今後1週間で強い寒気団2つが南下の恐れ 低温に注意
中央気象局によると、台湾付近に今後一週間で2つの強い大陸性寒気団が接近することから、各地で朝晩の冷え込みに注意するよう呼びかけている。
気象局では14日から15日早朝にかけ、寒気団の影響で各地の気温が低くなり、14日には台湾西部を除き、各地で雨になると予報している。その後、18日にかけて寒気団の勢力が一旦弱まり、北部と東部の一部で雨になるほかは、各地で曇または晴れとなるものの、朝晩の予想最低気温は軒並み10〜16度前後で厳しい寒さが続く見込み。
また、18日夜からは別の強い寒気団が接近し、各地の気温が再び下降する予報となっているが、19〜20日には東部と北部の山間部一帯を除き、各地では晴れまたは雲の多い天気となり、日中と朝晩の温度差が大きくなると見られている。
このほか、寒気団の南下にともない、13日から15日にかけて北部と北東部では大気汚染物PM2.5(微小粒子状物質)などの濃度が高まる恐れもあり、行政院環境保護署では警戒を促している。
日本時代の「日東紅茶」工場跡地が“復活”、観光スポットに/台湾・桃園
日本統治時代に海外輸出向けの紅茶の生産が盛んだった台湾北部・桃園県の大渓で、このほど製茶工場跡が観光スポットとして再活用されることになった。レトロな建物の中では地元産の有機蜜香紅茶・緑茶が販売されている。13日付の聯合報が伝えた。
大渓は現在では古い街並み(老街)や豆腐の一種、豆干(ドウガン)の産地で知られているものの、かつてはここで日本内地や海外へ向けて輸出用の紅茶が作られていたことは今ではあまり知られていない。
日本統治時代の1899(明治32)年、三井物産が現在の新北市海山区と桃園県大渓郷で大規模な茶園の経営を始め、1926年(大正15年)に現在の大渓工場の前身である角板山工場が誕生。その後、ヨーロッパを中心に紅茶が好まれたため日本側は紅茶の生産に切り替え、全盛期には1日3交替24時間操業で年間最大600トンを生産していたという。
当初、この台湾産の紅茶をインドのダージリンに送って現地のものと比較したところ、品質も遜色なく、その後は英国貴族から指名されるまでになった。元々は「合名茶」とよばれていたが、他の紅茶と区別するため「日東紅茶」と名を改めて輸出され、外貨の獲得に貢献した。
戦後は台湾農林公司に引き継がれ、茶の製造はその後も続いたが、経済成長にともなう地域労働力の流出と、政府による製茶管理規則の廃止による小規模製茶工場の乱立、台湾の紅茶需要の落ち込みで、同社は1995年、ついに大渓製茶工場の廃止を決めた。
時代の移り変わりとともに忘れられがちだった大渓の紅茶だが、今、大渓観光の目玉としての“工場復活”で、関係者は観光客に往時の紅茶の香りを再び味わってほしいとしている。
台湾・宜蘭に巨大木馬が登場 ギネス世界記録めざす
宜蘭県三星郷役場は13日、午年にちなんで製作した巨大木馬を公開した。郷内の花畑に設置し今月下旬から観光客を迎え入れる予定で、同時にギネス記録への登録をめざす。
旧正月を目前にひかえ、同郷では木工職人ら4人に巨大木馬の製作を依頼。4カ月かかって完成したものは、高さ6.5メートル、長さ8.3メートル、幅3.1メートル、重量およそ4.5トンで、黄色の外観が目を引く。通常のものと比較して約10倍の大きさに相当するという。
製作場所となった木工職人、何文彬氏の工房から1.5キロ離れた展示場所へは、20人の職員やトラクターなどによって牽引されたが、途中何度も電線に行く手を阻まれ、その都度関係者が処理したほか、三星警察署前のカーブでは“上半身”を一度解体し、花畑への到着後再度組み立てる作業が行われた。
三星郷の黄錫ヨウ郷長は、本来は幅2メートル67センチの木馬を作る予定だったが、イスラエルで製作されギネスに登録されている世界最大の大きさを超えるために急遽サイズを変更したと語り、今後改めて同記録への申請を行うという。(ヨウ=土へんに庸)
役場によると、巨大木馬は1月22日から一般に開放する予定で、同日には100人で前後に押し揺らすイベントも行うという。
台北メトロ文湖線、子パンダ「円仔」塗装の電車が運行開始
台湾初の赤ちゃんパンダ、円仔(ユエンヅァイ)の人気にあやかり、台北メトロ(MRT)の文湖線(動物園−南港展覧館)で13日、車体に円仔がラッピングされた電車がお目見えした。
「円仔列車」と名付けられた電車はこの日午前10時30分に動物園駅を出発。車体には円仔やタイワンツキノワグマ(台湾黒熊)、ハナジカ(梅花鹿)、センザンコウ(穿山甲)など様々な絶滅危惧種の動物がデザインされているほか、座席には円仔の3Dシールも貼り付けられており、“ツーショット”が撮影可能。
円仔の可愛い姿を一目見ようと、朝早くから動物園を訪れていたファンは帰りに運よくこの第1号の塗装車に乗車、本物の円仔に会えたほか、“分身”との記念写真も撮影できて「サプライズでラッキーだ」と喜びを隠せない様子だった。
この「円仔列車」は毎日約10本が運行されるという。
「和心とんかつあんず」が新パートナーと台湾進出 経営規模拡大めざす
日本で「和心とんかつあんず」を経営するアトム(福岡市、花田利喜代表取締役)は13日、タピオカミルクティーなどで有名なドリンクスタンド、「チャタイム」(Chatime 日出茶太)などを経営する六角国際(新竹県竹北市)と提携し、台北市内にとんかつレストラン「銀座杏子日式豬排」をオープンさせた。アトムにとっては台湾で6店舗目の開店で、六角国際と共同で3年後には北部と中部を中心に20〜30店舗の展開を目指す。
アトムは2006年からすでに他の代理企業と台湾で「九州杏子日式豬排」を経営しているが、今回は新パートナーの六角国際と新たに「銀座」の名を冠して進出した。日本の「あんず」は2010年に銀座に出店して好評を博しており、花田氏は「台湾でクオリティの高い、おいしいとんかつをもっと進化させていきながら、この地に根づいた商売をしていきたい」と意気込みを語った。
また、アトムの台湾現地法人の渋田社長は「これを期に東南アジアから世界に“あんず”を“銀座あんず”として世界に広めたい」とし、海外進出拡大にも積極的に取り組む考えを示した。花田社長によると、すでにオープンしている韓国・ソウル店に加え、今年2月に台湾・新竹、3月にはタイ・バンコクに直営店を、6月には六角国際と共同で中国大陸・上海店を出店する計画。
アトムでは台湾で地産地消をテーマに現地の食材をベースとしたおいしい食品を提供するとしているほか、日本人を常駐させた教育センターの設置で人材育成にも取り組み、店舗の拡大と高いサービスの維持に努める考え。同社は六角国際が経営する「チャタイム」の日本展開でも協力関係にあり、今後も関係を強化したいとしている。
台湾「野球の殿堂」創設へ 選手の精神、後世までも
「台湾棒球名人堂協会」がきのう12日発足、台湾でようやく「野球の殿堂」創設へ向けて動き出した。顕著な活躍をした監督、コーチなど野球の発展に大きく寄与した人物の功績を称えるための「野球の殿堂」はキューバ、ドイツ、スペイン、イギリスなど世界12カ国で設置されているが、野球が108年の歴史を持ち世界ベスト4を誇る台湾で同様の制度を採るのは初めて。
「台湾棒球名人堂協会」の初代理事長を務めるのはメディア界出身の黄瑛坡氏。同氏はメディア関係者やスポーツライター、野球関係者を集めての協会結成は台湾の野球に貢献した人々に敬意を表し、先人・先輩らに生前のうちにその栄誉を受けてもらうためだとしている。
同協会では3月末までに第1回の殿堂入りを複数選出、7月末までに表彰と展示が行われる予定で、台湾の野球文化と野球人の精神の末永い伝承へ向けた取り組みがその第一歩を踏み出す。
大気質指数400超で教育機関の休校措置実施検討
海外から飛来する大気中の有害な粒子状物質などの濃度の高まりが懸念される中、教育部では深刻な大気汚染の発生が予測された際、呼吸器官に持病のある人や、子供の安全を確保するため、教育機関で休校措置を実施する基準値を設け、万一の事態に備えている。
教育部によれば、2010年に「大気状況の悪化にともなう緊急対策措置実施の流れ」を定めており、毎日午後5時に行政院環境保護署から発表される翌日の大気質指数(PSI)の予報値が400を超えた場合を休校措置実施の目安としている。ただ、実際に教育機関が休校になるかどうかは、各県や市などがPSI予報数値を元に検討の上、正式決定されるという。
昨年は大気汚染の影響で休校措置が取られた学校はなかったが、今月3日には強い寒気団の南下にともない海外からの汚染物質が流入し、台湾南西部の雲林・嘉義・台南地方および、離島の金門島でPM2.5(浮遊粒子状物質)などの濃度が高まると予測されたため、環境保護署によって「PM2.5注意報」が発令されていた。