欧州のフリーペーパー「20minutes」がこのほど、仏パリの街を清掃する活動を行っている日本人の団体「グリーンバード」のチームについて伝えた。現地在住日本人たちの活動に触発され、ここ数カ月、パリの人々も清掃に参加するようになってきたという。28日、鳳凰網が伝えた。
報道によると、日本で生まれた「グリーンバード」は2007年からパリでも月に1回、清掃活動をしている。これまでシャンゼリゼ通りやチュイルリー庭園、駅周辺など、観光客の多く集まるエリアを清掃してきたが、数カ月前には15区の緑地に吸い殻などのゴミがたくさん捨てられるようになったという地元住民の情報を得て、住宅地や公園なども清掃するようになった。
ある女性メンバーは、「日本人は学校や地域をきれいにするべきだと教えられる。私たちが活動する目的は、パリの人々の環境保護に対する意識を高めてもらうことにある」と話す。こうした活動を見て、パリの人々の間に「なぜ私たちでなく、日本人が街を掃除しているのか?」という疑問が芽生えたという。
パリ当局も今夏、1万5000個の携帯用灰皿を配布するといったポイ捨て対策をとった。10月からはポイ捨てや犬の糞などの始末をしなかった場合の罰金をこれまでの35ユーロ(約4800円)から68ユーロに引き上げる。
この「20minutes」の報道はフランス人の間で注目され、インターネット上でも現状を諷刺する声、不満を訴える声、当局の対策が足りないと指摘する声などが上がった。そうしたコメントのうちの一部を拾ってみる。
「オランド大統領が官邸の前を掃除したり、吸殻や犬の糞を拾うなどして手本を見せるべきだ」
「日本人たちはやがてあきらめるだろう。なにしろ、ポイ捨てするモラルの低い人々の数は、彼らよりもずっと多いのだ」
「日本人がパリを掃除って……。親愛なるパリの市民諸君! 税金は払っているだろう? 掃除担当の部署がきちんと働くよう、声を大にして叫ぶのだ! 警察は犬の糞を放置したり、ポイ捨てをするやつらを捕まえろ。スイスでは罰金はもっと高いぞ。外国人に掃除を教わることを、われわれは恥ずかしく思うべきだ。パリ市民にまだ尊厳はあるのか?」
「日本では学校や地域をきれいにするよう教わるというが、フランスではゴミを街中や古い建物に放置する。地元当局がこういうゴミに責任を持ってくれるからだ」