台北市内で開催中の美術展で23日、特別展示されていた時価2億円近くのイタリア絵画が参観者の不注意により破損する騒ぎがあった。絵画は台湾で修復作業を完了させた後、イタリアに戻される。主催者は、破損部分は肉眼では分からない程度にまで修復できるとみている。
破損したのはイタリア人画家パオロ・ポルポラが描いた高さ2メートル超の大型油絵。約350年の歴史を持つという。
美術展の責任者によると、同日午後、母親とともに来場していた12歳の男児がガイドを聞いていたところ不注意でよろめき、手を作品右下についたために穴が空いたという。賠償について主催者側は、保険会社を通じて修復費用などを支払い、男児の家族には負担を求めない考えを示した。
参観者が近づき過ぎないよう、展示作品は80センチ間隔の立入禁止線で囲まれていたほか、入場者数も基準以下だったという。
同展は24日午前には入場を一時見合わせ、同日午後に再オープンした。