中国メディアの中国産経新聞報は7月29日、スマートフォンやパソコンといった製品において中国ブランドの存在感が世界的に高まっていることを指摘する一方、デジタルカメラの分野では中国ブランドはキヤノンやニコン、ソニーといった日本企業には太刀打ちできていないと論じる記事を掲載した。
記事は、デジタルカメラ市場において中国ブランドの姿はほとんど見えないと伝え、中国の消費者もデジタル一眼レフカメラなどにおいては中国ブランドを購入の選択肢にすら入れていないと指摘。中国の消費者もデジタルカメラ市場に中国ブランドがほとんど存在しないことにすっかり慣れてしまったと論じた。
続けて、中国でカメラ産業が興ったのは1956年からだとし、当時の中国の工業力は非常に脆弱だったと指摘。それでも国の政策の影響によって中国全土にカメラの生産工場が林立したと紹介し、58年には初の中国産カメラが誕生したと伝えた。
一方で、当時の中国産カメラの大半はドイツ製カメラの模倣だったと伝えたほか、計画性のない盲目的な生産によって競争力のない製品が数多く誕生しては消えていったと伝え、淘汰のすえに「鳳凰」と「海鴎と」いう2つのブランドが生き残ったと紹介した。さらに、鳳凰と海鴎は中国国内で高い人気を獲得しただけでなく、大量に輸出もされたと伝える一方、デジタルカメラの登場によって鳳凰と海鴎も市場から姿を消してしまったと論じた。
また記事は、デジタルカメラは光学、機械、電子といった複数の分野の技術が複合的に組み合わせられた製品であると伝え、デジタルカメラ分野においては「日本企業の技術が非常に高く、数多くの特許も押さえている」と指摘。そのため中国企業はデジタルカメラ市場で先行する日本企業を追う力もないとし、もはや中国企業はデジタルカメラ製品において「市場に参入する時機を逸してしまった」と伝えた