大阪府は、橋下徹前知事(現・大阪市長)が実施した「庁舎敷地内の全面禁煙」の方針を転換し、7年ぶりに喫煙スペースを復活させることを決めた。
庁舎周辺で職員の路上喫煙が続出し、府は禁止の貼り紙をしてきたが、松井一郎知事が「逆にみっともない」と指摘。敷地の一角での喫煙を認めることにした。
全面禁煙は、たばこを吸わない橋下氏が「喫煙時間は休憩と同じ」と言い出したのを機に2008年5月から実施。庁舎内の喫煙コーナーを廃止し、執務時間中の禁煙を義務づけた。
ただ、休み時間は対象外で、昼時に近くの路上などで喫煙する職員について「見苦しい」と苦情が寄せられ、府は周辺の府施設の壁などに「路上喫煙禁止」の紙を貼るなどしてきた。
しかし愛煙家の松井氏は、各所の貼り紙を「こっちの方が恥ずかしい」と問題視。庁舎わきの一角など2か所を喫煙場所に決めた。
設置工事は9月中旬にも終わる予定だが、通行人から見えないよう簡単なフェンスで囲うだけ。財政再建中とあって清掃に人件費がかかる灰皿も置かない。府の担当者は「今度はポイ捨てが増えたということにならないよう、携帯灰皿の所持を徹底したい」としている。