台湾〜マカオがオープンスカイに=14年からか
新規航空協定締結に向け協議を進めている台湾とマカオの間で、便数制限などを設けないオープンスカイ協定を結ぶ方向で話し合いが行われている。順調に行けば早くて2014年にも便数・参入企業数枠が撤廃されることになりそうだ。現在、台湾側はエバー・復興・華信航空の3社、マカオ側はマカオ航空1社が運航中。便数が多く運賃もマカオ線に比べて格安な香港線に対し、マカオ線は搭乗率が低迷している。
「民族の誇り認められた」台湾パイワン族指導者ら安堵 NHK番組訴訟で逆転勝訴
「本当に安心しました。民族の誇りを大切にするわれわれの気持ちが認められた」。踏みにじられた名誉を取り戻そうと訴えた原告の台湾先住民族パイワン族らの思いは、敗訴した昨年12月の1審判決を経て、2審でようやく通じた。
台湾から東京高裁の判決を見守った原告の一人でパイワン族の指導者、華阿財(か・あざい)さん(75)は逆転勝訴の知らせを受けて、「取材を受けた本人が、全く不公平な番組だと主張していた。早く関係者に知らせたい」と声を弾ませた。
問題となった番組では、日英博覧会にパイワン族が出演したことを「人間動物園」と表現。訴訟では、この表現が博覧会出演者の一人だった男性とその娘の名誉を傷つけたかが争われた。NHK側は「取材時には『人間動物園』という言葉を使わなかったが、趣旨を説明し、恣意(しい)的な編集はしていない」としていた。
華さんは「『人間動物園』といわれ、パイワン族は本当に傷ついた」と振り返った。
原告側代理人の高池勝彦弁護士は、「原告が取材で話したのとは違う内容で放送したと認めた画期的な判決。取材対象の真意に基づかない番組という主張が受け入れられた」と話した。
平成21年6月の東京地裁への提訴後、原告は数を増やし続け、パイワン族と全国の視聴者を併せて計約1万300人を数える過去最大規模の集団訴訟になった。一方で2審の原告はパイワン族を中心に計42人。高池弁護士は「原告を絞ったが、社会的な関心の高さは2審も同じ。報道の公正性を保つ上で大きな意味を持つ判決だ」と強調した。
NHK広報局は「主張が一部認められず残念。今後の対応は判決内容を十分検討して決める」とのコメントを発表した。
台湾日鉱、桃園工場が落成
JX日鉱日石金属の子会社・台湾日鉱が、8億台湾元を投資して新竹科学園区龍潭園区(桃園県龍潭郷)に建設した新工場が27日落成、操業を開始した。同社ではフラットディスプレイやタッチパネルの重要材料である液晶用ITOターゲット材料などを生産。年間生産高は推定95億元。60人以上の雇用機会を提供する。桃園県八徳市と観音郷にも工場があり、新工場は3つめとなった。
台湾の人材、毎年2万人が外国に流出
行政院国家科学委員会(国科会)と経済建設委員会は27日、台湾の人材流出が深刻であることを警告した。国科会によると、ここ10年で台湾から外国に流出した人材は1〜2万人で、ほとんどが高度な知識・技術を有した人材。高等教育の普及により、現在は博士号取得者があふれている。だが企業からの需要は増加しており、このまま頭脳流出と少子化が続けば台湾の技術競争力と労働力に深刻な影響を与えるとしている。
旧正月の海外ツアー料金上昇、北海道は欧州並み
来年の旧正月は6連休となるため海外ツアーの予約が好調だ。なかでも北海道5日間が、今年より1000台湾元から5000元高い8万元と欧州ツアー並みの料金で、過去最高価。しかし、予約はすでにいっぱいという。米国・カナダ東部ツアーも好調で最大の値上げ幅となっている。円レートはすでに平衡を維持しており値下げの余地はなく、座席も限りがある。最高の人気は1月30日(除夜)と31日(元日)出発の北海道ツアー。1日700人分の座席しかない。
伊万里と鴬歌、焼き物の町同士で交流
伊万里焼で有名な佐賀県伊万里市の塚部芳和市長ら地元の陶磁器関係者からなる代表団は26日、こちらも台湾の焼き物の産地として名高い新北市鴬歌区を訪れ、洪見文区長を訪問した。一行は台湾の業者と市場調査や経済交流について懇談した後、塚部市長に洪区長から台湾桜鱒をレリーフした記念の磁器プレートが贈られ、鴬歌と伊万里が協力し合い共同で成果を上げていきたいとした。
菊池市訪問団、西郷菊次郎の記念碑に献花
熊本県菊池市の福村三男前市長や泉田栄一朗市議らが宜蘭市を訪問し、菊池市にルーツを持つ、西郷隆盛の長男として知られる日本統治時代の宜蘭庁初代庁長の菊次郎の功績を称えた記念碑を訪れ、献花した。福村前市長は、市長時代にも市議を宜蘭に派遣しており、すでに同職を退任したものの、両市を結ぶ縁を大切に思っていると話した。
日韓商品に表示不備の疑い=台中市が調査へ
台湾消費者協会は27日、台中市で記者会見を行い、同市内の主要商店10社でサンプリング調査を実施した結果、日韓からの輸入商品のうち8割の表示に不備があり「不合格」になったと発表した。台中市の担当者によると、台湾の商品表示法と食品衛生管理法にはどちらも規定があり、商品および包装された食品には品目、成分、製造日時などを明記しなければならない。同局はさらに調査を行い取り締まる方針を明らかにした。
塩入りミルクで乳児死亡事件、伯母を逮捕
塩入りミルクを飲んで赤ちゃんが死亡した事件を調べていた台北地検は27日、赤ちゃんの伯母(33)を殺人容疑で逮捕した。伯母は2人の子供がいるが、姑が特にこの赤ちゃんをかわいがっていたため殺意を抱いたという。伯母は9月と10月に2回、粉ミルクの缶に塩を入れ、これを飲んでいた赤ちゃんは高ナトリウム血症のため死亡した。捜査員が伯母にどれくらいの量の塩で血管病を併発するか聞いたところ、「分からない」と答えたという。
交通部:中国大陸への航空計画提出は飛行安全のため
交通部の葉匡時・部長が、両岸間ではお互いにフライトプランを提出していると説明した。立法院交通委員会では、27日、交通部の予算案を審査したが、立法委員らは、中国大陸が、釣魚台列島(日本名・尖閣諸島)を含む、東シナ海の上空で「防空識別圏」を設定した問題に高い関心を示した。この防空識別圏は、中華民国台湾と日本、アメリカ、韓国を結ぶ航空路線と重なっているため、日本、アメリカ、韓国などの国々から不満の声が上がっている。
最大野党・民進党籍の立法委員からは、これらの国家は、主権を守るため、中国大陸にフライトプランを提出しない方針だが、中華民国の交通部民用航空局はなぜ提出するのかという質問が出された。
これについて、葉・交通部長は、「中華民国の防空識別圏も、中国大陸の上海付近まで及んでいる。事実上、防空識別圏は領空や主権問題とは無関係だ。単にある国家の防空問題という角度から見た場合、不審機などの不明な飛行物体がやってくる時、不必要な誤解を招くことを避けるため、事前の通知がほしい。われわれは、飛行安全のためにも、国際民間航空組織の規定に基づき、フライトプランを中国大陸側に提出した。それは、中国大陸の航空機が中華民国台湾にやってくる時、台湾にフライトプランを提出するのと同じだ。」と説明している。
葉・部長はまた、敵機と間違えられることを防ぐために、フィリピンやシンガポールもフライトプランを中国大陸に提出しているとした上で、日本政府が、日本の航空会社に、フライトプランの提出をしないよう要請したため、日本航空では航空路線の変更も検討していると伝えられているが、このような措置は経費の増加を招くため、台湾にとっては最適の方法とはいえないとの見方を示した。
人民元立て債券、台湾での発行解禁
中国大陸系資本の企業による台湾での債券の発行が27日から開放されている。中華民国台湾の金融機関の所轄機関である、金融監督管理委員会は26日夜、中国大陸の企業による人民元建て債券、「フォルモサ債」の発行を27日付で開放すると発表した。27日から、中国大陸の政策銀行、政府系の商業銀行、または株式制商業銀行などの3種類の金融機関による台湾での人民元建て債券、「フォルモサ債」の発行が解禁されているが、専門の投資機関にしか販売できないという制限が設けられている。
中国大陸の政策銀行、すなわち、国家開発銀行、中国農業発展銀行、中国輸出入銀行、または、政府系商業銀行、例えば、中国銀行、中国農業銀行、中国工商銀行、中国建設銀行、交通銀行。或いは株式制商業銀行などの三種類の金融機関、及びこれらの金融機関の海外支店、または子会社、合わせて20行は、台湾でフォルモサ債を起債することができるようになる。
このほかに中国大陸に子会社を設立している台湾の金融機関も対象になる。例えば、開業を間近に控えている永豐銀行の南京分行、富邦華一銀行など。そして、中国大陸で登記している台湾の上場企業と店頭企業で、合併財務諸表に連結されていて従属関係が確認できれば、台湾での起債が認められる。
台湾グレタイ証券取引所では、起債する場合は、必要書類を揃えて中央銀行に報告を行い、さらに、グレタイ証券取引所の同意書を取得した上で、一ヶ月以内に募集、発行を完了させて、グレタイ証券取引市場で取引を始めなければならないとしている。
兄弟エレファンツ、売却先がほぼ決定
台湾プロ野球の兄弟エレファンツが、台湾元4億元(日本円凡そ13億7千万)で売却されることが決定した。売却先は来月初旬に公表されるということだが、中信フィナンシャルホールディングが有力と見られている。
10月半ば、台湾プロ野球元年から参入している兄弟エレファンツが、球団経営不振を理由に球団の売却を発表したことは、台湾球界、ファンに大きな衝撃を与えた。11月9日に北部台湾、桃園県の桃園国際球場で行われた、アジアシリーズの壮行試合は兄弟エレファンツとしての最後の試合となり、2万人のエレファンツファンが詰めかけるという、これまでにない盛り上がりとなった。
エレファンツの球団売却発表から1ヶ月あまり、これまで売却先については様々な噂が流れたが、兄弟エレファンツの洪瑞河・董事長は26日、「10社あまりの企業と接触したが26日売却先が決定した。」と売却決定を認めた。しかし、売却先については、機密条項を結んでいることを理由に明言は避け、「金額ではなく、チームを台北に残すことを第一に、売却先を決定した。」と話すにとどまった。
中信フィナンシャルホールディングは、プロ野球参入をめざし1991年にアマチュアチームを設立し、1996年に「和信ホエールズ」として、台湾プロ野球に参入、その後、「中信ホエールズ」とチーム名を改めた。ホエールズは日本プロ野球でプレーした郭源治・投手や、郭李建夫・投手らがプレーした球団としても知られ、1999年と2002年には台湾シリーズにも進出した。しかし、2007年、一部選手が八百長に関わった事が明らかになり、2008年のシーズンオフに解散となった。台湾プロ野球では29日に常務理事会を行うが、洪・董事長によると、この日に球団売却については提議せず、両企業によって球団売却契約が結ばれた後、12月2日あるいは3日に、正式に公表したいという。
台湾と日本が「金融監督分野における相互協力の覚書」に調印
外交部はきょう、日本と「金融監督分野における相互協力のための了解覚書」に署名したと発表した。健全な金融システムの確保と投資者の権利の保障により、金融市場のさらなる効率化が期待される。
外交部によると、調印は双方の窓口機関である亜東関係協会の李嘉進会長(=写真左)と交流協会の大橋光夫会長(右)によって東京で行われ、今回の覚書締結で経済貿易面で大きな進展が見られたとしており、新たなビジネスチャンスやウィンウィンの関係創出に寄与するとしている。
また、2011年の「台日投資取り決め」締結や今月調印されたばかりの「台日電子商取引取り決め」など5項目の調印に続く今回の覚書署名で、「台日経済協力取り決め」や「台日自由貿易協定(FTA)」に向けた「大きな前進」としたほか、東アジア経済の統合に向けた土台作りにもなるとコメントした。
中華電とLINEが提携、一部通信を無料に[IT]
通信最大手の中華電信は26日、ウェブサービスのLINEと提携覚書を交わした。中華電の携帯電話サービス利用者がLINEを利用する場合、来年末まで一部通信料を無料にする。
台湾の通信事業者がOTT(通信事業者とは無関係にインターネット上のコンテンツやサービスを提供する事業者)と提携するのは初めて。中華電のモバイル事業を統括する林国豊・行動通信分公司総経理は「OTTの勢いは今やモバイル通信市場においてとどまるところを知らない。通信事業者とOTTの競合関係を打破し、消費者の立場から新たなビジネスモデルを構築する」と説明した。
今回の提携によるキャンペーンは、中華電のモバイル料金プランの一つである「mPro」契約者が対象。LINEを使ってスタンプや文字情報、音声情報、通話、画像、動画を送受信する際、中華電が本来課金するデータ通信料を免除する。
海外から台湾を訪れる旅行客、今年は過去最高の800万人に届くか
交通部観光局は28日午前、行政院で台湾観光市場の現状と見通しについての報告を行い、今年1月〜10月の平均成長率を9.15%として推計した場合、2013年に台湾を訪れる旅行客は延べ798万470人となり、年内にも史上最高の800万人を記録する勢いだと述べた。
同局によると、長引く円安の影響で日本から海外に出る人の数は6.6%のマイナス成長。台湾における日本の旅客市場は2月から低迷を続けていた。ただ、9月以降の台日路線の相次ぐ新設や東京旅展など日本での台湾観光PRの効果が現れ、マイナス成長は止まり回復しつつあると説明した。
これに対して、香港・マカオからの旅客はこの11月末にも100万人を超え今年再び記録を塗り替える勢い。また、韓国からの旅客は月ごとに増加し成長率は各国・地域の中でも群を抜いているという。欧米や豪州・NZなどの“長距離”市場は現状を維持している。
中国大陸の旅客については、良質の台湾観光ツアーの普及や中国大陸での旅行法実施も手伝って、10月の観光ツアーはマイナス33%の成長だったものの、同月の個人旅行は前年同期比で2.4倍もの成長となった。報告書ではこの12月より大陸からの個人旅行の1日あたりの上限人数を現在の2000人から3000人にまで引き上げるとしている。報告書ではメディカル・ツーリズムと観光ホテルの提携でハイエンド層向けの商品を開発し、中国大陸や海外各国からの来台誘致に力を入れたいとしている。
江宜樺行政院長はこの報告を受け、今年10月までの訪台旅行客は日本からは減少しているが、主要市場では成長がみられるとし、年末まで日本、香港・マカオ、シンガポール・マレーシアの個人旅行市場に絞ってPR活動を強化し、2013年の訪台客数が延べ800万人を超えるよう力を尽くしたいと述べた。
台湾の晩婚・晩産化、右肩上がりの住宅価格が原因?!
台湾の週刊誌「今周刊」が20〜39歳の男女を対象に行った調査で、マイホーム購入のため、47%は「まだ結婚をしたくない」、50.8%は「子供の出産を遅らせる」と答えたことが27日、わかった。
台湾の22県・市のうち住宅価格が最も高い台北市と新北市では問題がさらに深刻で、「まだ結婚をしたくない」は50%超、「出産を遅らせる」は60%超といずれも国全体の平均値を上回っている。
多くの若者がマイホーム購入で人生設計が狂いそうになっている背景には、住宅価格の上昇傾向や賃金水準の“逆戻り”がある。
不動産相場を専門に扱う米グローバル・プロパティ・ガイド社の発表によると、近年、右肩上がりの台北市の平均住宅価格は2012年末時点で1坪あたり68万台湾元(234.8万円)と、世界の主要都市のうち18位にとどまった。しかし、平均給与が16年前とほぼ同水準となっている(主計総処、2013年11月)こともあり、住宅ローンの返済額が収入に占める割合を示す「住宅ローン負担率」では、台北市は64%と香港(55%)や東京(47%)、ソウル(42%)を大きく引き離して世界4位に食い込んだ。
昨年、平均初婚年齢(男性・女性共)、第1子出産の平均年齢のいずれもが過去10年の最高を更新した台湾。住宅価格の高騰は必ずしも晩婚・晩産化の決定的要因ではないにせよ、国民生活の質を落としかねない大きな問題になりそうだ。
高齢社会目前に新光保全が介護事業で日本企業と提携/台湾
台湾セキュリティー事業の大手、新光保全(台北市)が日本で介護事業を行っているリエイ(千葉県浦安市)と提携して共同で事業を進めることになり、27日協力覚書の調印が行われた。
介護事業に着目し、シニア世代の安全とケアについて長年研究してきた新光保全は2011年に健康介護推進部を設置し、セキュリティーシステム、24時間オンラインサービス、健康ケアサービスを組み合わせた「ケアユー・クラウド介護システム」や「健康ケアサービス・プラットフォーム」を開発、関連の各種設備の研究にも力を入れ、今年は「新保生活關懷」社を設立した。
台湾は5年後の2018年、「高齢化社会」(65歳以上の高齢者が全人口の7%以上)から「高齢社会」(同14%以上)に移行する見込み。これに合わせて新光保全では関連商品やサービスを充実させながら成功例に学びたいとしており、このことが今回、日本で介護人材を育成し日本的なケアサービスのシステムを打ち立てているリエイとの提携につながった。
同社では、より行き届いた健康ケアサービスの提供を目指したいと話している。
台湾と日本が「金融監督分野における相互協力の覚書」に調印
外交部はきょう、日本と「金融監督分野における相互協力のための了解覚書」に署名したと発表した。健全な金融システムの確保と投資者の権利の保障により、金融市場のさらなる効率化が期待される。
外交部によると、調印は双方の窓口機関である亜東関係協会の李嘉進会長と交流協会の大橋光夫会長(右)によって東京で行われ、今回の覚書締結で経済貿易面で大きな進展が見られたとしており、新たなビジネスチャンスやウィンウィンの関係創出に寄与するとしている。
また、2011年の「台日投資取り決め」締結や今月調印されたばかりの「台日電子商取引取り決め」など5項目の調印に続く今回の覚書署名で、「台日経済協力取り決め」や「台日自由貿易協定(FTA)」に向けた「大きな前進」としたほか、東アジア経済の統合に向けた土台作りにもなるとコメントした。
台湾海峡通過の大陸空母、「中間ラインは越えず」=台湾・国防省
中国大陸初の空母「遼寧」が26日、訓練などのため南シナ海に向けて出航したことについて、国防部の羅紹和報道官(=写真)は28日、空母が台湾海峡を抜けていたことを確認した上で、「通過時、海峡の中間ラインは越えていない」と強調した。
羅報道官によると、「遼寧」と駆逐艦2隻、フリゲート艦2隻からなる空母艦隊は27日午前10時30分から台湾側の防空識別圏(ADIZ)に入り、28日午前4時頃にはそれを通り過ぎたが、この全過程で台湾海峡の中間ラインを越えておらず、ラインから西へ約14カイリ(26キロ)離れた海域を航行し続けたという。
空母「遼寧」が遠洋航行するのは、2012年9月の就役以来、初めて。26日に中国大陸・山東省青島の母港を出港した当初は台湾海峡でなく、釣魚台(日本名:尖閣諸島)に近い宮古海峡を経由して南シナ海に入る可能性も指摘され、注目が集まっていた。
オープンデータを進める新北市に日本から見学者
日本の川崎市の訪問団が27日、行政が保有するデータを二次利用できる形式で公開するオープンデータのサービスで国際的にも高い評価を受けている新北市政府の情報センターを見学に訪れた。
この日、新北市を訪問したのは同じくオープンデータを進めようとしている川崎市の総合企画局の職員で、運用の状況や成果について説明を受けた。川崎市の関係者は新北市の経験は大いに参考になると述べ、また、新北市政府研考会(研究発展考核委員会)の呉肇銘主任委員はオープンデータにとって必要なのはオープンマインドの精神であり、自己本位な考えや官僚主義を捨て去ることが乗り越えるべき大きな壁だとした。
研考会は、新北市が2012年にオープンデータのプラットフォームを構築しデータの公開を始めて以来、1年足らずの間に自治体の情報200件近くが市民の閲覧を受け、延べ150万回ダウンロードされているとし、これが民間での端末用アプリの開発に寄与し、データ公開の代表的な成功例となるほか、公共サービス提供の必要性・重要性の裏付けとなると指摘した。
日韓商品に表示不備の疑い 自治体が調査へ
台湾の消費者団体の調査で、日韓から輸入された商品に中国語の商品表示がないなどとして対象の8割を「不合格」としたのを受け、台中市政府法制局は27日、さらに調査を行い取り締まる方針を明らかにした。
台湾消費者協会はきょう、台中市法制局で記者会見を行い、同市内の主要商店10社でサンプリング調査を実施した結果、日韓からの輸入商品のうち8割の表示に不備があり「不合格」になったと発表した。
台中市法制局の担当者によると、台湾の商品表示法と食品衛生管理法にはどちらも規定があり、商品および包装された食品には品目、成分、製造日時などを明記しなければならないという。また、中国語の表示がなく、日本語または韓国語だけが記載されている場合があり、危険性を示す警告があったとしても、消費者は成分や用途を理解できないと警鐘を鳴らしている。
消費者協会の調べを受け、法制局は調査に乗り出すとしており、規定に合わない商品があった場合はメーカーや代理商に改善を要求するほか、違反が見つかった際は罰則を加えるとして取り締まりを強化する方針。
台湾、女性社員に年3日間の生理休暇付与義務化へ
立法院(国会)で26日、「性別工作平等法」(男女雇用機会均等法)改正案が成立した。これにより女性社員が取れる病気・生理休暇が年間計33日間となり、来年春節(1月31日)前にも実施の見込みだ。
台湾では取得可能な病気休暇日数は年30日で、女性の場合は年12日の生理休暇も認められるが、病欠として取り扱われるため、申請可能な病気休暇日数が減るなど女性の権益に影響が及んでいるとの声が上がっていた。
これを受け、立法院では実際に適用された1人あたり3日間の生理休暇という調査結果を踏まえ、従来の病気休暇に無給の生理休暇3日間を加えることに改めた。企業主がこれを認めず皆勤賞を支給しないなど、女性社員に不利な処分を行った場合、最高で10万台湾元(約34万円)の罰金が科される。
ところが、仮病や“空気が読めない”などというレッテルを貼られないようにするため、生理休暇は取得が遠慮される傾向にあり、女性が気兼ねなく申請できる環境作りが企業の急務となりそうだ。
労働委員会の統計によると、昨年生理休暇使った女性会社員は全体(約400万人)のわずか11.8%にとどまり、年齢別では15〜24歳が最多を占めているという。
台湾・嘉義の老婦人、念願の日本旅行が冥土の土産に
日本統治時代に丁稚(でっち)奉公先の家族と一緒に日本への帰国を誘われながらも、台湾に残った女性が、先日、憧れの日本旅行から帰国した直後に死亡していたことが分かった。
芸術家の謝東哲さんの母親、謝春金さんは1930(昭和5)年、現在の嘉義県新港郷古民村で8人兄弟の6番目として生まれた。しかし父親と母親は目と手にそれぞれ障害を持ち、一家の生活は困窮していたため、春金さんは幼い頃から日本人の家庭に丁稚奉公へ行き、農作業などを手伝っていた。
太平洋戦争末期の16歳の時、日本人一家は帰郷することになり、一緒に日本に行ってはどうかと誘われたが、故郷を離れたくないと断り、嘉義に残ったという。
東哲さんは母親から聞いた話として、その日本人一家が乗った船は、米軍の攻撃に遭い沈没したというが、春金さんは度々日本へ行ってみたいと口にしており、先日になって念願だった日本旅行に出掛けたという。しかし旅先で体調を崩し、台湾帰国後まもなくして帰らぬ人となった。
家族によれば、春金さんは20歳で結婚、24歳の時には夫と一緒に石を運んで小さなダムを作り、農作業に精を出すかたわら子育てにも励んだ。1959年には「八七水害」と呼ばれる災害に見舞われ、1966年には集団移転を迫られ、それに伴い借金も膨らんだが、6人の子供を養うため、午前2時には起床して仕事に出掛けたという。その後夫が寝たきりになってからは16年にわたって介護を続けた。
子供を立派に育て上げ、やっと待望の日本旅行に出掛けた金春さん。以前は自転車で仕事に出掛け、とても健康だったといい、突然の悲報に家族や親戚は驚きと悲しみに包まれている。