協力強化で合意=ウナギの資源管理―日中台など
水産庁は6日、福岡市で開催したニホンウナギの国際的な資源管理に関する会合で、日本と中国、台湾、フィリピン、韓国が漁業資源の回復に向けて協力を強化することで合意したと発表した。養殖業界も含めた資源管理の枠組みづくりなどに取り組む。
ニホンウナギの稚魚(シラスウナギ)の深刻な不漁を受け、2012年9月に日中台が資源管理に関する会合を設置。第4回となる今回から、新たにフィリピンと韓国が加わり、東アジア全体をカバーする形で資源管理に取り組む。
安倍首相との面会要望=台湾対日交流機関トップ
台湾の対日交流窓口機関、亜東関係協会の李嘉進会長は6日、台北市内で日本人記者団と会見し、「任期中に必ず安倍晋三首相と会いたい」と述べ、日台関係強化に意欲を示した。
李氏は5月に会長に就任。8月には訪日し、首相官邸で菅義偉官房長官と面会した。1972年の日台断交後に設立された同協会の会長が、日本の主要閣僚と会ったのは初めてとみられる。
軍隊内で性的暴行、台湾人の4割が「家族や友人が受けた」と回答
台湾・中央社の報道によると、台湾励馨基金会は3日開いた記者会見で、台湾の軍隊内での性的暴行に関するアンケート調査の結果を公表した。調査対象となった台湾人の40%が、「家族や友人が軍隊内で性的暴行を受けたと聞いたことがある」、また2%は「自分が性的暴行を受けた」と回答しているが、軍に対して被害を訴えたり助けを求めたりしたケースは全体の40%にとどまるという。中国台湾網が伝えた。
調査報告によると、軍隊内での性的暴行の加害者と被害者の関係は、「上官と部下」が最も多く72%、「ベテラン兵士と新人」が55%だった。軍に被害を訴えたか、助けを求めた人の中でも「適切に対処されなかった」という人が65%を占める。
台湾国防部は2009年から11年までに軍隊施設の内外で起きた軍関連の性的暴行事件が161件あったとのデータを公表した。このうち施設内で起きたものは17件で、加害者はいずれも男。被害者は11人が軍の男性、6人が軍の女性だったとしている。ただ、161件のうち大部分は低年齢の相手との合意のもとでの性行為で、強姦はごく一部だとした。
「実際には軍隊関連の性的暴行の件数はこの10倍に上る」との指摘に対して国防部は、「推測であり客観的な根拠に欠ける。事実ではない」と否定した。
国防部は性的暴行事件を減らすため、規律や性の平等などに関する教育を強化したと説明した。
7―11の「icash」、第2の多用途電子マネーに[金融]
統一超商(プレジデント・チェーンストア)が展開する「セブン―イレブン」のプリペイド式ICカード「icashカード」が、多用途の電子マネーとしてセブン―イレブン以外でも利用できる見通しとなった。金融監督管理委員会(金管会)は5日、icashの発行元、統一超傘下の愛金カ(カ=上の下にト)を電子証票発行会社として承認した。icashの利用可能範囲はその他の商店や交通機関に拡大する見込みで、現在台湾で多用途電子マネーとして普及している「悠遊カード」の独占を崩す可能性がある。
6日付工商時報など主要各紙が伝えた。icashは統一超が2004年10月に中国信託商業銀行と共同で運用を開始した接触式ICカードで、セブン―イレブンで1回の消費額が1,000台湾元(約3,354円)以下の場合のみ、電子マネーとして決済に利用することができる。今年4月現在の発行総数は1,170万枚で、チャージ総額は7億8,000万元に達した。
愛金カは統一超がicashの発行会社として昨年12月に3億元を投じて設立した。これまで金管会が金融機関以外で多用途の電子マネーの発行を許可していたのは、悠遊カードを運営する公有民営企業の悠遊カ(カ=上の下にト)1社のみで、民間企業としては愛金カが初めてとなる。金管会銀行局の張国銘副局長によると、統一グループとは発行許可に先立ち、数年にわたり協議を進めていた。当初は統一が関連技術の開発を外部委託しようとしていたが、金管会は管轄企業が他社に技術を掌握させることを認めなかった。
金管会銀行局の張国銘副局長によると、icashの利用範囲は今後、まずコーヒーチェーンの「統一星巴克(スターバックス)」やドラッグストアチェーンの「康是美(コスメッド)」など、統一超が展開する関連商店へ拡大する。将来は台湾鉄路(台鉄)や台湾高速鉄路(高鉄)などとの提携も検討する。ただMRT(新交通システム)での利用は、悠遊カードの非接触式に対し、icashが接触式であることから、技術上の課題解決が必要となる。
工商時報によると、現在、遠東集団(ファーイースタン・グループ)の遠キン電子票証(キン=金3つ)なども電子マネーの発行を正式に申請したもようだ。
■3つの課題
経済日報によると、中信銀のクレジットカード事業の幹部は、今後icashが悠遊カードと匹敵するカードとなるためには、3つの課題の解決が必要と指摘。1つ目は利用範囲を統一グループ関連の商店に限定しないこと。2つ目に、悠遊カードのように市民生活と強く結び付くための方法を考えることが必要だと述べた。また3つ目として交通分野への参入可否を挙げ、特に台北MRTでは既に悠遊カードが普及しているため、icashが使われるかどうかは今後の大きな挑戦になるとの見方を示した。
「台湾独立」主張の日本人を台湾野党議員らが擁護、「入境禁止処分バカげている」と憤る
5日、台湾メディアが報道のよると、日本人の田辺憲司さんが2010年に台湾で「台湾独立」を訴えたとして、台湾の出入国管理局から入境を禁じられていることに対し、台湾野党の国会議員らは「荒唐無稽」と批判する共同声明を発表した。写真は台湾桃園国際空港。2013年9月5日、台湾メディアが報道したところによると、日本人の田辺憲司さんが2010年に台湾で「台独(台湾独立)」を訴えたとして、台湾の出入国管理局から入境禁止処分を受けていることをめぐり、一部では親日だとも言われている台湾最大野党・民主進歩党の国会議員らは4日、出入国管理局の処分はあまりにも荒唐無稽であると痛烈に批判する共同声明を発表した。一方の出入国管理局はこれに対し、「(入境禁止から)逃れるには法改正するほかない」と言ってのけ、国家議員らは憤慨のあまり、「法律を好き勝手に解釈している」と出入国管理局をののしった。環球時報(電子版)が伝えた。
2011年、3月11日に発生した東日本大震災に対する台湾からの温かい義捐金に心から感謝の意を示したいと、田辺憲司さんは大阪の街頭で感謝の演説を行っていた。田辺さんは台湾を訪問して直接感謝の気持ちを伝えたいとの思いを持ちながらも、それを実現できずにいる。2010年5月、田辺さんは台湾にある玉山の頂上で「日本は台湾の独立を支持する」との横断幕を掲げたことにより、台湾の出入国管理局の「ブラックリスト」に登録され、入境が禁止されている。
田辺さんの入境禁止の理由として、出入国管理局は「台湾の独立を吹聴することは、台湾の利益を損なう」と主張しているが、民主進歩党の国会議員らは「それならば、なぜ両岸(中台)の統一を声高に叫ぶ中国本土の官僚らを台湾から追放しないのか」と納得できずにいる。
台湾独立運動を行う政治団体である台湾独立建国連盟の張燦●(「洪」の下に「金」)(チョウ・ツァンホー)・元主席もまた、田辺さんを支持する声明を発表している。かつて海外で台湾独立運動を主導したことによりブラックリストに名が載った張さんは台湾に帰ることができず、もう30年近くも米国に滞在している。「政治思想や言論の自由を弾圧する厳戒令が1987年に解除されてから20年以上が経っているにもかかわらず、まだブラックリストがあったとは」と張さんは愕然としていた。
正義や人権はいずこに!?台湾の誤った「親日」は誰にも変えられない
4日、華夏経緯網は、中国社会科学院台湾研究所の王建民研究員が、親日の台湾に関して発表した見解を報道した。台湾は「正義と人権を追求する」と標榜しているが、日本の過激な言動に関しては口を閉ざし、見て見ぬふりをしている。資料写真。2013年9月4日、華夏経緯網は、中国社会科学院台湾研究所の王建民(ワン・ジエンミン)研究員が、親日の台湾に関して発表した見解を報道した。以下はその概要。
近年、日本社会の右傾化は日増しに深刻化している。釣魚島(尖閣諸島)問題では主権争いの存在を認めず、公然と侵略の事実を否定している。さらに、「慰安婦は必要だった」「ナチスに学べ」などと、過激な発言をする政治家が相次ぎ、国際社会から注目と批判を集めた。
とりわけ、大きな被害を受けた中国本土や韓国、北朝鮮などは強く抗議した。ところが、かつて日本に植民地として統治されていた台湾は異なった態度を取っている。台湾は「正義と人権を追求する」と標榜しているが、日本の過激な言動に関しては口を閉ざし、見て見ぬふりをしている。さらに、多くの人が、「日據(日本による占拠)」を否定し、「日治(日本による統治)」を肯定している。
日本の皇民化教育により台湾では日本に好感を持つ「親日家」や日本に媚びる「媚日家」が数多く生まれた。日本統治によりもたらされた経済発展や近代化が影響し、日本に対し好感を持っている人は少なくない。
仮に馬英九(マー・インジウ)総統が日治を肯定していなくとも、歴史に対して社会全体の誤った価値観を変えることはできない。今日の台湾はブルー陣営、グリーン陣営を問わず、社会全体が日本の植民統治を肯定している。
米国議会最新報告「台湾の地位は未定」との認識を発表
6日、米国議会はこのほど、「中国/台湾『一つの中国』政策の変遷」と題した報告書を発表。米国の政策において「台湾の地位は未定」であるとの認識が示された。写真は台湾総督府。
2013年9月6日、米国議会はこのほど、「中国/台湾『一つの中国』政策の変遷」と題した報告書を発表した。報告では、米国の政策において「台湾の地位は未定」であるとの認識が示された。台湾・聯合報の報道をもとに環球時報が伝えた。
同報告は、ニクソン元大統領からオバマ大統領までの「一つの中国」に関する政策や声明を整理し、40数年来の政策の変遷を整理した内容となっている。米国は1978年末以前、中国を代表する政府として中華民国を承認していた。しかし、1979年に中華人民共和国を承認して以降も台湾当局とは「非外交関係」を保ち、米国議会も非公式の関係を宣言。一方、米国は中国と署名を交わした3つの声明において、台湾の主権や地位については明言せず、台湾は中国の一部であるとする「一つの中国」を認知すると表明するにとどまった。
1971年以来、米歴代大統領は非公式や公式の場で「一つの中国」政策を表明してきたが、そのなかで中国の台湾に対する主権を承認しないと宣言する一方で、台湾が主権を有する国家であることも承認していない。つまり、米国の政策では「台湾の地位は未定」であると認識しているのである。
2008年5月、国民党政権が復帰して中台の対話が再開され、2009年にオバマ大統領が就任すると、米国、中国、台湾の3者で中台交流の平和的発展について意見が交わされるようになった。しかし、台湾の地位と米国の対台湾兵器売却に関する意見の対立についてはまだ解決をみていない。