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山口組“2兆円抗争”勃発 シマとシノギ奪い合い 学習塾まで…様々な業界に魔の手

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国内最大の指定暴力団山口組(神戸市)が分裂した。神戸市灘区の総本部で1日、直系組長による定例会が開かれたが、山健組(同)など13団体の直系組長らは出席せず、分裂が確定した。一時は「2兆円もの収入を得ていた」(公安関係者)ともいわれる巨大な暴力組織。亀裂が入った原因の1つには、山口組が直系組長から毎月徴収する高額な「会費」などカネの問題が指摘されている。今後、シノギ(資金獲得活動)とシマ(縄張り)をめぐる攻防は避けられないとみられ、熾烈な争いが繰り広げられそうだ。

 裏社会を支配する最大勢力の分裂劇。その幕が切って落とされた。

 今月1日、神戸市灘区篠原本町の山口組総本部で開かれた定例会。この場に、組からの離脱が取り沙汰される山健組や宅見組など13団体の直系組長が欠席した。

 直系組長であれば何をおいてもはせ参じるべき「寄り合い」の場に姿を見せないことは、篠田建市(通称・司忍)組長(73)の出身母体である弘道会(名古屋市)を中心とした6代目山口組体制からの離反を意味する。

 山口組からの13団体に対する制裁処分、「絶縁状」と「破門状」も確認されており、勢力が二分されたことで、今後、シマとシノギの奪い合いが激化する可能性がある。

 『ブラックマネー』(新潮文庫)の著者で経済ジャーナリストの須田慎一郎氏は「関東は、新宿・歌舞伎町のように利権が入り乱れている場所もあるものの、組同士でのシマのすみ分けがはっきりしている。だが、関西は少し事情が違う。シマの概念が薄く、1つのエリアに複数の団体がせめぎ合っている状況だ。主流派の弘道会系組織と離脱グループを率いる山健組系組織とのつばぜり合いが激しくなるだろう」と予測する。

山口春吉初代組長が1915年に創設し、今年で100周年を迎えた山口組。46年に就任した田岡一雄3代目組長は、港湾労働者の派遣事業のほか、自らが社長を務める芸能事務所「神戸芸能社」を介して芸能界に進出。大物人気歌手の興行権を一手に握り、組織の資金源とした。日本最大の暴力団となった山口組は、80年代から90年代にかけてのバブル期に経済規模を急拡大させた。

 2006年10月に日本外国特派員協会で暴力団の経済活動について講演した元公安調査庁調査第2部長の菅沼光弘氏は「渡辺芳則5代目組長(1989~2005年在任)の時代には、地上げや会社整理、債権回収などで年間2兆円の収入を得ていたといわれている。国内最大手の自動車会社、トヨタの(最終)利益に匹敵するほどの売り上げがあったという話だ。一部の直系組長は、その当時に得た多くの資金を海外の金融機関に分散させて運用するなどし、莫大(ばくだい)な資産を築いた」と説明する。

 04年には、山口組系2次団体旧五菱会(現清水一家)によるヤミ金融事件に絡んで逮捕された組幹部が、マネーロンダリング(資金洗浄)目的でスイスの銀行に、6100万スイスフラン(現在のレートで約75億円)を預けていたことが判明し、衝撃を与えた。

 ただ、11年の暴力団排除条例の全国施行や、12年の暴力団対策法の改正で、資金力にも陰りが出たとの指摘もある。警察庁の調べでは、構成員数も年々減少し、昨年末は1万300人で、09年末の1万9000人に比べて半減するなど往時の勢いはない。

しかし、須田氏は「見かけ上、ヤクザの数が減っているのは確かだが、それが組織の衰退につながるとは一概には言えない。盃を受けて組に入ると、さまざまな制約が出てくる。そのため、わざと正式な組員にならずにシノギの場面だけに関わる周辺者もいる」と解説。当局の目を逃れるため、偽装破門も横行し、かえって実態を把握しづらくなっているという。

 「特に弘道会は、暴対法の制約を受けない周辺者と巧みに連携してさまざまな業界に手を伸ばした。飲食店以外にビジネスホテルや風俗店、学習塾の経営に関与するなどして利益を得ている。リターンが大きい債権回収や地上げなど従来の『太く短い』シノギに加え、『細く長い』シノギを確保している。いまだに豊富な資金力を備えているとみていい」(須田氏)

 裏社会の利権をめぐって血みどろの抗争が始まるのか。





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