「半沢直樹」ブーム冷めやらず 訪日ロケ地めぐりが人気
台湾でも日本ドラマとしては近年まれに見る高視聴率を記録した「半沢直樹」が、観光面で思わぬ効果をもたらしている。ロケが行われた六甲山などには“聖地”に訪れる台湾からの観光客が足を運んでおり、半沢のセリフを口ずさみながら記念撮影することがひそかな人気を集めている。
マンダリン（華信）航空は11月に台中−関西線の定期便を就航させたが、これは関西への旅行需要を見込んでのこと。同社会長で、以前はチャイナエアラインの日本支社長を務めていた“日本通”の何漢業会長も、今回の関西線就航に合わせて、妻（左）と一緒に観光を楽しんだという。
六甲山では台湾から訪れた観光客が興奮した様子で「半沢直樹」の立ち位置に立って、ドラマのシーンを再現する光景が見られるというが、何会長はストーリーは詳しく知らないとしながらも、日本ドラマのセリフが思わぬ観光効果を生み出すことに感心しきりで、最後には台湾メディアのリクエストに応じて妻と2人で撮影に興じる一幕もあった。
また、明石海峡大橋もドラマに登場したロケ地のひとつ。橋のたもとには1895年に初めて日本を訪れた中華民国の“国父”こと孫文の日本で唯一の記念館があり、元々台湾の人には思い入れの深い場所が、“半沢効果”で“倍”の楽しみに変わり、日本旅行の新たなスポットとして注目を集めている。
台湾版の“今年の漢字”は假
今年の台湾の世相を表す漢字が9日発表され、“にせもの”、“うそ”などの意味を持つ「假」（仮の旧字体）が1位に選ばれた。今年相次いだ偽装・不正表示問題により、食品の安全に対する国民の不安が浮き彫りになった格好だ。今年はトップ10に「黒」（色が持つ不吉なイメージから）、「毒」、「乱」、「コウ」（うそコウ＝言べんに荒）、「悶」（苦しみ悩む）、「混」、「真」、「醒」および同順位の「安」と「食」がそれぞれ選出され、マイナスイメージの漢字が半分以上を占めた。
LINEのネイバー、地場ネット企業買収
通信アプリLINEのネイバーグループは9日、台湾のインターネット企業の走著瞧（ゴーゴールック）の買収を発表した。買収額は約1000万〜2000万米ドルと見られる。2010年に日本のKDDIがKKBOXの株式を取得した後、台湾の消費者向けオンラインサービス企業に対する買収金額としては最高となる。ゴーゴールックは世界で500万ユーザー数を誇る電話発信者判別アプリ「whoscall」で知られる。
半導体パッケージング大手、高雄で汚水垂れ流し
世界最大の半導体パッケージングメーカーの日月光半導体（ASE）の高雄K7工場が、ニッケル化合物を含んだ汚染水を川に垂れ流していることが高雄市の調査で分かった。下流には農業用水取水口があり、940ヘクタールの農地が汚染された恐れがある。市は罰金60万台湾元を科した上で、正当な理由がなければ操業停止を命じる。汚染の状況はドキュメンタリー映画「看見台湾」でもはっきり分かる。
高速料金徴収を対距離制へ移行＝世界初
台湾で年内に、高速道路の料金システムが従来の車種に応じた均一制から、対距離制へと全面的に移行されることとなった。交通部高速公路局（高公局）によると、大多数の国では均一制と対距離制が併用されており、全面的な対距離制採用は台湾が世界で初めてになる。新制度の実施で通行料の年間収入は185億台湾元に低下すると見込まれていることから、実施2年後を目途に料金レートの見直しを行う見込み。
台北は14位＝アジアで生活費の高い都市
ECAインターナショナルが実施した企業の海外駐在員の生活支出に関する調査で、台北はアジア14位だった。昨年よりも1つ下げている。調査は世界440都市を対象に行ったもので、台北は世界69位。昨年世界1位だった東京は、今年もアジア1位だったものの、円安の影響を受け、世界では10位に下がった。ほかのアジアの主要各都市では北京が世界15位（アジア2位）、上海は世界18位（同4位）、香港は世界28位（同8位）。
高雄で遊覧バスが過剰に
高雄市の遊覧バスがここ最近で500台増えて計1300台になり、供給過剰にあえいでいる。同業組合は、政府の管理がなく、無制限に増えてしまったと嘆く。運転手の賃金は月間7〜8万台湾元ほどあったが、今は4〜5万元に減っている。以前はピークとボトムに二極化していたが現在は常にボトムの状況という。行き着くところは業者間の値引き競争。期待は来年の統一地方選挙に伴う支持者の大量動員か。
ベトナムから帰化女性、浮気が原因で国籍剥奪
台湾人と結婚して中華民国籍を取得したベトナム女性(37)が、同国出身の男性と浮気して夫の種ではない子供をもうけたため、離婚された。内政部は国籍法の「品行不良」を理由に女性の国籍を剥奪した。女性はすでにベトナム籍を放棄しており、2人の子供も同時に無国籍となった。女性は「李鴻源内政部長の浮気も国民は皆知っている。私だけを排斥するのは差別だ」と訴えた。国籍法の帰化条件には「5年内は品行方正、無犯罪」とある。
外国人投資資金、韓国から台湾の証券市場へ
台湾の証券市場が２週間にわたり強く反騰した。外国人投資家が先月２９日から今月６日にかけて９億３１６０万ドル相当の株式を買い入れたことによるものだ。同じ期間に韓国での外国人資金の流れはこれと反対だった。外国人投資家はこの期間にＫＯＳＰＩとＫＯＳＤＡＱで３億２６２０億ウォン相当の株式を売った。韓国に集まった外国人資金が台湾に移動したことになる。
新興国内でのこうした資金の流れをめぐり市場では、「新興国間の差別化の流れが明確に現れていることを示す現象」との評価が出ている。６月に米国の量的緩和縮小への懸念がふくらみながら外国人は新興国市場に投資した資金を回収し始めた。だが、２カ月ほど過ぎた８月から外国人は韓国株だけは恐ろしいほどに買い入れた。８〜１０月に外国人は３９取引日という過去最長規模のバイコリアを進め、１４１億ドル分の株式をかき集めた。新興国市場に属しているが米国と欧州など先進国への輸出比率が高く、先進国の景気回復の恩恵を得られることに加え、経常収支黒字基調が強固という点が魅力として作用した。年初に始まったバンガードファンドの韓国株売りで株価が上がらない点も作用した。しかし最近は日本の円安の動きが続き、外国人は韓国に背を向ける様相だ。円安で韓国の輸出企業の競争力低下は避けられないという判断からだ。
最近韓国に対する投資代案に浮上した国がまさに台湾だ。台湾もやはり経常収支黒字国で、ＩＴ製造業基盤の産業構造を持っている。大信証券のイ・デサン研究員は、「相対的に日本に対する産業競合度が韓国に比べ弱く反射利益を得ている。台湾もやはり韓国と似ており、新興国内では先進国扱いされる国」と説明した。外国人が好む新興国が別にあるという話だ。Ｆｎガイドによると、９日現在で韓国の台湾株式型ファンドの平均利回りは１３％を記録しており、外国人の台湾愛が無駄なものではないということを証明した。規模が最も大きいＩＮＧ台湾証券ファンドは今年に入って２７．６１％の収益を出した。
台湾のほかにも今年に入り２０％以上成長したベトナム株式市場の成果も目につく。国営航空会社のベトナム航空の企業公開など政府の果敢な民営化政策が市場を引き上げた動力に挙げられる。ベトナム市場にも今年に入って外国人資金が流入した。これに対し反政府デモが高まっているタイは今年に入って５４億ドル以上の外国人資金が流出した。慢性的な経常赤字のため昨年夏に危機説が出たインドネシアでは外国人が今年１２億ドルを売った。
グローバルファンドの動向を見てもこうした新興国内での差別化現象は明確に見られる。グローバルエマージングファンドの場合、この６週間で資金流出が起きている。韓国と台湾、中国が含まれたアジア新興国ファンドではこの３週間に資金が入っている。現代証券のイ・ヨンジュン研究員は、「同じユーロを使うからとユーロ圏は単一投資対象ではないと言われるのに、まして通貨まで異なる新興国市場を単一で見ることができるだろうか。来年の量的緩和縮小後も新興国の株価は二極化の姿を見せるだろう」と予想した。
韓国、台湾、ベトナムの証券市場が改善してはいるが先進国中心の動きを予想する専門家が多い。東洋証券のキム・フジョン研究員は、「今年は米国と欧州のファンドが３０％、日本ファンドが４０％近く成長した。これに対し新興国ファンドは１けた台の利回りを見せた。来年も今年と似た現象が現れるだろう」と予想した。海外ファンドに加入する場合、先進国中心に組まなければならないという話だ。
「酒に酔い路上で眠り、性的被害」と通報の3女性、実は用を足し下着をはき忘れていただけと判明
台湾台中市で先月、酒に酔い路上で眠ってしまった20代の女性3人が相次いで性的被害を受けたと警察に通報した。その後の捜査で、3人はいずれも酒に酔った勢いで用を足し、下着を履き忘れていただけだったことが判明した。写真は台湾・台中市の夜市。
2013年12月9日、香港・中国通訊社によると、台湾台中市で、酒に酔い路上で眠ってしまった20代の女性3人が相次いで性的被害を受けたと警察に通報した。その後の捜査で、3人はいずれも酒に酔った勢いで用を足し、下着を履き忘れていただけだったことが判明した。中国新聞網が伝えた。
台中市の警察当局によると11月、「酒に酔い寝てしまい、気付いたら下半身裸だった。下着も見つからない。性的被害を受けたのでは」とする20代女性からの通報が立て続けに3件あったという。
警察が街頭防犯カメラの映像を調べた結果、この3人はいずれも、自ら下着を脱いで用を足した後に路上で眠ってしまっていたことがわかった。
警察当局は、「3人に共通しているのは、酔うと人が変わり、泣き叫んだり帰宅を拒んだりした揚げ句、酔いが覚めると何も覚えていないこと」と話している。
年末年始の旅行は「遠・長・親日」 中韓に代わってタイ、台湾が人気
最大９連休になる年末年始の海外旅行の予約が、景気回復の追い風で好調だ。長期休暇を取得できることから旅行先は欧米などが増加している。尖閣諸島（沖縄県石垣市）や竹島（島根県隠岐の島町）をめぐる問題などで関係が冷え込む中国や韓国に代わって、アジアではタイや台湾などの親日国が人気を集めており、キーワードは「遠・長・親日」となっている。
日本旅行業協会が、１０月末時点の大手旅行会社の予約状況などを基にまとめた年末年始の旅行動向調査では、海外旅行のツアーの予約人数は前年比８・７％増だった。旅行先の人気トップのハワイは同１４・３％増で、２位と３位は台湾（同５６・５％増）とタイ（同２４％増）と、アジアの親日国が伸びた。欧州旅行も同２０％増と堅調だった。
一方、前年の年末年始に大幅に減少した中国や韓国への旅行は今年も低調だという。
今年は、曜日の並びがよく９連休の取得も可能なこともあり、「例年は４〜５日のツアーが人気だが、今年は５〜６日」（阪急交通社）と長期化の傾向があるのが特徴。このため短期間では難しいハワイや欧州などへのツアーが好調だ。ＪＴＢ西日本は「とくにハワイは予約がなかなか取れない状況」という。
円安基調の影響で海外ツアーの料金は最大１０％程度値上げされているが、ＪＴＢ西日本は「景気回復に伴うボーナス増などが影響しているようだ」と話している。
北朝鮮代表団が台湾訪問中止 張成沢氏失脚と関連か
北朝鮮・朝鮮国際旅行社の趙成奎（チョ・ソンギュ）社長一行が台湾訪問を急きょキャンセルしたことが10日、分かった。張成沢（チャン・ソンテク）国防委副委員長の失脚と関連があるとみられる。
北朝鮮の国家観光総局副局長を兼任する趙氏と職員2人からなる北朝鮮代表団は、11〜15日まで台湾・高雄で開かれる「2013 アジア都市観光会議」に出席する予定だった。
高雄観光産業協会関係者は、聯合ニュースの取材に対し、北朝鮮側から「台湾訪問が難しくなった」という連絡を受けたと明らかにした。
北朝鮮代表団は12日に北朝鮮の観光産業について発表を行う計画だった。
高雄観光産業協会関係者は北朝鮮代表団の会議不参加の背景について、具体的には分からないとした上で、「北朝鮮内で発生した事態と関連があるものと判断している」と話した。
台北の消息筋は趙氏と失脚した張氏は遠戚にあたるという話が出ていると伝えた。
趙氏は海外からの観光客誘致活動を総括し、外貨稼ぎを主導してきた人物として知られる。
韓国と台湾はなぜいつも対立するのか？―香港メディア
香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト（電子版）は３日、台湾と韓国の対立は台湾の心の奥の焦りを反映したものだと報じた。参考消息網が伝えた。
今年１０月、韓国のテレビ局チャンネルＡが故意に「台湾鯛（ティラピア）」を中傷する報道を展開した。許可なく撮影し、汚染された養殖場で飼育されているなどとでっち上げ、地元漁民に大きな打撃を与えている。
台湾と韓国の争いはこれだけではない。台湾政治大学で朝鮮半島問題を研究している教授は「学術、商業、政治、スポーツの分野まで、台湾人が韓国人と一緒になると必ず争い事が起こる」と指摘する。
１１月には台湾公平交易委員会が韓国サムスンに３５万ドルの罰金を命じた。サムスンは学生を雇ってインターネット上に台湾の携帯電話メーカーＨＴＣを中傷するコメントを書き込ませていた。
２０１０年アジア競技大会のテコンドーの試合でも似たような騒ぎがあった。台湾人選手が韓国籍の審判に「失格」を言い渡され、準決勝に進めなかった。騒ぎはその後、外交問題に発展し、台湾の馬英九総統も巻き込まれることとなった。
こうした原因は、両者の経済分野における激烈な競争関係にあるとみられる。双方は経済の７０％が同じ産業によって構成されており、韓国と台湾の輸出先がかぶることも珍しくない。これが両者の競争を激しくさせ、多くの特許訴訟案件を引き起こす要因となっている。
韓国が２０１１年と昨年に相次いでＥＵ（欧州連合）、米国と自由貿易協定を結んだことは台湾にとって大きな打撃だった。韓国と米国が協定を結んでから１年の間に韓国の対米輸出は３．８９％増えたが、台湾の対米輸出は４．６５％減少している。
戲智、タブレット端末で日本市場参入［ＩＴ］
スマートフォン向けのアプリ開発などを手掛ける戲智科技（バンバンゲーム）は、新型タブレット端末「ＫＡＬＯＳ」の日本での予約販売を開始した。シャープなどの先端技術を取り入れて日本市場の開拓を狙う。
「ＫＡＬＯＳ」は戲智科技にとって「Ｐｈｏｔｏｎ」、「ＭｉＳＳ」に続くタブレット端末３機種目の商品。10.１インチで米グーグルの基本ソフト（ＯＳ）「アンドロイド４.２.２」を搭載。シャープの「ＩＧＺＯ」技術による液晶ディスプレーやソニー製の裏面照射型ＣＭＯＳセンサー「Ｅｘｍｏｒ Ｒ」を搭載した1,300万画素のカメラを採用するなど高機能を特徴としている。今月中旬に台湾と日本で先行発売する予定で、日本では家電量販店のビックカメラで予約販売を開始した。市場推定価格は４万5,800円前後。
戲智科技は今年５月に東京に日本法人を設置、今回タブレット端末で日本市場に参入した。台湾勢で先行する華碩電脳（ＡＳＵＳ）、宏碁（エイサー）に対抗して日本でのブランド確立を目指す。
日本時代の診療所に解体の危機 有志らが保存呼びかけ
日本統治時代の1936（昭和11）年に建設され、売却に伴って解体の危機に瀕している診療所を救おうと、有志によって結成された「日新医院救出聯盟」が各界に対して歴史的建造物の保存を呼びかけている。
聯盟によると、日新医院を開業したのは地元出身のト炉医師で、卓越した技術を持ち、貧しい人にも無償で医療を提供したとする逸話が残っており、ト醒哲元衛生署長の祖父にあたる。緑豊かな環境に鎮座した診療所兼自宅は日本留学から帰台した医師が建設した西洋式建築の代表的存在としての歴史的価値だけでなく、地方エリートの生活環境をうかがい知れる文化的価値も擁しているという。（ト＝さんずいに余）
建物の1階部分は西洋式の診療スペースで、2階は台湾式の「三開間」と呼ばれる“門”の字型の外観に和風の居住空間を併せ持つ“和洋台折衷”の建築様式が採用され、独特のたたずまいを今に残している。聯盟では、日新医院は今後取り壊され、跡地にマンションが建つ予定になっているとし、歴史文化が残る小さな街で、良質な空間を保存することができなければ朴子は「記憶を失くした街になってしまう」と解体反対の立場を表明している。
また、聯盟では建物が持つ特徴を活かし、台中の宮原眼科のように趣きのある商業施設として利用する方法を提案しており、歴史文化は発展の資産であり、地方の幸福であるとアピールしている。
日本留学中に殺害された台湾女性の遺族、給付金寄付で表彰
犯罪被害者の保護推進などに功績のある個人や団体に対する法務部主催の表彰式が9日、苗栗県であり、昨年日本留学中に刺殺された被害者、林シエイさんの遺族が政府から受けた犯罪被害者給付金20万元（約70万円）を全額寄付したことで表彰を受けた。
日本語学校の生徒で台湾出身の林さん（日本語名“百合”）は昨年1月5日、東京都台東区で友人の朱リツショウさんとともに同じく台湾からの留学生の男（その後死亡）に殺害されたが、海外で被害に遭ったため、政府の支援制度である「犯罪被害者補償条例」が適用されなかった。これを受け、立法院は今年4月、犯罪被害者保護法を修正し海外での被害者も関連の支援を受けられるようにした「百合条項」を定めた。
林さんの遺族は同条項成立後、初の適用例として犯罪被害者給付金を受けられるようになったが、自分より助けを必要とするほかの被害者やその遺族のため、林さんの両親（＝写真中央と左）はこの給付金を犯罪被害者保護協会台中分会に全額寄付、9日同協会から感謝状が贈呈された。
林さんの母親は「いつも慈善団体に寄付するなど優しくて思いやりのある子だった」と娘をしのぶとともに、今回の給付金寄付に対して娘もきっと喜んでくれると思うと語った。
海外からの大気汚染が流入 全国的にPM2.5濃度高まる
行政院環境保護署の空気品質予報によると、東北季節風が強まった影響で海外から飛来した大気中の有害な浮遊粒子状物質、PM2.5の濃度が台湾全土で高まっており、今後2日間は同様の状況が続くとして注意を促している。
台湾では10日に東北季節風が強まった影響で海外からのPM2.5が北部から南に向けて流入、濃度が高まっており、環保署では11〜12日にかけて台湾各地と離島における大気質指数（PSI）が「普通」から「不良」になり、一部地域では霧がかったような天気になると予報している。北部や雲林、嘉義、台南および高雄、屏東地区のきょうのPSI予想数値は95〜110、中部と宜蘭地区では90〜110で、「不良」の大気状態の警戒レベルに達すると見られている。
環保署監資処の朱雨其処長は、9日深夜に北部および金門、馬祖地区でPM2.5の濃度が高まり、けさになって減少したが、東北季節風が南に向かって吹いていることから、次第に中南部の大気状況に影響するだろうと分析。気象条件が変わらなければ、今後2日間はこのような状態が持続すると見て、心臓、血管、呼吸器官などに持病のある人や、高齢者、子供など抵抗力の弱い人は屋外での激しい運動などを避け、外出の際はマスクを着用するように呼びかけている。
「源氏物語」全訳の台湾女流作家、日本研究功労賞受賞
「源氏物語」など平安文学の中国語翻訳の第一人者として知られる林文月・台湾大学名誉教授（中国古典文学・日中比較文学研究）が「第3回日本研究功労賞」の受賞者に選出され、10日午後に日本学士院（東京都台東区）での授賞式に招かれ、記念講演を行う。
林文月氏は1933年、中国大陸・上海生まれの80歳。台湾大学で中国文学の修士号を取得した1958年から母校で教鞭を執り、1969年には京都大学に留学した。1993年の退職まで平安文学が中国の唐代（618〜907年）文学から受けた影響についての考察など、比較文学の研究で実績を積み重ねた。また、日本の文学作品の翻訳や散文の執筆にも精力的に取り組んでおり、日本生活をつづった「京都一年」をはじめとするエッセーなどで多くの読者を魅了した。
日本研究功労賞は、大学共同利用機関法人の「人間文化研究機構」が海外での日本研究を促進する目的で2011年に創設したもので、初回は専攻分野が日本近世史のロナルド・トビ米イリノイ大学教授が、2回目は世界での日本文化の位置づけを明確にしたオギュスタン・ベルク仏国立社会科学高等研究院教授が受賞した。