エジプトの西部砂漠で外国人観光客の一行がテロリストと間違えられて治安部隊に襲撃され、22人の死傷者が出た事件で、人気観光地の周辺で武装勢力が台頭している実態も浮き彫りになった。
エジプトの西部砂漠にある「グレートサンドシー」は、世界で3番目に広大な砂丘地帯として知られ、砂漠サファリを楽しむツアーが人気を集めている。
しかし同地はリビアと国境を接する地帯にあり、リビアのカダフィ政権が2011年に崩壊して以降、武装勢力が台頭。国境を越えて武器や麻薬などが輸送されるようになった。
さらに、エジプト軍が13年に事実上のクーデターでムスリム同胞団出身のムルシ元大統領を失脚させた後は、イスラム武装勢力によるエジプト軍への攻撃が激化した。
14年には人気観光地でもある西部砂漠のオアシスの町ファラフラで、警備拠点が襲撃される事件が発生。これを受けてエジプト軍は、リビアとの国境付近で武装勢力を標的とする掃討作戦を展開していた。