王・立法院長、司法介入問題で今夜談話発表へ
立法院長(国会議長)の王金平氏が司法への干渉(会計法違反などに問われた野党議員の依頼で法務部長や高検検察長らに口利き)を行なった問題で、王氏はきょう10日夜会見を開いて談話を発表する。立法委員の一人は「今夜の談話は王氏の30年以上の政治家生活の中で最も重要なものになるだろう」とコメントしている。同問題を巡っては、9日に一部メディアが「王氏は立法院長を辞任する意向であるほか、国民党から離党する可能性もある」と報じている。」
次期立法院長には洪・副院長か
王金平・立法院長が今晩にも帰国するが、王・院長の罷免は免れない情勢だ。後任人事では、総統府、行政院、国民党の間で洪秀柱・立法院副院長の昇格で話が進められている。副院長候補には林鴻池氏が浮上している。国民党綱紀委員会は11日に開かれ、王金平氏を軽くても党籍剥奪、重ければ除名処分にする方針。どちらにしても立法委員の身分はなくなる。13人の綱紀委員で票決される。委員構成は明らかにされていない。
NEC常務が訪台「台湾を起点に新事業の世界市場開拓を図る」
NECの西村知典・執行役員常務が9日、訪台し、同社が公共事業群新事業を台湾で展開するとともに、台湾のリソースを活かして東南アジア、ラ米、欧州などの市場開拓を図る展望を語った。同氏は今年で10年目を迎えるNEC Taiwan Solution Fairに出席するために訪台。この中で「台湾では日本の地震(東北大震災)以降、防災への関心が高まっている。当社は宇宙防災、無線通信、生体識別などの事業分野を台湾で展開していく。台湾の市場、人材、技術を結び付け、他市場の開拓につなげたい」と語った。
宏達電の王董事長「中国市場に根を下ろす」
宏達国際電子(HTC)の王雪紅・董事長は9日、高雄で開催のアジア太平洋都市サミットに出席し、中国市場は極めて大きく、成長も速いため、携帯に限らずどの業界であれ、無視することはできない市場である、と述べた。そのため宏達電もまた中国に根を下ろし事業展開を進めるという。同社の株価は現在過去最低を記録しているが、王董事長は、株価は過去形に過ぎず、自分は未来を見つめ、中国市場への積極的拡大を計画していると述べた。
カネボウ白斑被害で美白成分ロドデノールの化粧品配合禁止
カネボウ化粧品が販売していた美白成分「ロドデノール」を配合した化粧品の使用後、肌がまだらに白くなる被害が発生した問題で、衛生福利部食品薬物管理署(食薬署)は9日、「ロドデノール」を化粧品成分として使用することを禁止すると発表した。台湾カネボウ(佳麗宝)は7月4日に日本のカネボウ化粧品が白斑様症状被害の発覚により製品の自主回収を発表して以降、台湾地区における商品回収と安全性に関する報告資料の提出を行った。台湾カネボウが提出した資料によると、回収が必要とされた6万3786個のうち、8月30日までにほとんどを回収したが、276人に白斑様症状の疑いがあり、そのうち47人に症状が確認されたという。これを受けて食薬署は、安全性の観点から「ロドデノール」の化粧品への配合禁止を発表した。
高雄市、中国との都市交流強化に期待
高雄市の陳菊市長は9日、都市間交流をめざす「2013アジア太平洋都市サミット」(APCS)に参加するため訪台した中国の都市代表と会談した際、高雄と同様の発展パターンを持つ中国の都市との相互関係を強化したいとの考えを示した。今回のAPCSには世界100以上の都市の首長や代表が集まり中国からは福建省の福州と厦門(アモイ)、山東省・日照、広東省・深セン、天津の5市の代表が参加している。陳市長は大陸からの訪問団に対し、「高雄国際会議センター」や「海洋文化および流行音楽センター」など市の施設を紹介したほか、大陸−高雄間のフェリー増便やより多くの中国人観光客が高雄を起点、終点とする台湾観光コースを利用するよう期待を示した。
「滝クリ」の美女ぶりに注目する台湾メディア=五輪開催地決定で
7日(現地時間)、ブエノスアイレスで、2020年夏季五輪の開催地が東京に決定した。隣国の一部メディアは、最終決定を前にしてフランス語のプレゼンテーションを行ったフリーアナの滝川クリステルに注目したようである。
2013年9月7日(現地時間)、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで、2020年夏季五輪の開催地が東京に決定した。このニュースは隣国でもさかんに取り上げられることとなっているが、一部メディアは、最終決定を前にしてフランス語のプレゼンテーションを行ったフリーアナの滝川クリステルに注目したようである。
得意の語学力を駆使し、身振り手振りを交えながら熱心に日本のおもてなし精神や治安のよさをアピールした滝川に、台湾紙・自由時報が目をつけた。「日仏ハーフの美女アナ、滝川クリステルさんは招致成功の貢献者の1人」として、彼女を紹介している。いわく、滝川は日本では有名な美人アナウンサーであり、英語や仏語に精通。その美貌と知性が大きな武器になると目をつけた猪瀬直樹東京都知事によって、五輪招致大使に抜てきされた
自民・小泉進次郎青年局長が訪台、馬英九総統、李登輝氏らとも会談
自民党の小泉進次郎青年局長(衆議院議員)が9日、国会議員33人や地方議員ら計97人を率いて台湾を訪れた。自民党青年局はこれまでも台湾との交流を続けてきたが、今回の訪台は過去最大。小泉局長は馬英九総統や李登輝元総統とも会談する。10日には台湾のプロ野球の試合で始球式で投手を務め、東日本大震災時の台湾の支援に対する感謝を表明する。
台湾側の外交部(外務省)は、自民党青年局の訪台を「自民党が昨年12月に与党になってから初の来訪。双方の国会の関係を深めるために大きな意義がある」などして歓迎の意を表した。
小泉局長は新北私立新荘球場での始球式に招待された。また訪問団は、1999年9月21日に台湾中部で発生した921大地震の「地震教育園区」や「八田与一(與一)紀念園区」も訪問する。
一行は馬英九総統、李登輝元総統とも会談し、中国との関係や尖閣諸島の問題について、意見を交換する。
大陸メディアの中国新聞社も、台湾の「中国時報」を引用する形で、小泉局長の訪台を報じた。東日本大震災時の支援に対する感謝の表明、馬英九総統、李登輝元総統と会談することなどを、そのまま伝えた。
批判的な論調ではないが、見出しは「小泉純一郎の子が団を率いて訪台。馬英九、李登輝とも会う予定」とした。中国で小泉元首相は「靖国神社参拝を強行した日本の指導者」として、極めて否定的に扱われることが多い。
小泉進次郎局長については「将来の首相選出で有力候補者になるとみられている」と評した。
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◆解説◆
2011年3月11日の東日本大震災に対して、台湾は日本に世界最大級の義捐金などを贈った。対日感情がもともと良好だった上に、人々の心の中では、1999年に発生した921大地震に対する日本の支援の記憶が強かったと考えていた。義捐金の9割以上が、民間から集まったものだという。
921地震で、日本の救助隊は外国からの救助隊としては最も早く、地震発生当日の夕方には台湾入りした。人数も145人と最大規模だった。李登輝元総統は、在任時に発生した大震災への国際的な支援について、「決して私たちは孤独ではない。日本をはじめとする国際社会からの関心と協力が、どれほど私たちの支えになったことだろうか」と語った。
同地震発生後、日本の国会議員の働きかけで、阪神淡路大震災時に使用した仮設住宅約1000棟を台湾に贈った。ただ、日本から贈られた仮設住宅は台湾側が別に用意した仮設住宅より小さく、見劣りがした。そこで李登輝総統は「日本人の面子(メンツ)を傷つけてはならない」と考え、家電製品を手配して日本からの仮設住宅に配備した上で、被災者に供給した。
李登輝元総統は、東日本大震災に対しての台湾の支援については、「(日本に)少しは恩返しできただろうか」と語った。
台湾のゴミが海を漂流して200キロ先の西表島に―台湾メディア
台湾東森テレビ(電子版)によると、「最後の秘境」として有名な日本の西表島の海岸には中国語表記のペットボトルや殺虫剤などが多数みられ、訪れた台湾人観光客が恥ずかしい思いをしている。現地では「もう慣れた」と言われているようだ。9日付で中国新聞網が伝えた。
記事によると、西表島には台湾から多数のゴミが海を渡って流れ着いている。台湾有名メーカーのペットボトルや殺虫剤の缶などが海岸に散乱し、訪れた台湾人観光客が恥ずかしい思いをしているという。
「初めて見た時には愕然としました。本当に恥ずかしい」と台湾人観光客の林(リン)さん。「現地の観光関係者は『もう慣れた』と言っています」。ただ、こうしたゴミは台湾だけでなく、中国本土やマレーシアからのものもみられる。
ゴミは現地の人々が毎日拾い集め、美観を維持している。西表島は台湾からわずか200キロの距離。海流の関係により、台湾で捨てられたゴミが流れ着きやすくなっている。ゴミの中にはプラスチックやガラスが含まれていることも少なくない。
台湾で海岸の清掃活動を何度も主催している林芸さんは「台湾のゴミが海を渡って国際的な笑いものにならないよう、観光地でゴミを持ち帰るのはもちろん、できるだけゴミを減らす努力をしていくべきだ」と話している。
APEC首脳会議には蕭萬長・前副総統が出席
来月、インドネシアのバリで開かれるAPEC首脳会議には蕭萬長・前副総統が出席する。中華民国台湾はAPECアジア太平洋経済協力の正式メンバーだが、中共の妨害により、会合に国家元首が出席することは実現していない。
総統府の李佳霏・スポークスマンは9日、総統府ではすでに、今年のAPEC首脳会議の招待状を受け取っており、馬英九・総統は、昨年副総統を退任した蕭萬長氏を国家元首の代理特使として派遣することを決めたと明らかにした。
馬・総統は、蕭萬長・前副総統は、台湾の経済貿易面での発展状況や中国大陸との関係を国際社会に伝えられ、中華民国政府が地域の経済統合に積極的に参与していく決意も示せるだろうと考えているという。
蕭萬長・前副総統は経済貿易面、外交面のいずれにも精通しており、過去には経済部長、そして国家元首の代理として4度にわたってAPECの関連会議に参加した実績を持つ。また、シンガポールのリー・シェンロン首相ら数多くの国の元首とも親しく、総統府では、蕭萬長氏の出席はアジア太平洋地域の経済、貿易の面で、台湾の地位を高めるのにプラスだと期待している。
最高検:立法院長に関する告発は職権乱用に非ず
最高裁判所検察署(最高検察庁に相当)は先週6日、曽勇夫・法務部長が司法に介入した疑いがあると明らかにし、曽・法務部長は6日夜に、身の潔白を主張しながらも辞任した。
事件は、最大野党・民進党の立法院党団で総召集人を務める柯建銘・立法委員が企業の責任者を務めていた時期の公金流用に関する裁判で、立法院の王金平・院長が曽勇夫・法務部長に対して、検察側が上訴しないよう求め、曽・法務部長が検察側に違法な働きかけを行ったとされるもの。
馬英九・総統は8日、記者会見を開き、「王金平・立法院長が司法に介入していたとしたら、民主政治にとっての恥だ」とし、国民は厳しい判断を下すよう呼びかけた。
王金平・立法院長は、娘の婚礼のためマレーシアに滞在しているとされ、馬・総統は7日の時点で、できる限り早く帰国して事情を説明するよう呼びかけたが、9日正午の時点で帰国していない。
この事件は、検察当局による電話の傍受から発覚したとされ、傍受の正当性が論議を呼んでいる。
これについて最高裁判所検察署の黄世銘・検察総長は9日、記者会見を開き、柯建銘氏の電話内容を傍受していてたまたま王・立法院長の関与が見つかっただけだとし、電話の傍受は合法的で、証拠としても有効との立場を強調した。
黄・検察総長は、「(電話での対話の内容を記した)この文章は、合法的な傍受で取得した証拠物であり、証拠としての有効性に問題はない。ただ、二ヶ月の調査を経て刑事犯罪の証拠は見つからなかったので、行政手続き法上での不正だとみなしている。このため捜査非公開の原則に反する問題もない」と話した。
黄・検察総長はさらに、「院長(行政院、立法院、司法院、監察院、考試院の長)クラスに疑いがかかるなら、総統に報告するのは妥当だと考える。馬英九・総統とは4、50分話し、馬・総統は大変驚いていた」と述べた。これは、黄・検察総長が直接、馬・総統に疑惑を伝えたことも一部で問題視されていることに反論したもの。
なお、与党・国民党では、王金平・立法院長は10日に帰国する予定だとした上で、国民党では11日午前に考紀(風紀)委員会を開いて、王・立法院長の問題を処理するとしている。国民党の関係者は、王・立法院長が立法院長を辞任しなければ、党としての処分として、党籍剥奪もありうるとしている。
王・立法院長はすでに立法委員を12期、立法院長を5期(14年)にわたって務めている、国民党にとって屈指の大物政治家の一人。
亜東関係協会、五輪招致決定の日本に祝電
2020年のオリンピック並びにパラリンピックの開催地が日本の東京に決まったことを受け、台湾の対日本窓口機関・亜東関係協会の李嘉進・会長が8日、東京都の猪瀬直樹知事と、日本の対台湾窓口機関・交流協会の大橋光夫会長に対し、祝賀のメッセージを送った。
李嘉進・会長は、1964年の東京オリンピックからすでに50年近く経っているとした上で、当時は台湾でもオリンピックブームが起きており、2020年のオリンピックでも台湾で再びスポーツブームになるだろうと述べた。そして、東京が開催権を獲得したことの相乗効果も期待、台湾と日本とのスポーツ交流がいっそう盛んになるようにと希望した。
李・会長は、日本で2011年に起きた東日本大震災に対し、台湾はずっと関心を保っており、オリンピック開催の決定が、震災の暗い影から日本が抜け出す象徴となるよう祈った。
体育署、五輪競技落選も「野球は重点スポーツ」
2020年のオリンピックで増設される競技に野球は落選。しかし、教育部体育署では、野球が発展の重点項目であることに変わりはないとしている。IOC国際オリンピック委員会の総会は台湾時間の8日、アルゼンチンのブエノスアイレスで行われ、レスリングが2020年と2024年のオリンピックにおいて増設される競技となる一方、台湾が期待していた野球の復活はならなかった。
教育部体育署の何卓飛・署長は9日、結果には驚かず、決定は尊重すべきとした上で、野球は中華民国台湾にとって、「球技の国技」といえるスポーツであり、オリンピック競技でないからといってその影響は受けず、今後も野球は台湾が発展を目指す重点項目だと強調した。
また、レスリングについて卓・体育署署長は、台湾では発展が遅れており、メダル獲得への重点競技にもなっていないので、レスリングが行われるとの決定は台湾の代表選手選出計画に影響しないとの見方を示した。
一方で、中華民国野球協会の林宗成・秘書長は、まもなく選出される新たなIOC会長次第で大逆転もありうると最後の望みを寄せている。林・秘書長は、新たなIOC会長は、オリンピック競技の方針について見直す可能性もあり、正式ではない公開競技としての復活に期待した。IOC次期会長には、中華民国籍の呉経国氏も立候補している。
台北MRT信義線、11月末の開通目指す
台北市民、新北市民の通勤通学の足、MRT台北新交通システムの信義線が11月末の開通を目指している。信義線は、中正記念堂駅から東へ伸び、高さ508メートルの高層ビル、台北101などを通って象山駅までが作られている。途中、東門駅で中和新荘線、大安駅では文湖線と乗り換えが可能。信義線は最近、安定度テストを順調に終え、10月初めには最終的な検査が始まる見通し。
高層ビルの台北101では毎年大晦日に、カウントダウンと共に放たれる大規模な花火などの年越しイベントが行われ、付近には数十万人が集まる。この人たちの移動で、近くを通っている台北新交通システム板南線は毎年大混雑する。台北新交通システムではこのため、信義線を11月末には開通させ、年末のイベントでその効果を発揮させたい考え。
また、信義線が11月末にも開通することを受けて、台北市公共運輸処では、信義線の駅を中心に南北を結ぶバス路線を2本新設する。1本は建国南路と建国北路を走るもの、もう1本は象山駅と、台湾鉄道の松山駅を結ぶ路線。
衛生福利部、カネボウの美白成分の使用を禁止
衛生福利部が、日本のカネボウ化粧品が開発した医薬部外品有効成分・ロドデノールの使用を禁止した。この成分を使用した「美白化粧品」が、肌をまだらにする問題が発覚、カネボウでは今年7月に、この成分を用いた化粧品54種類を世界で回収すると決定した。台湾では19種類が回収対象になっている。日本の被害者は6000人あまりとのこと。衛生福利部食品薬物管理署では、台湾で7月から報告されたのは354件。そのうち276件がその疑いがあり、47人の被害が確定ずみと説明している。
食品薬物管理署の呂理福・幹部は9日、ロドデノールは衛生福利部が許可した成分だが、問題が出ていることを考慮して使用禁止にすると述べた。
赤ちゃんパンダ命名、ネット投票の候補ほぼ決まる
台北市立動物園の赤ちゃんパンダの名前の公募活動が進んでいる。第一段階では最終的なネット投票に採用される候補の名前を募集しており、締め切りは8日。動物園側によると、1万1000件あまりの提案があり、多くの名前が、母親の「圓圓」、あるいは丸いという意味で「圓」を使った名前が多い。「湯圓」や「圓宝」、「圓仔花」、「團圓」なども。しかし、誕生直後から動物園側でつけたあだ名の「圓仔」が現在のところ最も人気のある名前となっている。「圓仔」は、「お団子」といった意味。
動物園側では中秋節の19日に、6つの候補を発表し、第二段階のインターネットでの投票活動に移る。そして10月26日、同動物園の開園記念日に正式な発表を行うという。
赤ちゃんパンダはすでに4キログラムを超えるなど成長は順調。動物縁側では、そろそろ這って移動することを覚えるはずとしている。
IBAF18Uワールドカップ、台湾は4位で幕
台湾中部で行われていた野球の国際大会、IBAF18Uワールドカップ大会で、中華民国台湾は4位で銅メダルを逃した。
8日の最終日、中華民国台湾はインターコンチネンタル球場(台中市)で銅メダルをかけてキューバと対戦。中華民国は予選ラウンド4勝1敗(日本に敗戦)で決勝ラウンドの6チーム入り。決勝ラウンドではキューバ、アメリカに敗れて決勝進出は無くなったものの、7日には宿敵の韓国に勝って三位決定戦に残った。しかし、打線はキューバの投手に完全に抑え込まれ、投手も相手を抑えきれず1-6で完敗、メダル獲得はならなかった。
蔡明亮の『郊遊』、ベネチア映画祭で審査員特別賞
台湾の国際的な映画監督、ツァイ・ミンリャン(蔡明亮)監督の新作、『郊遊(Stray Dog)』が世界四大映画祭の一つ、ベネチア国際映画祭で審査員特別賞を受賞した。ツァイ監督はスピーチで、イタリアの観客と審査員がツァイ監督の「緩慢美学」を受け入れてくれたことに感謝した。
『郊遊』の最大の特色は「緩慢であること」。ゆったりとした長回しのシーンが多い。主役のリー・カンシェン(李康生)が黒くなったカリフラワーを食べるシーンは12分間。鶏の腿肉を食べるのには8分かかる。極限に挑戦したかのような映像を多くの映画評論家が称えた。
英語タイトルは、「野良犬」という意味の「Stray Dog」の『郊遊』では、リー・カンシェンが二人の子供と共に過ごす、台北でのギリギリの生活を描いている。軒下や空き家で過ごし、古い食べ物で飢えをしのぐ。イタリアのメディアは、「虚無のスタイルを完全に発揮し、絵がつながったような風格」、「映画のストーリー構成を骨組みだけになるまで省いた」などと評価した。
馬英九・総統、呉敦義・副総統、外交部、文化部は知らせを受けると直ちに祝電を打った。ツァイ監督は1995年には『愛情万歳』でベネチア映画祭グランプリ(金獅子賞)、1997年には『河』でベルリン国際映画祭で銀熊賞(審査員グランプリ)を受賞。ドキュメンタリーのようでセリフの少ない独自のスタイルで国際的にも有名。
8月の輸出額3.6%増、日本向け除き軒並み増加[経済
財政部が9日発表した貿易統計(速報値)によると、8月の輸出額は256億4,000万米ドル(約2兆5,400億円)で、前年同月比3.6%増えた。電子製品の好調が続いたほか、化学品などの非電子製品も軒並み堅調に伸びた。主要仕向け地別では、日本を除きいずれも増加した。
主要製品別では、最大の比重を占める電子製品が前年同月比6.5%増の76億5,600万米ドル。IC製品が8.1%増えて全体をけん引し、6カ月連続で71億米ドルを超えた。伸び幅が最大だったのは化学品で25.2%。中でもキシレンやスチレンが200%以上増えた。このほか、プラスチック・ゴム、その他製品や紡績製品などの伸びが全体を押し上げた。
主要仕向け地別では、欧州が4.0%増で、3カ月連続で前年同月比プラス成長となった。情報通信製品と電機製品の伸びが目立った。日本は0.1%の微減。電子製品が増えた一方で水産品や情報通信製品が減少した。
1〜8月の累計輸出額は前年同期比2.5%増の2,013億9,000万米ドル。鉱物や電機製品、光学機材、電子製品の伸びがけん引した。
財政部は今後について「欧米市場の回復傾向が鮮明になりつつある。中国の国慶節(10月1日)前後の連休や欧米での年末の需要期に向けて、輸出は伸びる見通し。ただ新興国市場の経済の伸び悩みが台湾の貿易拡大に影響を与える可能性がある」とみている。
■輸入は低水準
8月の輸入額は前年同月比1.2%減の210億6,000万米ドルで、今年に入り2番目の低水準となった。鉱物が増えた一方で、機械や携帯電話などの「消費品」が減った。1〜8月の累計輸入額は前年同期比0.9%減の1,790億3,000万米ドル。金属・その製品や鉱物の減少が響いた。
台北101バーゲンセールで最上階に登れるチャンス!?/台湾
台北101ショッピングモールは、9月9日から開催されているバーゲンセール「週年慶」で、101万元(約340万円)購入した消費者に対して、通常未開放の最上階で開催されるイベントに招待すると発表した。
台北のランドマークとして知られる台北101のショッピングモールは今年で開業から10周年となるのを記念し、「週年慶」では5000元購入で500元分の還元が受けられる特典ほか、高級車が当たる抽選会なども行われる。この抽選会は昨年、200万元を超える高級車が賞品とされ消費者をひきつけたが、抽選賞品は台湾の基本賃金の120倍を超えてはならないという公平交易法に抵触したため、今年は141万元相当(476万円)の乗用車が賞品となった。
また、期間中指定のクレジットカードで101万元分の商品を購入した消費者に対しては、これまで一度も一般開放されることがなかった101階で開かれるクリスマスパーティーに招待するとしており、同伴者1人と参加が可能。101の担当者は「101階からロマンチックな台北の夜景を見下ろしてほしい」と話している。
台北101ショッピングモールの「週年慶」は10月6日まで。101によると、すでに3000万元分(約1億円)の購入を“予告”した顧客もいるという。
台湾のデパートやショッピングモールで開催されるバーゲンセールは「週年慶」といわれ、毎年秋から冬にかけて実施される。
台湾・高雄市、中国大陸との都市交流強化に期待
高雄市の陳菊市長は9日、都市間交流をめざす「2013アジア太平洋都市サミット」(APCS)に参加するため訪台した中国大陸の都市代表と会談した際、高雄と同様の発展パターンを持つ大陸都市との相互関係を強化したいとの考えを示した。
今回のAPCSには世界100以上の都市の首長や代表が集まり大陸からは福建省の福州と厦門(アモイ)、山東省・日照、広東省・深セン、天津の5市の代表が参加している。
陳市長は大陸からの訪問団に対し、「高雄国際会議センター」や「海洋文化および流行音楽センター」など市の施設を紹介したほか、大陸−高雄間のフェリー増便やより多くの大陸人観光客が高雄を起点、終点とする台湾観光コースを利用するよう期待を示した。
一方、深セン市の許勤市長は同市が高雄市と同様にクルーズ船の誘致やクルーザー産業の発展に力を注いでいることから、今回の交流を通じて高雄市をより理解したいと述べ、今後は多分野で双方が協力し共に華人の経済振興のために努力していきたいと抱負を語った。(セン=土へんに川)
台湾人、低給与も貯蓄好き?
行政院労工委員会が9日発表した2013年版の労働統計に関する国際比較によると、台湾の給与所得額はアジアの主要国・地域の中で比較的低い一方、家計の支出に占める貯蓄の割合が高いことがわかった。
同統計は台湾や日本、アメリカ、中国大陸、韓国、香港、シンガポール、カナダ、ドイツなどの労働力や給与、生産性、労働者生活などのデータ結果をまとめたもの。
それによると、昨年、台湾の非農業労働者における1カ月あたりの名目賃金は1549.54ドル(約15万4000円強)と日本の3936.90ドルの半分以下であるほか、韓国(2659.16ドル)、シンガポール(3547.32ドル)、香港(2118.84ドル)のいずれよりも低水準となった。
しかし家計の支出に占める貯蓄の割合は16.2%(2011年)と、日本の6.4%(2010年)、韓国の6.3%(同)をはるかに上回った。
(1ドル=約99.58円)
台湾と日本の同名駅、全部で34駅 観光交流促進へ
(台湾・豊原駅)
アジア太平洋経済協力会議(APEC)の第8回交通大臣会合に出席するため今月4日〜6日に訪日した葉匡時交通部長は太田昭宏国土交通相と会談し、台湾と日本には多くの同名駅が存在していることから、観光促進のための交流に向けて取り組む考えで一致したと明らかにした。
台湾鉄道によれば、JR北海道の蒸気機関車との姉妹列車提携締結や台日共同制作駅弁の発売のほか、今月13日にはJR四国との間で松山駅友好駅協定が結ばれる予定など、近年になり台日鉄道交流が盛んになっているという。
また台鉄の調査では、台日間には松山駅のほかに板橋、桃園、清水、豊原、新市、岡山、池上、関山、瑞穂、田中、追分、新城など、34駅の同名駅が存在しており、今後観光局と協力し同名駅の観光交流を深めたいとしている。
このほか葉部長は訪日期間中、太田国交相以外にインドネシアやベトナム、アメリカの代表とも二者会談を行った。