観察者網は29日、27日に台風21号が接近していた台湾を訪れていた香港人の女性ら4人が海岸の岩場で身動きが取れなくなり、現地の消防隊によって救助された際、女性が救助隊員らに「ゴミ」などと暴言を吐いたとする台湾メディアの報道を伝えた。
当事者の女性は33歳で、27日に37歳の交際相手ら3人とともに台湾・新北市の龍洞湾海岸を訪れ、当局が張っていた規制線を越えて岩場に登った。すると現地時間午後3時ごろになって岩場から戻る道が海中に埋もれてしまい、身動きの取れない状態に。午後7時ずぎに電話で救助を要請した。
現地の消防隊員40人が救援に駆け付けるとともに、照明用のヘリコプターも出動。6歳の男児をはじめ、岩場に取り残された4人を救助した。
しかし、自称ロッククライマーという女性は救助の消防隊員に対して救助方法を指図。これが受け入れられなかった女性は大声で「私は香港人よ、アンタたちは何なの?」と隊員らを批判しだした。女性と隊員との間でいざこざが続いたことで、結局4人全員を救助するのに5時間あまりの時間を要することとなった。そのうえ、女性が救助される際に「靴を濡らしたくない」と要求、消防隊員の膝の上を渡るという一幕もあったとのことだ。
岩場を降りて荒れる海を泳ぐリスクを冒しながら4人を救助した消防隊員に対して、女性は感謝を示さないばかりか「自分は香港人。台湾当局にプロフィールを残す筋合いはない」などとして氏名や連絡先を残そうとしなかったうえ、取材に来た台湾メディアの記者に対して「ゴミ」と暴言を吐いた。
救助の指揮に当たった消防隊長は個人のFacebook(フェイスブック)アカウント上で「救助して頭に来たのは初めてだ」と女性に対して怒りをぶつけている。情報を知った香港の消防隊員が、台湾側に謝罪をしたとのことだ。なお、香港メディアが女性一行を追跡しようとしているが、足取りがつかめていない状況だという。