野党の抗議で立法院が空転
立法院は17日に新会期が始まった。野党は江宜樺・行政院長の施政方針演説の条件として、立法権への干渉について謝罪、特捜班の廃止、原発の建設中止、電力料金の値上げ中止――の4条件を付けたが、国民党はこれを拒否。王金平・立法院長が間に入って話し合ったが、両者の合意はなく散会した。24日に再開の予定だが再びこじれそう。国民党は与野党協調には消極的だ。
台風19号が発生、中秋節連休に影響か
中央気象局の発表によると17日未明、フィリピンの東の海上にあった熱帯低気圧が小型の台風19号に発達した。バシー海峡の方向へ進むと見られ、今週末の中秋節連休(4連休)に影響する恐れがある。中秋節当日の19日は北部と東部ではにわか雨の恐れがあり、お月見の機会は少なそうだが、中南部では雲の隙間から月を眺めることができそうだとしている。
台湾エプソンがシェア5割狙う、家庭用プロジェクタ
プロジェクタ市場全体は低迷が続いているが、家庭用機種は順調に伸びている。家庭用映像機器画面の大型化が進むなか、台湾エプソンは100インチで3D映像が楽しめる1080pフルハイビジョン対応機種を、今回初めて3万6900台湾元という低価格で打ち出した。今年は家庭用機の販売目標を4000台とし、同市場でシェア50%超を目指す。
エイスース、スマホ市場参入急ぐ
パソコン大手の華碩電脳(エイスース)の沈振来執行長は17日、スマートフォンの旗艦機種で変形可能な「The new Padfone Infinity」を発売し、ハイエンド市場のトップを目指して参戦すると発表した。また来年1〜2月をめどに中低価格帯の通常のスマホを発売することも明らかにした。
証取所、日本企業に台湾進出奨励
台湾証券取引所が東京と大阪で日本企業や機関投資家に対し、台湾市場への上場や日本法人の直接参入を奨励する投資誘致活動を行った。証券取引所の分析によると、日台間ではICT(情報通信技術)産業、原材料、精密機械部品など29種類の台湾上場銘柄で戦略的株取引が行われている。今回の訪日ではICT関連企業、フランチャイズチェーン、家庭用品業界などと接触した。日本企業の海外戦略を理解した上で、台湾市場進出を勧めたいとしている。
台湾半導体市場、14年の売上高は8%増
資訊工業策進会の産業情報研究所(MIC)は17日、2014年の台湾の半導体市場は前年比7・8%増の1兆8950億台湾元規模に達するとの見通しを示した。また、今年の台湾IC関連産業の生産額は前年比13・7%増の1兆7577億元に達すると見込まれている。うちICデザイン業は8・9%増の4568億元、IC製造業は19・2%増の9278億元、ICパッケージング・テスティング業は7・3%増の3731億元と予測されている。
馬総統、日本の原発事情に高い関心
馬英九総統は17日、日本の超党派議員連盟の日華議員懇談会(日華懇)で幹事長を務める藤井孝男衆院議員らの表敬訪問を受けた。馬総統は席上、日本で唯一稼動していた大飯原発4号機(福井県)が定期検査により停止したことに言及、(全原発の運転停止による)電力の安定供給や電気料金への影響に高い関心を示した。一方、原発の防災や救助における協力関係強化にも期待感を表明した。
新北市、3本の中山路を改名
新北市には中山路が19本ある。互いに通じていないため、混乱の源となっている。新北市は手始めに三重区、新荘区、泰山区にある3本の中山路の改名に着手した。すでに住民の支持も取り付け、18日に新しい道路名を公表する。新北市にはこのほか、中正路が17本、和平路が10本ある。新道路名は3本とも新北大道とし、三重から1段が始まり、泰山の7段までとする。この3本は繋がっており、地番のみ通す。
シャープ:最大1664億円の資本増強を発表、上期予想も上方修正
9月18日(ブルームバーグ):経営再建中のシャープは、最大1664億円の資本増強計画を発表した。自己資本比率を高めるなど財務体質の改善を急ぐ。併せて2013年4−9月(上期)の営業益予想も300億円へ上方修正した。
18日の同社の適時開示資料によると、増資は公募増資と第三者割当増資によるもので、公募増資はオーバーアロットメントを含めて手取り概算額で最大1490億円を募集する。第三者割当増資は合計で約174億円で、住宅設備などを手掛けるLIXIL(リクシル)グループ、電動工具のマキタ、自動車部品のデンソーの3社が引き受ける。この日開かれた取締役会で決定した。調達資金は設備投資などに充当される。
立花証券の大牧実慶アナリストは「資本増強は避けて通れなかった」とした上で、目先は一安心だが業績を中長期にけん引するものがなく、「業績回復のシナリオが見えない」と述べた。
シャープは韓国や中国メーカーとの競争や液晶パネル価格の下落で業績が悪化、過去2年間に累計で9214億円の赤字を計上した。今年6月末時点で自己資本比率は6%まで低下していた。
シャープは東証の適時開示資料で4−9月期の連結業績予想修正も併せて発表した。それによると、営業益は従来の150億円から300億円に、純損益予想は200億円の赤字から100億円の赤字に修正した。
出資ありきの資本提携せず
シャープは12年3月に台湾の鴻海精密工業グループと1株550円、出資比率9.9%(総額670億円程度)で協議を進めていたものの、業績不振でシャープ株が下落、1年間の期限を迎えても交渉は折り合わず暗礁に乗り上げた。鴻海グループの郭台銘(テリー・ゴウ)会長は個人で液晶パネルの堺工場に約660億円出資している。
「出資ありきの資本提携はしない」と就任当時から明言していたシャープの高橋興三社長は、技術流出を招かないよう注意を払いながら第三者割当増資の引き受け先を探した。シャープは昨年12月以降これまでに韓国サムスン電子や米クアルコムと業務提携を進めつつ、計210億円程度の出資を受けた。
同社は9月末に2000億円の転換社債(CB)の償還が控えているが、主力2行から既に5月時点で1500億円の追加融資枠を取得している。今回の増資実施後、懸案だった年金資産積み建て不足問題にも解決の糸口が見えてきた。
シャープの株価はこの日、増資発表前に前日終値比1・6%高の376円で取引を終えた。
8月の訪日外国人は90万7000人、8月として過去最高
日本政府観光局(JNTO)が18日発表した8月の訪日外国人数(推計値)は、前年同月比17.1%増の90万7000人だった。8月としては、2010年の80万3000人を上回り、3年ぶりに過去最高を更新した。安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」による円安傾向が外国人にとって、日本への旅行に割安感を与えたとみられる。
前年同月の水準を上回ったのは7カ月連続。ただ、単月ベースで過去最高を記録した今年7月の100万3100人は下回った。
国・地域別では台湾や香港、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、ベトナム、インド、フランスの9カ国・地域が8月の過去最高を記録した。特に、7月以降に日本政府がビザ発給条件を緩和したタイが前年同月比約2倍の2万3900人、マレーシアが同42.2%増の1万1000人と高い伸びを示した。
中国は同14.6%減の16万2500人でマイナスが続く。ただ、今年に入り、単月ベースで最も多い訪日数となり、「回復の兆しが見えてきた」(日本政府観光局)としている。
また、今年1〜8月の累計は前年同期比21・4%増の686万4000人だった。政府が掲げる今年の訪日外国人の目標1000万人の達成に向けては、伸び率が鈍化ぎみで「予断を許さない状況」(同局)という。
中国本土の新薬、多くが香港、台湾より高いのはなぜか?―発展改革委員会職員が解説
新華社電の「海外企業の新薬約300製品のうち、80%の価格が韓国、香港、台湾より高かったが、70%は欧米、日本より安かった」というニュースについて、国家発展改革委員会の価格司副巡視員の郭剣英氏は「香港は5%の関税と17%の付加価値税、そして15%の病院上乗せ価格がない。流通費用も20%程度だから、価格が安くなる」と語った。京華時報が伝えた。
郭剣英氏は中国の医薬品価格について、「政府はすべての医薬品価格をコントロールしているわけではなく、多くの新薬は企業が自主的に値付けし、流通価格などを考慮し、取引価格が決められる。これら新薬は販売開始2年後に効果が証明されてから医療保険の対象となり、そこでようやく政府の価格規制が適用される」「政府がコントロールするのは上限価格であって基本的には企業競争に委ねている」と、現行の規定を説明した。
郭剣英は同時に、政府の上限価格規制が現場では必ずしも機能していないことを認めた。
台湾、ICAO総会出席へ 国連脱退後初 「アジアの空」安全強化
国連専門機関、国際民間航空機関(ICAO)の総会(24日開幕)に、台湾が国連脱退後初めて出席する。アジアの「空の安全」が強化され、同じ国連機関の世界保健機関(WHO)総会へのオブザーバー参加に続く、台湾の「外交空間拡大」ともなろう。(台北 西田令一)
ICAO総会は、本部のカナダ・モントリオールで10月4日まで開かれる。3年に1度の総会への出席はこの13日、ICAOから「特別ゲスト」としての招待状が届いたと台湾当局が発表したことで確定した。
1971年の国連脱退以来のICAO“復帰”へ向け、台湾は3、4年、官民ともに取り組んできた。待ちに待った招待状を手にする直前の9月上旬、22カ国の記者ら22人を招いて繰り広げた会見攻勢も、追い込みの一つだった。
外交部(外務省に相当)の謝武樵国際組織司長(局長)は、「2009年のWHO総会参加とその経験を踏まえれば、2つの国連機関参加を働きかけられる」と見込み、ICAOと国連気候変動会議を挙げた。
WHOについては、中国で猛威を振るった新型肺炎(SARS)が、台湾でも感染を広げて世界の懸念を強めた結果、オブザーバー参加への国際的機運を高めた面もある。ICAO不参加では何が問題なのか。
謝司長はICAOで決まる安全運航とテロなどへの保安対策、ルートに関する情報の遅延を指摘した。
交通部民間航空局の保安担当者は、ICAOが全メンバーに書簡で伝えた保安上の新国際基準を、後になって知らされたと証言し、ある中華航空幹部は、台湾上空通過のルート変更をICAOから通告されていなかった点をとらえて、「地域の運輸の安全を危うくするものだ」と警告した。
台湾は現在、現地と外国の航空会社50社以上が離着陸し、日本を含む世界の110都市との間を結んでいるアジアの航空拠点だ。ICAOへの参加で、国際社会の不安を払拭できる。中華航空の楊辰上席副社長はWHO参加を例に「われわれの経験をもって世界に貢献できる」とも強調した。
ICAO参加について台湾の航空安全調査委員会が3年ほど前に打診した際、中国側の反応は「時期尚早」だったという。それが昨秋、「台湾が適切な方法でICAO関連活動に参与できるよう検討する」(台湾の連戦元副総統との会談での中国の胡錦濤国家主席発言)に変わってきた。
加えて、オバマ米大統領がこの7月、台湾のオブザーバー参加への策を講じるよう国務長官に指示する法律に署名したことも、総会出席への追い風となったかもしれない。
だが、事情に詳しい熊正一・台南応用科技大学教授は、中国の了解なしの参加はあり得ないと断じ、中国側は見返りに何かを求めるとの見方も示していた。
ICAO総会出席は、「国際空間における台湾のさらなる成果」(謝司長)となる。半面、台湾の馬英九政権のさらなる対中接近になりはしないか、日本として気になるところではある。
台湾総統・議長、ひび割れ 「司法介入」「政治迫害」 党内勢力争い、議会混乱
立法院の議場で、黒い服を着て馬政権に抗議する野党・民進党の議員ら=17日、鵜飼啓撮影
台湾の馬英九(マーインチウ)総統と、与党国民党の重鎮でライバルの王金平(ワンチンピン)・立法院長(国会議長)の対立が激化している。馬氏が王氏の「司法介入」を理由に議席を剥奪(はくだつ)しようとし、王氏が抵抗。逆に馬氏への批判が強まり、17日に開会した立法院は初日から審議が混乱した。
王氏は、約14年にわたり院長を務める実力者だ。国民党では第2次大戦後に大陸から移り住んだ「外省人」が長く中枢を占めていたが、南部の高雄出身の王氏は党内「本土派」の代表格。台湾本土意識の強い野党民進党との関係も良好で、同党は今回、王氏を支援している。
広達のタブレット出荷量低迷、新Nexus7不調で[IT]
ノートPC受託製造大手、広達電脳(クアンタ)のタブレット端末出荷量が伸び悩んでいるもようだ。同社が組立を手掛ける、パソコン(PC)大手の華碩電脳(ASUS)と米グーグルが共同開発した7インチのタブレット「Nexus7」の2代目機種の販売台数が予測を下回っているためで、今年のタブレット出荷量目標2,000万台の達成には黄信号がともっている。
17日付電子時報がサプライヤー関係者の話として伝えた。グーグルは7月末にNexus7の2代目機種を発表。価格は仕様に合わせて229〜349米ドル(約2万2,700〜3万4,600円)に設定していた。
グーグルはこれまでの販売台数を公表していないが、販売台数は従来予測に届いておらず、広達には大きな圧力となっているようだ。市場では、広達の今年のタブレット出荷量が「目標を35〜40%下回り、1,200万〜1,300万台にとどまる可能性もある」との見方も強まっている。
サプライヤー関係者はNexus7の2代目機種について、価格の高さが販売不振につながっていると指摘。「7インチタブレットは低価格化が進んで100米ドル台が主流となりつつある。宏碁(エイサー)や中国・聯想集団(レノボ)、米ヒューレット・パッカード(HP)などブランドメーカーの参入が相次ぎ、消費者の選択肢も増えた」と述べて、アップルの「iPad(アイパッド)mini」と廉価なタブレットの間で立ち位置が定まらないことが消費者の購買意欲を抑え込んでいるとした。
広達は年初に、今年のタブレット出荷量目標を2,000万台に設定していた。ただ上半期の出荷量は1,000万台を下回っており、先行きには不透明感が漂っている。電子時報によると、広達は「個別の顧客について言えることはない」とコメントを避けた。
グーグルはNexus7の次世代機種の開発を華碩以外のメーカーと進める方針とされており、広達が来年に失注する可能性は高い。また大口顧客である米アマゾン・ドット・コムは、タブレット「キンドル・ファイア」の新機種の製造の一部を仁宝電脳工業(コンパル)に発注することを決めており、広達の来年のタブレット出荷量は大きく減る可能性もある。
台湾・雲林、年末開催の農業博PRでLINE活用
雲林県では、今年12月に開催予定の農業博覧会をアピールしようと、無料通話・メールアプリの「LINE」(ライン)にイベントの公式アカウントを新規作成、大きな効果をあげている。
同県の発表によると、19日にタブレットPCなどの景品が当たるオンライン抽選会が行われることもあり、農業博の公式アカウントのフォロワー数は17日の一日で2万人を突破、予想を大きく上回ったという。
雲林県がLINEを農業博の宣伝に活用した背景には、台湾でのLINEの圧倒的シェアがある。LINE株式会社の統計によると、台湾では10人に7人がLINEを利用、1700万人にのぼるユーザー数は世界でも日本の4700万人、タイの1800万人に次いで3番目に多くなっている。
台風接近で中秋のお月見、楽しめるのは台湾中部のみか
台湾ではあす19日から中秋節(旧暦8月15日)の4連休に入る。中秋節といえば家族や友人と屋外でバーベキューをしながらのお月見が定番。しかし雨にたたられることも多く、今年は台湾接近中の台風19号がそれを現実のものとすることに。予報では唯一中部にお月見の可能性が残っているという。18日付けの自由時報が伝えた。
夏から秋にかけて北西太平洋地域では気温が高いため熱帯低気圧が発生しやすい。台湾では過去1969年、1986年、1991年、2008年、2009年、いずれの年も中秋節を狙うかのように台風が接近・上陸、甚大な被害をもたらし月見どころではなかった。
過去10年の中秋節のうち6回は雨天。専門家は中秋節の時期の降雨は一種の常態で、月見を期待するのは賭けのようなものだと話している。また、天気が悪くても深夜に入って中秋の明月が拝めるといったケースも多いのだが、今年はそれもかなわなさそうだ。南部は直接台風19号の影響を、北部・北東部は周辺の気流の影響を受け天候は悪化する。残る中部の台中、彰化などは月が顔をのぞかせる機会が比較的大きいとみられており、どうしてもお月見を諦めきれない人はトライしてみるとよいという。
民間気象事業者によると、北方高気圧の勢力は今後弱まる傾向にあり、台風はこのあと北上、その中心が台湾に上陸する可能性もあるといい、全土に大雨が降ると予想されている。
離島の金門県でも今晩台中から台湾海峡を渡って金門島へ向けて出発するはずだった中秋特別船の運航取り止めを昨晩緊急発表した。
「清明上河図」の刺繍で自信取り戻す女性受刑者ら/台湾・台東
一家団らんで迎える旧暦8月15日の中秋節(今年は9月19日)を控え、台東監獄では17日特別面会が行われ、女性受刑者3人が半年がかりで完成した世界屈指の名画「清明上河図」の刺繍作品が展示され注目を集めた。
受刑者の社会復帰を助けるため、同刑務所ではさまざまな職業訓練が行われており、刺繍の指導は最も代表的な項目の1つ。
3人が64万針で完成したのは長さ2メートル、幅1メートルの大型クロスステッチ刺繍。「入所前は針を手にしたこともなかったのに、まさかここまでの作品を完成できるなんてとても信じられなかった」と言う人もいたが、「出来上がった瞬間は興奮して涙がこぼれた」と3人はふり返り、自信を取り戻したと喜んだ。
3人のうち2人は麻薬密売でそれぞれ20年と8年の懲役に処せられているが、いずれもすでに2年を服役している。もう一人は来年出所する予定。
国立故宮博物院(台北市)所蔵としても知られる「清明上河図」。この刺繍作品は今後台湾、中国大陸、香港の刑事施設で展示されることになっており、刑務所ではその予約注文を受け付ける方針。
円安で台湾を訪れる日本人観光客減少
行政院主計総処が観光局の統計に基づいて発表したところによると、今年1月〜7月に来台した日本人旅行客は昨年同期に比べて6.8%の減少となった。
同発表によると今年7月までに台湾を訪れた外客は延べ444.1万人(1日あたり2.1万人)と昨年同期比で6.5%増。このうち、中国大陸からが166.6万人(37.5%)と最も多く11.1%増、その次が日本からで76.1万人(17.1%)だが6.8%減。主に円安が来台意欲に影響しているとみられている。なお、来台した外客のうち観光旅行目的が298.2万人で全体の67.1%を占めている。
一方、今年7月までの台湾人の出国者数は637.8万人(1日あたり3万人)と昨年同期比で5.5%増。このうち中国大陸が172.4万人(6.8%減)と最も多く27%を占め、香港は119.5万人(0.9%増)。日本旅行に出かけた人は136.3万人とこちらは円安効果で51.8%と大幅に増加している。
馬総統、中華民国への台湾返還は「カイロ宣言が鍵」と強調
馬英九・中華民国総統は16日午前、台北市内の中正紀念堂で行われている写真展示イベント、「中華民国とアメリカの首脳外交の映像および文物特別展」の開幕式に出席、1943年の「カイロ宣言」によって戦後、「日本から台湾などの領土が返還されることが決まった」と強調した。この催しは外交部の主催、中正紀念堂管理処と中央通訊社が協力。1949年から現在までの両国首脳の相互訪問や主な出来事にまつわる貴重な写真180枚が展示されている。
馬総統はこの展示がアメリカと国交を樹立して以来の国の重要な出来事や決定をふり返らせてくれると評価、1912年の建国以来、中華民国を取り巻く情勢は不安定で危ういものだったが、この中で華米両国は真の相互信頼関係を築いたと述べた。
馬総統は「カイロ宣言」を特に取り上げ、「日本が中国領土から奪った東北三省(旧満州)、台湾、澎湖などを中華民国に返還することを決定したもの」と自らの認識を述べ、当時イギリス代表は日本列島主要4島以外の領土放棄のみ支持、宣言の中に該当の文言を盛り込むことには賛成しなかったが、王寵恵・中華民国代表の強い働きかけでアメリカ側の協力を得、「最終的に我々の主張が通った」と説明、「なぜ重要かというと、カイロ宣言がなければ私達は今日恐らくここで話をする機会もなかった」とし、同宣言の重要性を強調した。
また、戦後東西冷戦のさなか1960年アイゼンハワー米大統領が台湾を訪れ蒋介石総統と会見したことについて触れ、緊張が続く台湾海峡で1958年8月中国大陸との間で起こった金門島砲撃戦で、両国が1954年に結んだ米華相互防御条約(安保条約)に基づくアメリカの台湾支持のもと44日後に事態を収束させ海峡の安定を勝ち得たとして当時の情勢をふり返った。
【カイロ宣言】 対日方針協議のため1943(昭和18)年11月22日からエジプトのカイロで開催されたF.ルーズベルト米大統領、チャーチル英首相、蒋介石中華民国政府主席による首脳会談を受け、12月1日に発表された。日本の無条件降伏と満州・台湾・澎湖諸島の中華民国への返還、朝鮮の自由と独立などに言及、その後連合国の基本方針となり「ポツダム宣言」に継承された。