深セン税関が香港と深センを結ぶ出入境検問所「福田検問所(香港側は落馬洲検問所)」で、香港で日用品などを「爆買い」して中国本土で転売する運び屋の摘発を強化している。7日夜には武装警察約100人を動員して約500人の運び屋を摘発。当局と運び屋の間で言い争いも発生した。9日付蘋果日報が伝えた。
深セン税関は7日午後3時、武装警察約100人とともに入境者に対する検査を実施。午後8時までに約500人の運び屋を摘発した。捜査は非常に強硬で、荷物の検査を拒否したため警棒で殴られた者もいたという。また税関職員と言い争いをして興奮した香港人男性が心臓発作で倒れ、病院に運ばれたが死亡した。
運び屋対策の強化を受けて、福田検問所を利用する運び屋の数は8日までにこれまでの7割程度まで減った。消息筋によると、税関当局は当面、対策強化を続ける方針だという。
福田検問所では最近、1日の通関業務終了時間(午後10時半)間際に運び屋が殺到している。運び屋は中国本土の通関担当者が残業を嫌い、作業を早く済ませようとして検査が甘くなることを見込んでいるようだ。同時間帯には2,000人以上が入境手続きに並ぶこともあり、混雑が続いていた。香港側の落馬洲検問所には出境時の持ち出し荷物の体積に上限が設けられていないことも、運び屋の利用増に拍車をかけているとみられている。