アルコールを含む手指消毒剤を子どもが誤飲して、急性アルコール中毒になる事故が米国で急増している。
米ジョージア州の中毒対策センターによると、12歳未満の子どもの手指消毒剤誤飲について全米から寄せられた相談件数は、2010年の3266件から、14年には約5倍の1万6117件に増えた。子どもが消毒剤に接する機会が増えたことに伴い、病院に救急搬送される子どもも増えているという。
手指消毒剤のアルコール含有量は45~90%。2、3回プッシュした程度の少量でも、誤飲すれば急性中毒になりかねない。
6歳の女の子は学校で手指消毒剤を誤飲し、ろれつが回らなくなったり歩けなくなるなどの症状が出て病院に救急搬送された。消毒剤はイチゴのような味がしておいしかったと話している。
この女の子の血中アルコール濃度は179ミリと、大人が米国で運転を許容されるアルコール量の2倍に達していたという。転んで頭を打ったために脳の外傷も懸念され、病院で翌朝まで経過を観察した。
急性アルコール中毒では嘔吐(おうと)やめまいなどの症状が出て、子どもの場合は呼吸が停止することもある。専門家は、手指消毒剤を子どもの届かない場所に置くことや、アルコール不使用の製品または消毒用ティッシュを使うことを勧めている。