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中国よ、南シナ海はもうあきらめなさい!~アメリカを怒らせた習近平政権

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アメリカは本気だ

 米国のイージス駆逐艦が南シナ海で中国が軍事基地化を進める人工島周辺12カイリ(約22キロ)内に進入した。中国は「強烈な不満と断固たる反対」を表明し「あらゆる必要な措置をとる」と対抗する構えだ。米中対決の行方はどうなるのか。

 米国側は進入したものの、姿勢はきわめて抑制的だ。それは駆逐艦が進入したときの映像をいっさい公開していない点に象徴される。進軍ラッパを鳴り響かせて突入したような印象を避けたい意図がにじみ出ている。

 だからといって、作戦に参加しているのは報じられたように、たった1隻の駆逐艦とP8A哨戒機だけだったのかといえば、そうではないだろう。

 中国を過度に刺激したくないために公表していないだけで、実はもっと多くの艦船や作戦機、衛星が総動員されているとみて間違いない。原子力潜水艦も周辺海域をパトロールしている可能性が高い。中国の軍事的能力を推し量るうえで、今回の作戦は絶好の機会になる。そんなチャンスをみすみす逃すはずがない。

 それは日本も同じである。菅義偉官房長官は会見で「米軍の作戦の1つ1つにコメントするのは控える」としながら「(米側と)緊密な情報交換は行っている」と認めた。駆逐艦「ラッセン」が所属するのは米海軍第7艦隊であり、母港は神奈川県の横須賀基地だ。

 横須賀には海上自衛隊の基地もある。横須賀基地は日米とも緊張しているだろう。

 これはまぎれもない軍事行動である。相手が対決姿勢を示している以上、米国も日本も自らすすんで手の内をさらけだすわけがない。日本の海上自衛隊も姿は見えないが「緊密な情報交換」を基に事実上、米国と一体となって動いているとみていいのではないか。

 一方、中国の側も事前の勇ましい言葉とは裏腹に、これまでのところ抑制的な姿勢を保っている。2隻の軍艦が駆逐艦を追尾したものの、それ以上の敵対行動はとらなかった。両国の海軍トップ同士は29日にテレビ会談するとも報じられた。これも偶発的な衝突を避けるために意思疎通を図る狙いである。

 こうしてみると、緊迫した事態であるのは間違いないが、侵入後も両国は事態をしっかりコントロールしているとみていい。そのうえで、さて今後はどうなるのか。

 結論を先に言えば、習近平政権はどうやっても米国には勝てないとみる。

中国は強気だが、確実に負ける

 それには、かつての米ソ冷戦の経験が参考になる。冷戦は1945年の第二次大戦終結直後から始まり、89年のブッシュ・ゴルバチョフ会談で終結するまで半世紀近くにわたって世界各地を舞台に激しく戦われた。

 スプートニクの打ち上げ成功(57年)など一時はソ連の力が米国を凌ぐと思われた時期もあったが、共産主義体制の非効率性は克服できず結局、体制内改革であったはずの民主化政策が引き金になってソ連が崩壊した。決め手になったのは経済である。東側の経済が西側に大きく遅れをとってしまったのだ。

 米国の政策立案者たちは今回の人工島進入にあたって当然、かつての冷戦を強く意識したに違いない。カーター国防長官は上院軍事委員会の公聴会で「今後、数週間から数カ月にわたって作戦を継続する」と述べた。しかし、これはまったく控えめだ。

 米国は数カ月どころか数年間、もしかしたらそれ以上の長期にわたって作戦を継続する覚悟を決めているはずだ。それは当然である。いったん進入した以上、中国が退かなければ、米国側から退く選択肢はありえない。そんなことなら、そもそも進入しない。

 国防長官が長期にわたって作戦を継続する意思を公に表明しなかったのも、また当然である。そんな覚悟をあからさまにいえば、中国に向かって「米国はこれからずっと中国と対決していく」と宣言したも同然になってしまう。

 相手にそんな宣言をしてみたところで問題は何も解決しない。それどころか悪化させてしまう。百害あって一利なしである。だからといって、米国に長期戦の覚悟がないという話ではない。分かっているが、おおっぴらに言わないだけだ。

 冷戦は結局、ソ連崩壊の形で終わった。では中国はどうなるのか。

 もしも中国がいま米国に反撃すれば、目下の軍事力は圧倒的に米国優位なので中国は確実に負ける。中国もそれが分かっているから、強気な台詞を吐き続けてきたものの、いざ進入されたら追尾するくらいしかできなかった。

 だからといって中長期的な持久戦に持ち込んだところで、やはり勝てない。なぜかといえば、軍事力を支える肝心の経済がいまや崩壊寸前であるからだ。躍進した中国経済の秘密はなんだったか。パクリと庶民生活を犠牲にした安価な労働力だ。

 中国自身が開発した画期的な技術など、ほとんどないに等しい。ブランド品から半導体、冷凍ギョーザに至るまで日本や米国の商品、先進技術をパクってきて真似してきた。軍事力の核心部分もパクリだ。パクリが本家にかなわないのは当然である。

ソ連と同じ運命をたどる

 安価な労働力はいまやミャンマーなどに追い上げられ、繊維産業はじめ中国から撤退する企業が相次いでいる。不動産も上海株もバブルはとっくに弾けた。経済成長が止まる一方、政治的には権力闘争が熾烈になる一方だ。

 そんな情勢で軍事力だけが突出して米国を中長期的にしのいでいくのは不可能である。

 目先の冒険主義に走って軍事衝突を選べば、敗北が政権基盤を揺るがす。といって米国とにらみ合いを続けても、長引けば長引くほど、経済力が基盤になる国力バランスは中国不利になっていく。加えて日本やオーストラリアも中国に対峙する体制を整えていく。

 中長期的にみれば、中国はソ連と同じような運命を辿るだろう。中国がそんな自滅シナリオを避けようとするなら、いまは自ら軍事基地建設を凍結する以外に選択肢はない。どちらにせよ、中国は米国に勝てないのだ。

 今回、米国や日本が断固たる態度を示しながらも、けっして抑制を忘れていないのは、最終的には勝つと分かっているからだ。ただし、この対決は短期で終わると楽観しないほうがいい。長く目に見えない神経戦が続く。もしかしたら、何年も。そういう覚悟が必要だ。

 それにしても、先の安全保障関連法をめぐって「やれ戦争法案だ。徴兵制復活だ」と騒いでいた野党は、この事態をどう受け止めるのだろうか。米国に向かって「戦争反対!」と叫ぶのか。南シナ海は日本の重要なシーレーンではないか。

 野党のトンチンカンぶりは安保関連法成立からわずか1カ月であらわになってしまった。こんなタイミングで民主党の重鎮、松本剛明衆院議員(元外相)が離党したニュースが民主党の現在を象徴しているようだ。



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