安保法案に反対する9177人分の署名を公明党が11日、ようやく受け取った。8日から、東京・信濃町の公明党本部前で訴え続けた創価学会員、天野達志氏(51)の粘り勝ちだが、受け取るまでにも一悶着あった。直前に“異例”の条件を突きつけられていたのだ。
天野氏は山口那津男代表や所属議員に署名を手渡そうとしたが、「警備員に渡せ」と突っぱねられていた。10日にようやく担当者から「職員が受け取る」と連絡を受けたが、3つの条件を言い渡された。
「やっと手渡しできるとホッとしたのですが、『党本部内での受け渡し』『1人で来ること』『撮影禁止』の条件を付けられました。マスコミや支援者の方も居たので、『皆の見ている前での受け渡し』をお願いしたのですが、なかなか了承してくれない。11日になって『マスコミ以外の帯同者1人』『党職員による撮影』の許可を得ましたが、『党本部内――』の条件は覆りませんでした」(天野達志氏)
11日はマスコミ数社に加え、安保法案に反対する母親グループ「ママデモ」、70歳前後の年代からなる「OLDs」、一般の学会員も集まった。公明党はそんなに公衆の面前で署名を受け取るのがイヤなのか。大きく報じられて困ることでもあるのか。
「一学会員が書面を渡すのに、なぜこんなに条件を付けられなければいけないのでしょうか。納得のいかない思いはあります。公明党は『平和の党』としての存在意義をなげうって与党にとどまっている。今のままなら、私は応援する気にはなれません」(天野達志氏)
「受け取りましたよ」というポーズなのだとしたら、トンデモナイ。山口代表は支持者にきちんと返答すべきだ。