日本人女性の12人に1人が罹患するといわれている乳がん。北斗晶(48才)がこの病気と闘っていることをブログで告白したのは、9月23日のことだった。
今年7月に精密検査を受けた結果、直径約2cmの腫瘍が見つかり、乳がんと診断されたという北斗だが、最初に違和感を覚えたのは今年の初めのことだったという。
《1番初めに何かがおかしいと感じたのは、うつ伏せになって床に転がった時でした。うつ伏せで、胸を圧迫した事で右胸にチクッとする痛みを感じました》
その時のことを北斗はこう綴っているが、すぐに医師に相談することはなかった。
「北斗さんは毎年秋頃に、婦人科検診と一緒に乳がんの検査を受けています。万全を期すためマンモグラフィーだけでなく超音波検査も併せて受けていました。だからまさか自分が乳がんだとは思いも寄らなかったんです。その分、乳がんで、しかも右の乳房を全摘出しなければならないと言われた時はショックが大きかったそうです」(芸能関係者)
一体なぜ、このような事態になってしまったのか。昭和大学病院乳腺外科の明石定子准教授が解説する。
「まず北斗さんの腫瘍の大きさですが、直径2cmというのは決して大きなサイズではなく、発見が遅れたわけではないと思います。乳房を全摘出することになってしまったのは、できた場所が乳頭の真下と位置が悪かったせいだと思います。また、乳がんは一般的に進行の遅いがんといわれているのですが、今回の場合、非常に速い、レアなケースだった可能性が考えられます」
乳がん検診の場合、通常はまず問診を行い、視・触診、マンモグラフィー検診と続く。しかし近年、マンモグラフィー検診の有効性について疑問の声が上がっている。
「今年5月にスイス医療委員会が“マンモグラフィー検診は乳がんによる全死亡率を低下させない”と結論づけ、世界的に権威のある医学誌に発表したんです。また彼らは検診の有効性を疑うだけでなく、がんではないものまでがんの可能性があるとして、過剰な治療を受けさせられる危険性についても触れ、検診の廃止を勧告したのです」(医療ジャーナリスト)
しかし、前出の明石准教授はこう反論する。
「残念ながら、これさえ行えば100%がんを発見できるという検査はありません。日本人、特に40才以下の若い女性の場合、脂肪が少なく乳腺の密度が高いため、マンモグラフィーではがんのしこりと同じように乳腺が真っ白に写ってしまい、見つけづらいことが多いのです。乳腺の密度が高く、マンモグラフィー検診との相性が悪いようでしたら、超音波検査を受けることでより精度を高めることができます。そうしたことを知るためにも、一度はマンモグラフィー検診を受けることが必要なのです。初期の段階の乳がんであれば、90%は完治できます」
※女性セブン2015年10月15日号