愛知県稲沢市の名古屋文理大に新校舎が完成し、学生らが25日、同市に古くから伝わる風習「便所開き」でお祝いした。学生有志が企画した。
「便所開き」は家などを新築した際、知人や近所の人を招き、便所でお茶菓子を振る舞って神様をまつる風習。尾張地方で行われていたとされ、洋式便所になった今でも同市祖父江町を中心に行われている。
学生らは、教室や食堂などがある新校舎「FLOS(フロース)館」のトイレの便器の上に座布団を敷き、1人ずつ座って抹茶とおはぎを食べた。招待された理事長や学長らも体験した。
学生らは今年度、市と連携し、動画を使って稲沢の魅力を若者目線でPRする事業に取り組む。リーダーで情報メディア学部4年の御家雄一さん(22)は「不思議な行事。この面白い伝統を、稲沢をPRするための素材にしたい」と話した。