台湾、釣魚台周辺に最大級の巡視船投入へ
高雄市旗津で3日午前、行政院海岸巡防署(海保)の新しい巡視船、「宜蘭艦」の進水式があった。
全長119メートル、3000トン級の宜蘭艦(CG-128)は台湾の巡視船としては過去最大で、今年6月の就役後は釣魚台(日本名:尖閣諸島)沖など台湾の北方海域に配置され、同海域での漁船保護や救難業務に当たることになっている。
海巡署では近年、領土問題をめぐって情勢が不安定な周辺海域の警備活動のため、巡視船の大型化を進めており、昨年3月にはそれまで最大だった2482トンの新北艦が就役していた。
なお、今回の宜蘭艦に続き、同型船の「高雄艦」(CG-129)も今年3月に進水する予定。
漁船で密輸の麻薬を大量押収 台湾当局
台湾の警察当局などは3日、2日に台北郊外・野柳籍の台湾漁船から飼料袋に詰められた合成麻薬ケタミン424キロとエフェドリン302キロを押収し、中国人の漁業従事者と台湾の漁業者の男計2人を逮捕したと発表した。末端価格は約6億台湾元(約21億円)で、中国から持ち込まれたとみられている。地元メディアは漁船による麻薬密輸としては近年最多の押収量と報道している。
台湾では昨年11月にも台北郊外の桃園国際航空で、ベトナムなどから密輸されたヘロイン計229キロを、また12月にも同空港で香港から密輸されたケタミン200キロを警察当局が押収し、密輸グループの男らが逮捕されている。
b>台北盆地で軽震 震源は内湖
2日午後7時40分過ぎに、台北市街の北東部・内湖を震源とするマグニチュード3.2および2.7の地震が連続して発生、同市で台湾基準の震度2を観測した。また、3日午前0時34分には内湖区の南側、信義区でもマグニチュード2.9の地震が発生した。いずれも台北盆地の浅い層で起きた地殻変動が原因とみられている。
地震は午後7時44分と46分の連続2回で、震源はいずれも台北市内湖。1回目はマグニチュード3.2、震源の深さ10キロメートルで信義区で震度2を観測、2回目はマグニチュード2.7、震源の深さ12キロメートルで台北市で震度1を記録した。
中央気象局の話によると、これらは台北盆地の浅い層で起きる地殻変動が引き起こした地震。台湾で起こる地震は東部沿岸などを震源とするものが目立つが、同局によると今回のようなタイプの地震も1990年から現在まで度々発生しており、規模は小さいが地表への影響が大きく、高いビルの上層では揺れを大きく感じる場合もあるという。
台湾、年末にも「北太平洋公海漁業条約」のメンバーに
外交部は2日、中華民国(台湾)は早ければ今年年末にも「北太平洋における公海の漁業資源の保存及び管理に関する条約」の締約国になるとの見通しを明らかにした。
台湾は遠洋漁業国として世界上位6位入りを果たしており、保有する遠洋漁業用船舶数は2000隻を超えている。また、2012年の年間漁業生産額1062億台湾元(約3700億円)に占める遠洋漁業の割合は半分近くの501億元(1750億円)に達するなど、関連分野で大きな実績を持っていることから、1997年から「台湾漁業主体」名義で複数の地域漁業管理機関による条約作成参加をめぐって交渉を進めてきた。
このうち最も早く発効するものとして「北太平洋における公海の漁業資源の保存及び管理に関する条約」が挙げられており、外交部では台湾は加盟後、総漁獲可能量や漁獲割当量の決定などに参与することが可能となり、これが台湾の漁業利益確保のほか各国との協力強化にもつながると述べ、その意義を強調した。
台湾が「漁業主体」として参加している国際漁業機関にはこのほかにも、「北太平洋におけるまぐろ類及びまぐろ類似種に関する国際科学委員会」、「中西部太平洋まぐろ類委員会」、「全米熱帯まぐろ類委員会」、「みなみまぐろ保存委員会」拡大委員会などがある。
大気汚染物質流入で台湾西側と金門島に「PM2.5注意報」
行政院環境保護署は3日、「PM2.5注意報」を発表した。大気の拡散状況の悪化や域外から流れ込む汚染物質の影響で台湾南西部の雲林・嘉義・台南地方、および、離島の金門島でPM2.5(微小粒子状物質)の濃度が高まると予測されるためで、市民に屋外での激しい運動を控えるよう呼びかけている。
3日は台湾西側と離島部の空気の質の指標レベルは「普通」で、台湾東側では「良好」だった。しかし、大気の拡散条件が悪く雲林・嘉義・台南地方のPM2.5の濃度が高いほか、金門島では中国大陸から流入する汚染物質の影響でPM10(粒子状物質)とPM2.5の濃度が高く、3日午前の速報では、北部地方、新竹・苗栗地方、雲林・嘉義・台南地方で大気汚染基準指標(PSI)が150を超える「赤」の「不良(健康に良くない)」を示している。
環保署ではさらに、あす4日からあさって5日にかけて、強い寒気団の南下にともなう汚染物質の流入により、台湾各地で雨が降りやめば大気中のPM10とPM2.5の濃度が徐々に上昇するとみており、年配者や子ども、呼吸器や循環器に不安のある市民は屋外での激しい運動を控えるよう呼びかけている。
台湾企業連合、中国本土に石油化学複合施設を計画
台湾の企業連合は、中国石油化工(シノペック)<600028.SS><0386.HK>と合弁会社を設立し、中国本土に石油化学複合施設を建設する申請を台湾経済部の対外投資審査機関、投資審議委員会に行った。
昨年10月、中国本土での台湾企業のナフサ分解工場建設が解禁された。今回のプロジェクトは解禁後初となる。報道によると、台湾企業連合とシノペックの子会社はそれぞれ50%保有する予定。
工商時報は関係筋の話として、今回のプロジェクトへの総投資額が150億ドルとなり、このうち初期投資は96億元(16億ドル)になると報じた。
施設は福建省ショウ州市に建設される予定で、石油精製工場およびナフサ分解工場などから構成される。
台湾企業連合には台湾聚合化学品(USI)<1304.TW>や和桐化学<1714.TW>などが参画。3日の台湾株式市場で両社はともに上昇した。
総統:自由経済モデル区の「教育」で国際交流を
馬英九・総統が、自由経済モデルエリアに「教育」を加えたことの目的を、国際交流促進だとしている。教育部は31日、第17回国家講座および第57回学術賞受賞式典を開催した。馬英九・総統はあいさつの中で、過去数年政府は科学技術の研究開発予算を継続的に拡大し、昨年は国内総生産の3.06%に達したとする一方、中華民国台湾が海外の特許使用料として支払っている額は毎年50億米ドルに及ぶとして、産学提携を通じて工業に関する基礎的技術の開発の上でいっそう努力する必要があると指摘した。
馬・総統はさらに、政府が最近推進する自由経済モデルエリアに、教育のイノベーションを加えたことは、国内外の教育交流をより緊密にしたいからだと説明した。馬・総統は、「すべて実験的なものだ。国外の教育資源を導入し、国際基準に見合った教師やカリキュラムで内外の学生を引き付ける。この方式でキャンパスの国際化を徹底するとともに、我々と外国との交流をより密にする」と話した。
馬・総統は、内外の優秀な教育機関が提携して台湾に分校や独立した学院、さまざまなコースを設けられるよう期待した。
外交部、経済貿易で来年は24の国際見本市に注力
外交部が、来年の経済貿易分野での外交重点として24の国際見本市を挙げている。台湾の企業が海外でのビジネスチャンスを得られるようサポートするため、外交部国際経済司の頼建中・司長は31日、来年は24ヶ国で大型国際見本市を行う、もしくは見本市に参加することを計画中だと明らかにした。頼・司長は、特に新興市場の巨大なビジネスチャンスをにらみ、外交部では重点をアセアン(東南アジア諸国連合)、中東、ヨーロッパ、そしてイスラム教の市場におくとしている。
頼・司長は、海外での見本市のほか、来年度の経済貿易分野での外交重点は、経済貿易海外訪問団の組織、ならびに二国間の経済貿易合同会議だと指摘。外交部では、中華民国国際経済合作協会に委託し、ヨーロッパ、アジア太平洋地域、ラテンアメリカ、アフリカなどで46回の二国間合同会議を開く予定。訪問団は、西アフリカ、バルカン半島、中東などを訪問し、輸出の拡大と外国資本の誘致に努める。
台中市長選、民進党は林佳龍氏が公認候補へ
来年年末に予定される、台中市長選挙への、野党・民進党の公認候補が林佳龍・立法委員に絞り込まれたもよう。中華民国台湾では来年年末に、統一地方選挙が行われる。台湾中部・台中市でも、台北市や南部の高雄市とともに市長選挙が実施される。現職、与党・国民党の胡志強氏はまだ再選への意向を示しておらず、国民党から誰が出馬するかは不透明。
民進党では林錫耀・秘書長は31日、候補者調整チームは30日夜に、民進党籍の立法委員、林佳龍氏と蔡其昌氏について、それぞれ現職の胡志強氏と比べる形の民意調査を行ったと明らかにした。林氏と蔡氏のいずれも、胡志強氏には勝てるとの結果が出たが、林佳龍氏の支持率が44%だったのに対し、蔡氏は34%だったことから、林佳龍氏が民進党を代表して、台中市長選挙に出ることになったという。
午年の記念コインセットは1/9に発売
午年の記念コインセットが来年1月9日に発売される。中央銀行は31日、毎年恒例の干支の記念コインセットを、台湾銀行に委託して売り出すと発表した。このコインセットには、額面で台湾元100元の午年をモチーフにした銀貨と、一般に流通する50元と20元の硬貨が入っており、価格は1セット台湾元1800元で、12万セット限定。
中央銀行では、2005年から販売している干支のコインセットは毎年完売している上、馬は一般的に人々が好む動物だとして売れ行きに期待した。中央銀行によると、人類と馬は昔から互いに支えあっており、馬は輸送、移動、耕作、戦争などで常に縁起のいいことわざに使われる。このため好調な売れ行きが予想され、発売初日は一人1セット限定で販売するということ。
「おかえり!」 “プチ整形”終えた基隆の巨大アヒル展示再開
基隆での公開中に突然破裂した黄色い巨大アヒル、「ラバーダック」は緊急補修を経て、3日午前に展示が再開された。その無邪気な姿を早く見ようと大勢の家族連れが詰めかけたほか、幼稚園児らも「お帰りなさい!」とアヒルちゃんの“復帰”をあたたかく見守っていた。
台湾で大きな旋風を巻き起こしたラバーダックは高雄や桃園に続き、昨年12月下旬からは基隆の海洋広場で展示が始まっている。強風下での空気充填に起因した桃園での破裂事故を教訓に、基隆では縫い目の補強作業を行ったが、これが逆に海面から蒸発する水分の出口を遮断する結果となり、アヒルは同月31日、内部の圧力過剰で破裂して大きく裂け、“傷口”は8メートルにも及んだ。
制作元による緊急修復作業を経て2日午後6時頃、展示再開に向けて空気入れ作業を終えたアヒルは傷跡もなく再びファンたちの前に可愛い姿を見せることができたが、主催側では温度差によるアヒルの破裂再発を防止しようと、内部の圧力調節用に送・排風機を増設するなど対応策を講じている。
台湾・中華航空、米ローズパレードで国際大賞受賞
米カリフォルニア州パサデナ市で現地時間1日、新年恒例のローズパレードが行われ、チャイナエアライン(中華航空)から参加したフロート(山車)がコンテストで9年連続、「インターナショナル・トロフィー」を獲得、計18回目の同賞受賞となった。
“Dreams Come True”をテーマとする今年2014年のパレードイベントには、台湾から“Taiwan Dreams Rising”と題してチャイナエアラインが参加。山車は長さ17メートル、高さ11メートル、幅5.5メートルで台座には玉山、阿里山、台北101ビルを据え、そこにラン、アヤメ、バラ、キクなどのほか、熱気球が青空に舞い上がる様子をモチーフにした7個の大型バルーンが飾られ、車上から6名のダンサーが台湾観光をアピールした。
チャイナエアラインはローズパレードに1987年から毎年参加しており、今回で28回目。これまでに賞を23回獲得しており、さらにそのうちの18回で国際大賞に輝いている。また、最近5年は台湾・交通部観光局も協力し、台湾の魅力を内外に伝えている。
「開拓―農夫の足」オブジェ 雲林農業博で除幕式
現在開催中の雲林農業博覧会“100の注目スポット”の1つで、「開拓―農夫の足」と題する公共アートの除幕式が1日、雲林県の二侖運動公園で行われた。作品は雲林の人々の心意気を表現するもので、蘇治芬雲林県長をはじめ、台北、新北、桃園、台中、台南などの雲林同郷会(県人会)、彰源企業(金属)の代表者らが出席した。
蘇県長はこのオブジェは雲林農業の未来を象徴するものだと述べ、本来は入場者が多く集まる場所に展示しようとの意見もあったが、朝早くから一日中田畑の仕事に励む農業従事者の勤勉な精神を称えようと、二侖での設置が決まったと経緯を語った。作品は高さ8メートルと巨大でステンレス製。各地の雲林同郷会からの寄付や彰源からは素材の提供があったという。
作者の呂秉承さんはタイトルの「開拓」に開墾・着実・前進・時代的超越・未来といった意味を込め、ステンレスの光沢はテクノロジーと革新を、折り重なる筋の模様は農業のこれまでの歩みと厚み・豊かさを表していると説明した。
この日、県では縁起を担ぎ、「百福臨門、臨門一脚」(多くの福が集まり好機に力を発揮)の言葉に掛けて名前に「福」の字のつく年配者100人を招き、農民風の出で立ちで「足(脚)」作品の除幕に臨んだほか、新北市雲林同郷会の元理事長が作った雲林讃歌が発表された。
スキー人口増加で北海道に台湾人コーチが登場 レッスンに安心感
平地で雪が降らない台湾では、白銀の世界を求めて日本旅行に足を運ぶ人が多い中、最近になり北海道に台湾人のスキーコーチが登場し、慣れ親しんだ言語でレッスンを受けられるとして話題になっている。TVBSのニュースチャンネルが伝えた。
台湾の旅行代理店が打ち出す北海道ツアーで最近少しずつ見かけるようになっているのが、スキー指導員資格を持った台湾人コーチの下で学ぶスキーツアー。元々慣れない異国の地で、外国語を使わなければならなかったレッスンが中国語で受講できるようになり、台湾語も通じるとあって人気を集めている。
あるスキーコーチは、技術や体力だけではなく、恐怖心を克服することが重要で、中国語でのレッスンは、受講生に安心感を与えることができるのだという。実際にコーチの指導は懇切丁寧で、普段雪に親しむ機会のない台湾の人々に一つひとつ、手取り足取りでスキーのコツを教える。
中華民国滑雪滑草(スキー・グラススキー)協会は、台湾からのスキーツアー参加者は昨年12月〜今年3月の今シーズン中に過去最高の1万人を突破すると見ており、10年前の約10倍になるだろうと予測する。また、日台間でオープンスカイ協定が結ばれて以降、台湾各地から札幌、函館、釧路、旭川などへの航空便も就航し、スキー旅行先として注目を集めている。