中東やアフリカからの難民が欧州に殺到している問題で、東欧のクロアチアは17日、セルビアとの国境にある7カ所の検問所を閉鎖した。
クロアチアは難民のために国境を開放したばかりで、この2日間で1万1000人以上が入国した。同国内務省はウェブサイトで、今後は「さらなる発表があるまで」7カ所の国境検問所につながる道路の通行を禁止するとした。
クロアチアの国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によれば、同国政府は1日に500人程度の流入に対応する用意しかできていなかったという。
クロアチアのグラバルキタロビッチ大統領は「初日にあまりに多くの難民が制御できない形で入国した」との考えを示すとともに「クロアチア国民の安全と国の安定が最優先だ」と述べた。
これまで難民はハンガリーを経由して西欧に向かうのが一般的だった。だがハンガリーは15日、多くの難民が通過した国境越えのルートを封鎖し、翌16日には難民を追い返すために催涙ガスや放水銃を使用。これが多くの人々をクロアチアに向かわせた。
16日は順調に過ぎたが、17日に国境近くの鉄道駅で数千人がクロアチア警察の規制線を破り、混乱が起きた。
人々は入国手続きのための待機エリアの外に飛び出したが、警察は力ずくでこれを抑えることはしなかった。
クロアチアに入国した難民らはスロベニアとオーストリアを経由してドイツに向かうとみられる。だがうまく目的地にたどり着けるかどうかは未知数だ。
クロアチアは欧州連合(EU)加盟国だが、入国審査が免除されるシェンゲン協定には参加していない。