台湾の警察は27日夜、雲林県口湖郷で、誘拐、軟禁されていたパールオリエンタルグループ(香港)の黄イク坤主席を38日ぶりに保護したと発表した。同日には誘拐に関わったとされる8人が逮捕されている。(イク=火へんに日の下に立)
黄氏は先月20日、医療行為を受けるために滞在していた新北市新店区内で誘拐された。今月中旬には会社宛てに犯行グループから身代金7000万香港ドル(約10億8800万円)を要求する文章と黄氏の映像が添付された電子メールが送られ、警察が極秘で捜査を続けていた。
ランニングシャツにハーフパンツ姿で男2人に軟禁されていた黄氏は、警察に保護された際、「死ぬかと思っていた」などと口にしたという。軟禁されていた部屋の床にはマットレスと薄い掛け布団、クッション、ゴミ箱などが置かれていた。
黄氏は雲林県内の病院で検査を受けた後、28日早朝までに台北市内の病院に転院。関係者は全身にあざができているが、意識ははっきりしていると話している。ただ、衰弱と疲労がみられ、観察が必要としている。