは専門とする項目で、最後が「大学」もしくは「学院」となっているのだが、ニセ大学はその組み合わせが若干違うだけだ。

 ウェブサイトも、一見では立派な学校に見える。しかし、見る人が見れば、校舎の写真はA大から、校風はB大から、就職先情報はC大から、最近のニュースはD大からなど、いろんな大学から拝借した寄せ集めでできていることが多いという。また、その地域のVIPが正規の大学へ寄せた言葉を都市名や人物の名前を一文字だけ変えて掲載していたりする。ほかに「北京医科大学」など正規の学校の歴史上の名称を悪用したパターンもある。同大学は2000年に北京大学と合併し、現在は北京大学医学部となっている。ニセ大学の多くも中国版ウィキペディア的存在である「百度百科」にしっかりとページが存在していたりするため、いちいち疑ってかからない限り、ほとんど詐欺とは気がつかないだろう。

 詐欺の判別方法として新聞記事などに紹介されているのが、(1)サイトドメインが「edu.cn」などでなく、「.com」であること。また、サーバーが中国以外にあることもある。(2)長期間にわたり内容が更新されていない。(3)連絡先の記載がないか、あっても通じないことが多い。などといったものだ(しかしながら、(2)と(3)については正しいサイトでもありうるのでは……)。いずれにしても、国の教育部発行のリストを再度確認することが重要だと訴えている。

 なお、ニセ大学は中国語で「野鶏(やけい)大学」と言う。これまでは、中国国内の大学は厳格という共通認識の上で、出席せずとも学位をくれる海外のいいかげんな留学先を意味することが多かったのだが、最近は上記のような、中国国内の存在さえしないニセ大学のことも指すようになった。

 中国当局はこれらのサイトを一斉閉鎖したというが、それにしても中国では偽物に遭遇する比率があまりにも高すぎる……。




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