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世にも不思議なランキング

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世の中にあふれるさまざまな統計やデータ。これを基にしていろいろなランキングが作られるワケだが、中にはなぜそうなるのかの理由が、すぐにはわからないような 世にも不思議なランキング がある。

TBSテレビ『世にも不思議なランキング なんで? なんで? なんで?』(原則として毎週月曜よる7時<一部地域はよる8時>放送)は、そんなランキングデータの謎を解き明かす番組だ。「なんで△△が○位にランクインしているのか?」。その裏側を探ると、驚きの事実が次々に明らかになってくる。取材班が直面した不思議なランキングの一端をご紹介しよう。 

 まずは取材班が見つけた、こちらのランキングをご覧いただきたい。インターネット総合サービス大手、ヤフー(Yahoo! )が小学生向けに開設しているポータルサイト「Yahoo! きっず」にまつわるものだ。

■小学生のネット検索数が多い人物ランキング

1位 織田信長
2位 ? ? ? ? 
3位 聖徳太子
4位 嵐 
5位 徳川家康
(出典:Yahoo! きっず検索ランキング)

 全体を通してみると、歴史的な偉人が多数ランクインしている。どれも小学校の教科書に載っているような有名人物たちだ。学校や塾の授業、宿題などに関連しているのだろうか。4位はジャニーズの大人気アイドルグループ「嵐」。おそらく女子を中心としているのだろう。小学生にも関心が高い。

 一方、2位はいったい誰だろうか? 歴史的な人物の線だと、織田信長、徳川家康と来て、豊臣秀吉か? それともアイドルの線だと、女性アイドルグループで、圧倒的人気の「AKB48」だろうか? 

 両方とも違う。答えは「ルイ・ブライユ」だ。
 ん?  ルイ・ブライユ?  いったい誰だ?

 読者のみなさんはおわかりになっただろうか。われわれ取材班は誰もが知らなかった。もちろん、テレビ番組に出演する人気アイドルでもない。いったいどういうことだろうか。詳しく調べてみることにした。

まずはランキングの出どころであるヤフー本社を直撃。ルイ・ブライユなる人物はいったいいつから、こんなに検索されているのか? 担当者から提示されたデータを見て驚いた。2013年には、あらゆる人物を抑えて小学生のネット検索数1位が「ルイ・ブライユ」だった。

 次に街頭調査だ。道行く大人に「ルイ・ブライユを知っていますか?」と聞いても、「知らない」という答えばかり。今度は日本の最高学府、東京大学の学生たちに話を聞いてみたが、ここでもルイ・ブライユを知っている学生は誰ひとりいなかった。大人はほぼ誰もわからない。取材班の認識と同じだった。

 となると、当事者を直撃するしかない。取材班はある小学校を訪れた。

 答えは国語の教科書の中にあった。小学4年生で習う文章の中に、ルイ・ブライユの名前を発見したのだ。

 ルイ・ブライユとは、およそ200年前にフランスで点字の基礎を発明した人物だという。なるほど、たしかに教科書に載ってもおかしくない、偉業を成し遂げた人物だ。

 それにしても教科書には、国内外の偉人はたくさん載っている。なぜルイ・ブライユだけが、小学生にネット検索されまくっているのか。

 実は全国の半数以上の小学校で教材となっている教科書のなかで数年前から、「調べ学習」と言う授業が開始された。題材にされたのが、「ルイ・ブライユ」というキーワード。小学生たちにみずから物事を調べさせ、学ぶ力を育むというのである。結果、小学生たちは、学校や自宅のパソコン、タブレット、あるいはスマホなどで、インターネット検索をかけまくったというワケだ。

■ ルイ・ブライユってこんな人

 そんな事情だから、ヤフーの担当者も、最初は「ルイ・ブライユ」が誰なのか、皆目見当がつかなかったという。そこで、ヤフーは小学生の相次ぐ検索に応えるために、ルイ・ブライユの半生をまとめた特設ページをつくった。その記事をまとめさせていただこう(「Yahoo! きっず学習」より)。

ルイ・ブライユは、6個の点を組み合わせる点字のしくみを考えた人。フランスの小さな村で生まれ、3歳のときに、目をするどい刃物で突いてしまい、片目を失明。5歳のときにはまったく目が見えなくなった。
ルイ・ブライユはやがて成長し、盲学校に通っていた頃、12個の点がある点字に出会う。この点字を基に、1825年、もっと簡単に読むことができる6個の点字を考えた。自ら困難にも立ち向かい、その後さまざまな障害者のために貢献したというすばらしい人物である。

 中には友達に答えを教えてもらうズルをしている子どももいるかもしれないが、今回のランキングを見る限り、小学生の大半が学校の「調べ学習」で出された課題に対して、愚直にネット検索をかけて調べているということが明らかになった。

 何でもある程度のことは、ネットで調べればわかる。それは大人も子どもも条件は同じ。使い方によっては子どもが大人を上回る知識を得ることもできる時代になっているということだろう。





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